【機材レポート】Yukihide “YT” Takiyama、<B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+->ギターサウンドシステムを詳細解説

2026.07.03 18:00

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天賦の才や知性を感じさせるギタープレイの一方で、激しいステージパフォーマンス、そして安定したコーラスワークなどでB’zのライブに華を添えるサポートギタリストが、Yukihide “YT” Takiyamaだ。B’zをはじめTMGにもサポート参加していることからも、松本孝弘がYTに全幅の信頼を寄せていることがうかがえるというもの。

先ごろ公開した松本孝弘のギターサウンドシステムに続いて、B’zをはじめ、ビッグアーティストのコンポーザー、アレンジャー、ギタリスト、ベーシストとして活躍するYukihide “YT” Takiyamaが<B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+->で使用したギターイクイップメントを紹介しよう。

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【GUITAR編】

YTが<B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+->のために用意したギターはアコースティックギターを含め全13本。王道的なレスポールシェイプをはじめ、フライングVやファイヤーバードなど変形ギター、さらにラージハムバッカー、ミニハムバッカー、シングルコイルピックアップを搭載したエレキギターなど、タイプの異なるエレキギター数本を使い分けていたことやアコースティックギターにも強いこだわりを持っていることを感じさせるチョイスが印象的だ。

 

ESP YT Custom V“B-lu”

エンドースしているESPとYTが共同開発したシグネチャーモデル。ホンジュラスマホガニー ボディー&ネック、ローズウッド指板、セットネック構造など、フライングVの伝統的なスペックを継承したうえで、左右非対称のシェイプを採用。ハイフレット部の操作性を高めるために1弦側のボディーをカットしたわけだが、結果ボディー裏側のネックジョイント部の造形に工夫が施されたほか、ストラップピンの位置が若干低音弦側に寄っていることも注目ポイントだ。

また、本機はフライングVよりもボディーが厚めなことも特色で、低音域が豊かで太い音を鳴らすことができるとのこと。ピックアップはフロントがセイモアダンカンのSH-1n 59で、リアは同じくセイモアダンカンのSH-4 JB。YTがライブのメインに使用しているギターで、今回のツアーでも「FAITH?」「濁流BOY」「IT’S SHOWTIME!!」「Hi」「#1090 ~Million Dreams~」で使用された。

 

ESP YT Custom V“B-lu”(E♭)

半音下げチューニング用にセットされたESP YT Custom V“B-lu”。木目が透けて見える濃いブルーのカラーリングやコントロールの2ボリューム / 2トーン、ゴールドのハードウェア類なども含めて、メインのYT Custom V“B-lu”と共通した仕様だが、こちらはカバードピックアップのため、ルックスがよりスマートな印象。

「ペインキラー」や「The IIIRD Eye」「完全無欠」「FMP」「Heaven Knows」「Lair! Lair!」「さまよえる蒼い弾丸」といった半音下げチューニングで演奏する楽曲は、全て本機が使用された。

 

Gibson Firebird

ライブ前半に披露された「ZERO」「おでかけしましょ」、アンコールの「その先へ」「ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜」で活躍したギブソン製ファイヤーバード。YTが所有している本機はオリジナル同様、ミニハムバッカーが搭載されていて、トレブリーかつ枯れた質感のトーンを引き出せる。

1963年にリリースされたファイヤーバードはカーデザイナーのレイ・ディートリッヒによる流れるようなボディラインが特徴で、バランスのいいシェイプが独自の魅力を放っている。また、ボディー中央部とウィング部に段差がつけられ、さらにウィング部はボディー外周に向かって薄くなるという凝った造り。ギブソンでは初となるスルーネック構造やリバースヘッド、バンジョー用チューナーの採用(後に一般的なペグに変更)なども話題を呼び、ファイヤーバードはリリース当初から現在に至るまで、人気機種として君臨し続けている。

 

Gibson 1978 Les Paul Custom

1978年製のギブソン レスポールカスタム。1978年製レスポールカスタムの特徴は、ボリュート(ヘッドとネックの間を隆起させてネック折れへの耐久性を高める)付きの3ピースメイプルネックを採用しているほか、メイプルトップ/1ピースマホガニーバック・ボディー、ナッシュヴィル・チューン オー マチック ブリッジなど。メイプルネックの採用によって、豊かなローエンドとエッジの効いたハイを併せ持ったパワフルなトーンを備えていることもポイントだ。ちなみに、ジョン・サイクスが愛用したレスポールカスタムも1978年製。

