【ライブレポート】LUV K RAFT、メジャーデビュー記念ツアーに13年分の感謝と原点「新しい物語の始まりです」

LUV K RAFTが10月4日(日)、東京・浅草花劇場にて東阪ツアー<LUV K RAFT LIVE 2026「LIVE K3Y ROOTS」>のファイナル公演を開催した。結成から13年、KAREN(Vo)、Mishu(Vo)、北野正人(G / Manipulator)の現体制になってから10年を経て、メジャーデビューを果たした彼らの記念すべき一夜だ。満員の観客と共に新たな一歩を刻んだ歓喜の公演をレポートする。
「今日は東阪ツアーファイナルやけど、新しい物語の始まりです。ここからみんな、絶対はぐれへんように、ずっとずっと隣にいてください」──アンコールを含む全22曲をフルスロットルで駆け抜けたLUV K RAFTのKARENが、同公演の最後に語った言葉だ。

この日の会場は、東京・浅草の老舗遊園地“花やしき”と隣接した浅草花劇場。日曜日ということもあり周囲は国内外の観光客で大賑わい。9月26日に2作品同時配信リリースされた1stフルアルバム『GREEN』『PURPLE』のリリースパーティであり、メジャーデビューを祝うライブに相応しい雰囲気だ。チケットは大阪公演同様にソールドアウトとなっており、1階と2階の席をファンが埋め尽くした。
開演時間を迎えると、アンビエントなサウンドと共にブルーのライトがステージを照らし、サポートメンバーの大久保太(Dr)、佐々木恵太郎(B)、杉浦琢雄(Key)に続いて、北野正人が手を叩きながら登場。そしてKARENとMishuが大歓声に迎えられてステージに姿を現した。煌びやかなリフレインから、KARENがマイクスタンドを握りしめて歌い出したのは『GREEN』の1曲目「ココア」だ。北野が幻想的なフレーズを奏で、サビでMishuとKARENの声が重なるとライトが明るく会場を照らし、歌声が広がっていく。どこかしっとりとしたオープニングからガラリと雰囲気を変えたのはKARENの第一声。
「皆さん、楽しんでいけますか!? のっけから飛ばしていきましょう!」──KAREN
そう呼び掛けると、1階席は総立ちとなって「グッバイ・マイ・ラブ」へ。KARENとMishuによるツインボーカルのハーモニーを活かしたポップソングが観客の身体を揺らした。弾けるように「バリア」が飛び出すと、二人のボーカリストはモニターに足を掛け、シンメトリーに腕を突き上げて歌う。Mishuが「いけますか!?」とシンガロングを煽り、「手拍子をちょうだい!」とKARENが客席に求めると場内の温度が一気に急上昇。向かい合って歌うツインボーカルをはじめ、ステージ上の楽しそうな様子が客席にも伝播していった。



「<LIVE K3Y ROOTS>東京ファイナル、新たな一歩を踏み出す今日、この最高のメンバーでお届けします。タオルを回す準備はできてる?」というKARENのMCに続いてカラフルなポップチューン「カラバリ」に突入すると、客席はタオルを勢いよく回し、「ヘイ!ヘイ!」と拳を振り上げて沸騰する。これぞライブの醍醐味!といった楽しさ全開な光景が広がった。
ステージ上のサポートメンバーを含む全6名の名前をKARENとMishuが紹介した後は、深海のごとく照明がステージを照らして「魚」へ。幻想的でミステリアス、芸術的なサウンドパフォーマンスながら、歌詞をよく聴くと“食卓の魚”について歌っているギャップと脱力感がいい。Mishuがキレキレなラップで切り込み、北野のギターストロークが深い余韻を残しながら、海の底に沈むようなエンディングアレンジがドラマティックだ。
ガラリと場面転換した「真夏のファンタスティックボーイ」では、開放感あふれるサビのメロディ、AメロのMishuによるファンキーなラップ、ツインボーカルの掛け合いが場内を沸かせる。KARENがメロウな旋律を歌った「NEW AGE 9iRL」では二人の声がひとつになり、コール&レスポンスになだれ込むなどめまぐるしい展開を見せ、続く「Everybody 君とWonderful World」では、北野がアコースティックギターをプレイしてサウンドに軽やかな風を送り込む。ツインボーカルアレンジ、変幻自在で予測がつかない楽曲構成とアレンジ、それでいて飛び切りポップな振り幅がLUV K RAFTの大きな個性だ。