先ごろ公開したインタビューでYT自身が語ったように、本機はYTギターサウンドの基準になっている1本だ。アンプやエフェクターなどのセッティングを決める時は必ずこのギターを使用するとのこと。また、ソロ活動のレコーディングでは、ほぼ全てのギターパートを本機で録音している。今回のアリーナツアーでは「love me, I love you」や「片翼の風景」「INTO THE BLUE」「イルミネーション」で使用した。

 

ESP MA-CTM

YTがESPとエンドースした際に最初の1本として提供されたギターだ。ESP MA-CTMは、セットネック、アーチドトップ、シングルカッタウェイボディーというトラディショナルなスタイルを基盤としたモデル。ボディーはややコンパクトで薄いことから、より快適な弾き心地やハイフレットの弾きやすさなどを実現させた。また、キルテッドメイプルトップ/マホガニーバック・ボディー、ハードメイプル3ピースネック、エボニー指板、ロック機構を持つTonePros製ブリッジなど、ハイクラスなマテリアルが与えられていることも魅力を高めている。

市販モデルはアクティヴピックアップのEMGだが、YTはフロントをセイモアダンカンのSH-1n ’59model、リアを同じくセイモアダンカンのSH-4 JB modelといったパッシブピックアップに交換。さらに、ボリュームとトーンといったコントロール類も自身の好みに合わせた配置に変更している。長年に亘ってYTが愛用しているギターで、今回は「有頂天」「ultra soul」で登場した。

 

ESP MA

前述のESP MA-CTMのサブギター。基本スペックはMA-CTMと同じだが、MA-CTMがシースルーブラック・フィニッシュなのに対して、こちらはマットブラック。さらにボディーバックに施されたバインディングやコントロール類の位置などが相違点となる。ダブルバインディングながらボディーバックにコンター加工が施されているという手の込んだ造りになっていることもポイント。コンター加工や、あらかじめボディを薄めに設定することで重量を軽減、ステージでの取り回しに秀でている。

また、MA-CTM共にボディーバックにアクティヴ回路用のバッテリーボックスが設けられているが、パッシブピックアップに乗せ換える際に配線は取り外された。ESP MAは質の高さや優れたプレイアビリティーを備えたモデルとして、国内はもとより海外でも高い評価を得ている。

 

EDWARDS E-SA P90

アリーナツアーのセットリストとしてピックアップされた曲の中に、「セミアコで弾きたい曲がある」というYTのリクエストに応えてESPが用意したEDWARDS製のセミアコ。本機はセンターブロックを持つボディー内部構造により、ソリッドギターとフルアコの中間に位置するトーンが得られる。木材はボディートップとバックとサイドにハードメイプル、ネックとセンターブロックがオクメ、指板はローズウッドを採用。トップとバックはプレス加工ではなく、単板削り出しで成形しているなど、職人の手間が掛かった1本だ。

本機はかき鳴らすようなフォームでテクニカルなプレイもこなすYTにも似合うギターだが、今回のアリーナツアーに多用されることはなく、「ねがい」のみで使用された。とはいえ、ギターテック曰く「YTさんはピックガードを外してみたり、いろいろ試されていました」とのこと。YTが本気でセミアコを使いたいと思っていたことがうかがえるカスタムが施されている。

 

Fender Telecaster

「イチブトゼンブ」「ハピネス」で使用したフェンダー・テレキャスター。1974年製の本機はアッシュボディー、メイプルonメイプルのネック指板、3プライのピックガードなどが特徴。歴代テレキャスターの中でも特にトレブリーかつアタックの効いたトーンを備えている。

テレキャスターは世界初の量産型ソリッドボディーエレキギターとして1951年にリリースされたモデルであり、エレキギターの原点ともいえる存在だ。ネックをボディーに木ネジで取り付けるボルトオンジョイントや片側6連にペグを配したヘッド、指板を用いずネックにフレットが打ち込まれた1ピースメイプルネックといったスペックは、それまでのギターの概念を打ち砕く斬新なもの。テレキャスターは新たな時代の幕開けを告げるアイテムとして、当時の世の中を席巻した。

 