「この花劇場の舞台、つい数年前まではここに立つことも想像してなかったし、みんなが手を振って笑顔を見せてくれることも想像できていませんでした。誰にも聴いてもらわれへんかった曲があって、誰にも見てもらわれへんかったライブがあって、“おまえらの音楽じゃ無理や”って言われた悔しくて眠れへん時期もあって。そして13年分の出会いがあって、その1つ1つ全部に感謝しながら、みんなと一緒に歩いてきたからこそ、今日このステージがあると思っています。言葉にしたらもう全然足りひん。だけど私たちは音楽人、バンドマンです。だから言葉にするんじゃなくて、今日はこの想いを全部曲たちに預けたいと思います。みんなに届くように」──KAREN
KARENとMishuの二人がスポットライトを浴びて、身振り手振りを交えながら歌った「Heart」から、情感豊かなツインボーカルに寄り添う演奏を聴かせた「ありがとう…」、ソウルフルなフレイバー漂う「SOMEDAY」といったミドルチューン3曲を歌って、観客の胸にしっかりと思いを届けた。

「昨日、初めて自分の声帯を見た」というエピソードを語り出したMishuが、声が枯れたりしないAIによる歌について「羨ましいと思う」という気持ちを吐露しつつ、LUV K RAFTのライブの真髄を語る場面も。
「私は今、自分の身体を通して、自分の声帯を通して、皆さんに言葉、音楽を伝えています。生身の歌だからこそ伝わる力があると思っているんです。人間らしい不完全なものが、今こそ必要やと思うんです。だから私は、ステージに立つときも、みんなの目を見るときも、何をするときでも、生身の人間として皆さんに真っ直ぐ向き合いたい。生だからこそ伝わる音楽、言葉、響き、たくさんのものがあると思います。今日はそんなリアルな私たちの音を届けようと思っています」──Mishu
という思いを伝えてから、「The day dragged on」へ。北野が豪快にギターをかき鳴らし、KARENがリフレイン的なフックを歌い、Mishuがラップで現在に至るまでの道のりと葛藤を言葉にのせて綴っていく。真摯な思いを届け終えると、KAREN、Mishu、北野の姿がスポットに照らされて、大きな拍手が客席から送られた。
「いくぞー!」とKARENがスクリームすると、Mishuのラップから「ZOMBIE ZOMBIE」に突入し、客席は再び総立ちに。スリリングなサウンドの中、深くリバーブがかかったMishuのアジテーションが興奮を煽り立て、「ヘイ!ヘイ!」とオーディエンスが腕を突き上げる。「17days」では8ビートに乗せたラップによるマイクリレーから、KARENとMishuが二人で大きなハートを描いて《幸せ》を表現する場面も。


本編終盤は怒涛。「今日は今日しかない! ここから飛ばしていきます。いくぞー!」と語り、ファンキーなオルガンリフがダンサブルな「THE CITY ON BLACK」へ。北野のカオティックなギターサウンドが躍動するツインボーカルを後押しして、そのまま「Discotique」。立て続けのディスコビートに会場は興奮の坩堝となった。そしてステージと客席が明るく照らされると「春色」だ。Mishuがステージ中央でリズミカルなフロウを聴かせ、KARENが駆け寄って歌を引き継ぐ。会場全体が飛び跳ねているような、花やしきさながらのアトラクション感溢れる盛り上がりをみせた。
「ツアーファイナル、皆さん楽しんでいただけましたでしょうか? 今回のツアータイトル<LIVE K3Y ROOTS>は直訳すると“原点への鍵”です。LUV K RAFTの原点となる音を、ずっとずっとブレずにここまで来た音を、皆さんにそのままお届けさせていただきました。そして、これからもブレないLUV K RAFTでいます。だからみんなもブレんなよ! あなた一人ひとりに届く音をこれからも奏で続けます。最後はこの曲で、皆さんに私たちの愛を伝えさせてください」──KAREN
そして『PURPLE』の1曲目「Alice」で「みんな一緒に歌って!」と促すと《If this is love》の大合唱を会場中に響かせて本編の幕を閉じた。

アンコールはシンフォニックな導入から「Wishing you-Happy Birthday 2024」へ。言葉を丁寧に届けるようなツインボーカルによる歌とラップ、北野が弾くギターストロークが清廉な響きを届けた。そして客席をバックにした記念撮影を挟んで、青く染まったステージで「Dive into the BLUE」へ。広大な海を思わせるサウンドスケープと力強い歌には、スキューバダイビングのプロ資格及びインストラクター資格を持つ3人の、海への想いが込められている。
アコギを抱えた北野を含むメンバー3人全員がステージ前に出て「みんな歌える!?」と声を掛けると、カバーリリースをしている米米CLUBの「浪漫飛行」へ。オリジナルよりもグッとBPMを落としたアレンジで、緩やかにチルアウトしていく心地良さの中、会場全体が大合唱となった。ツアーファイナルを締めくくるナンバーは、「とびっきりの贈り物を贈ります」というKARENの言葉から「プレゼント」。躍動感溢れるバンドアンサンブル、底抜けに明るいメロディに乗って、3人がステージを縦横無尽に駆け巡る。「みんなのおかげで、最高の東阪ツアーになりました!」と伝えると、最後は会場全員と一斉にジャンプして締めくくった。
すべての演奏を終えると、ステージ上の6人が手を繋いで深々と感謝の一礼。ここで冒頭に記した言葉を届け、「今日はほんまにありがとうございました!」とKARENが感謝のメッセージ。お客さんたちと一体となって創り上げたツアーファイナルは、大喝采に包まれて終演を迎えた。
取材・文◎岡本貴之
撮影◎Howmic
■<LUV K RAFT LIVE 2026「LIVE K3Y ROOTS」>
2026年10月4日(日)@東京・浅草花劇場 セットリスト
01.ココア
02.グッバイ・マイ・ラブ
03.バリア
04.カラバリ
05.魚
06.真夏のファンタスティックボーイ
07.NEW AGE 9iRL
08.Everybody 君とWonderful World
09.Heart
10.ありがとう…
11.SOMEDAY
12.The day dragged on
13.ZOMBIE ZOMBIE
14.17days
15.THE CITY ON BLACK
16.Discotique
17.春色
18.Alice
encore
en1.Wishing you-Happy Birthday 2024-
en2.Dive into the BLUE
en3.浪漫飛行
en4.プレゼント
▼Tour Schedule
【大阪公演】
9月26日(土) Yogibo HOLY MOUNTAIN
open17:00 / start18:00
【東京公演】
10月4日(日) 浅草花劇場
open17:00 / start18:00
【東京追加公演】
2027年2月20日(土) I’M A SHOW
open17:00 / start18:00
■<BIRTHDAY LIVE 2026>
10月18日(日) 東京・Padma ~Libe&Bar~
open19:00 / start19:15
■<LUV K RAFT LIVE “the ACOUSTIC”>
11月14日(土) 東京・GT LIVE TOKYO
open17:30 / start18:00
11月15日(日) 東京・GT LIVE TOKYO
open16:30 / start17:00
■メジャーデビュー1stフルアルバム『GREEN』『PURPLE』
2026年9月26日(土)配信開始
※2作品同時リリース
配信リンク:https://tjc.lnk.to/LUVKRAFT
レーベル:徳間ジャパンコミュニケーションズ

▼アルバム『GREEN』収録曲
01.ココア
02.バリア
03.ZOMBIE ZOMBIE
04.カラバリ
05.17days
06.Day by Day -Happy Birthday 2021-
07.The day dragged on
08.SOMEDAY
09.PaperLove
10.グッバイ・マイ・ラブ
11.ありがとう…
12.ボッチャモーレfeat.BLD

▼アルバム『PURPLE』収録曲
01.Alice
02.春色
03.NEW AGE 9IRL
04.真夏のファンタスティックボーイ
05.Dive into the BLUE
06.Everybody 君とWonderful World
07.Wishing you feat.Cöco -Happy Birthday 2024-
08.Heart
09.魚
10.雨あがりの空 -Happy Birthday 2025-
11.Beautiful Days feat.松井絵里奈, Richard, Marty Friedman
12.浪漫飛行