Gibson SG

氷室京介からプレゼントされたギブソン製SG。このSGはギブソン カスタムショップ製で、フレイムメイプルトップ/マホガニーバックのボディー構造がポイントの限定生産モデル。粘りのある音を生むマホガニーと硬質な音響特性のメイプルが組み合わさることで、リッチな質感を湛えた上質なトーンをクリエイト可能だ。深みのあるトランスペアレントブルー・フィニッシュとゴールドハードウェアを活かした美麗なルックスも魅力的。今回のアリーナツアーでは「鞭」「Don’t Leave Me」で使用された。

SGはレスポールのニューバージョンとして開発されたモデルだ。ラジカルなダブルカッタウェイのボディデザインやマホガニー単板による薄いボディー、ボディー外周が斜めに削られたベベルドエッジなど、当時の先進的な数々の要素が投影された。1961年に発表されると同時に人気機種となるが、レス・ポール(ギタリスト:ギブソン製レスポールは彼のシグネチャーモデル)の嗜好に合わなかったことから、ギブソンとレス・ポールの契約が終了した1963年からSGと呼ばれるようになった。

 

Martin OMC-41

マーティンがボン・ジョヴィのリッチー・サンボラのために開発したシグネチャーモデル。OMシェイプや“ハート&クロス”と名づけられたマーティントーチインレイが配されたヘッド、美麗なヘキサゴンポジションマーク、“サンボラサンバースト”と呼ばれるオリジナルフィニッシュなどが特徴だ。

木材はトップにイタリアンアルパインスプルース、サイドとバックにマダガスカルローズウッドを採用。豊かな低~中音域と煌びやかな高音域を併せ持った極上のアコースティックトーンを味わえる。今回のアリーナツアーでは立奏用ギタースタンドにセットされ、「有頂天」で使用した。ハウリング防止のためにサウンドホールが塞がれている。

 

Taylor 814CE(E♭)

テイラー製エレクトリックアコースティックギターのフラッグシップを担う814CEは、テイラーが目指す“洗練された職人技、豊かなサウンド、芸術的な美学の融合”を体現したモデルだ。ボディートップのシトカスプルース、イーストインディアンローズウッドを採用したボディーサイドバック、そして豊かなサステインとパワーを生むVクラスのブレージング、ES2ピックアップシステムなどが相まって、芳醇かつレスポンスの良さが光るハイクオリティーなトーンを備えている。

テイラー814CEは全弦半音下げチューニングにセットされ、「The IIIRD Eye」「さまよえる蒼い弾丸」などのアコースティックギターパートにて、立奏用ギタースタンドで使用された。ボディバックの大きなゴムシートは立奏中に一緒に構えているエレキが当たって出るノイズを防ぐためのもの。

 

Taylor 814CE

今回のアリーナツアーではサブとして用意された1本だが、「Everlasting」はYTが座って弾く演出だったため、立奏用ギタースタンドではなくストラップをつける必要があったことから、そのシーンで使用。トランスミッターをつけて使用していたとのことだ。

テイラーは1974年にカリフォルニア州で産声をあげたブランドで、大別するとエレアコ、アコースティック、エレクトリックという3つのプロダクトラインを保持している。大量生産を目的とした機械工程ではなく、テクノロジーとクラフトマンシップを組み合わせた生産を行っていることやネックとボディーを接着しない“NTネックジョイント”の採用、木材調達と環境の持続可能性への取り組みなどで知られている。創業40周年を迎えた2014年には、全米アコースティックギター販売数トップの座を獲得するという偉業を成し遂げた。

 

K.Yairi Limited Edition WY YT CUSTOM 2026 #97549

「カッタウェイ付きのモデル」というYTの要望を受けてK.YairiがYTのために特別に制作したアコースティックギター。アコースティックギター用ピックアップとしてFishman Rare Earth Humbucking Active Soundhole Pickupが搭載されている。横浜アリーナ公演よりMartinの代わりにレギュラーチューニング曲のアコギメインギターとして「今夜月の見える丘に」「片翼の風景」「鞭」「#1090 〜Million Dreams〜」「イルミネーション」「有頂天」「Hi」「INTO THE BLUE」で使用された。

K.Yairiは岐阜県可児市に拠点を置く株式会社ヤイリギターの自社ブランドで、アコースティックギターやエレアコを主力製品としつつ、大正琴、ウクレレ、ブズーキなどの製造も手がける。製作工程の機械化を最小限に留め、大部分の製作を職人が手作業で行なう工法を採っていることでも知られている。

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