【インタビュー】Yukihide “YT” Takiyama、第三弾アルバム『Talkin’ to My Hand』に封じ込めた高次元の完成度「昔のロックを再現したいわけではない」

■ステージでは常に緊張感を持ちながら
■できるだけ自然体で臨むようにしています
──そして、ソロやB’zのライブではESP製のフライングVタイプも使用されています。
YT:レコーディングではレスポールカスタムを使っているけど、立って弾くとなると、レスポールはハイポジションが弾きにくいじゃないですか。かといって、ザック・ワイルドみたいにギターを立てて弾くというのは、僕の中ではちょっと違う。それでソロライブではVをメインにしているんですけど、そもそもVが好きなんです。バランス的にも自分に合っていると思うんですよね。
──YTさんのオリジナルモデルですね。
YT:ESPのYT Custom V “B-lu”というモデルで、ブラックに見えたり、照明によってはグリーンに見えると思うんですけど、実際の色は濃いブルーで、木目が透けて見えるフィニッシュなんです。ちなみにトーンノブが2つついてますが、いずれもダミーです。
──エディの影響ですか?
YT:はい(笑)。そのほうが音が良い気がするので。ピックアップは両方ともセイモア・ダンカン製で、フロントが59で、リアがJBですね。本当に王道のパターン。基本的に出力はそんなに強くないんです。JBはちょっと強いですけど。

──そうなりますと、YTさんのギタートーンの音圧や粘りは、ピッキングということになりますね。
YT:昔からそうですね。ピッキングでなんとかしようという。
──ちなみに、ライブ<NEXT GIANT LEAP>で、スライドバーを使う曲で弾いていたギターは?
YT:スライドを弾く時は少しギターの位置を上げるんですけど、そうするとメインのV “B-lu”と少し感覚がずれてしまうので、スライド用に弦高を少し上げたセッティングにしたギターを使いました。
──あとは先ほどレコーディングではゴダンのエレガットを弾いたというお話がありました。そしてアンプは、ボグナーのエクスタシーですね。
YT:ソロでもB’zのサポートでも使っているいつものアンプですね。このエクスタシーは20周年モデルなんですけど、ブルーチャンネル(ゲインチャンネル)がフルアップにしてもそこまで歪まないんですよ。パワー管が6L6なんですね。コンプレスのかかる感じもなくて、歪み方もそんなにがっつり歪む感じじゃない。個人的にそういうアンプがすごい好きなんで。たとえば、大きなステージのライブだとゲインをフルアップにしますけど、それでもギシギシな感じじゃないんですよね。
──そもそもエクスタシーを選んだポイントは何ですか?
YT:いろいろなアンプをたくさん試したんですよね。歪みだけだったらすごいのはいっぱいあるんですけど、クリーンとの使い分けを考えたときに、ボグナーがすごく良かったんです。リズムチャンネルの歪み具合が自分の考えてたものとどんぴしゃだったっていうのもあって。あと、ボグナーってパワーコードじゃないコードを歪ませた音で弾いても、ちゃんとクリアに聞こえるというか、そういう特徴があると思うんです。で、20周年のエクスタシーも、セブンスの音が鳴ってるようなコードでも綺麗に全部の音がクリーンに聞こえたんですね。
──チャンネルの使い分けは?
YT:ノーマルなドライヴトーンの時はブルーチャンネルを使って、ファズを使う時はグリーンチャンネル(クリーンチャンネル)に突っ込むとか、そんな感じです。


──エフェクターについてもうかがいたいのですが、アルバムではリッチな質感のドライヴトーンとダーティーなファズサウンドを使い分けていることはポイントですし、ファズも曲によってトーンのニュアンスが違っていますね。アルバム収録曲で言えば、「Talkin’ to My Hand」はヴィンテージ感のある音ですが、「Rock the Boat」や「Frontier」は硬質でモダンな雰囲気の音になっていませんか?
YT:その辺はさっきも話したように、楽曲が呼ぶ音ですよね。ヴィンテージ感とかモダン感とかを考えるというより、それぞれのペダルエフェクターが持つ音とかキャラクターを重視しています。たとえば、1台のファズでも曲によってセッティングをすごく変えてますし。ライブとかのメインで使っているのはDeath By AudioのFUZZ WARで、グシャグシャな音からマイルドなファズサウンドまで結構幅広い音が作れるので、レコーディングも含めてよく使っていますね。あとは定番の、“円盤ファズ”と言われるFuzz Faceや、エレクトロハーモニックスのビッグマフとか。昔、自作したファズペダルはぶっ太い変な音がするので、レコーディングで使ったりします。
──ワウプレイもYTさんの特徴ですね。
YT:モーリーのバッドホージーをずっと使っています。かかり方がスムーズなので、ニュアンスを出しやすいんですよね。ペダルに足を乗せればオンになって、足を離すとオフになるから楽だし。クライベイビーやVOXも持っていますけど、今の僕のスタイルにはちょっと合わないかな。
──ディレイは?
YT:レコーディングでは、基本的にロジックで録っているので、ロジックに入っているディレイを使っています。デジタルディレイではありますが、テープエコー・タイプのものを好んで使っています。そっちのほうがシャキシャキしないので。それにちょっとディレイ音が揺れるじゃないですか。あの感じが好きなんですよね。
──ちなみに、ライブで使用しているエフェクター類はどんなものでしょうか?
YT:ソロもB’zのサポート時も、確実にセットしているのは、モーリーのバッドホージーと、ボグナーのハーロウというコンプレッサーですね。ディレイはアンプのセンド/リターン端子にBOSSのSDE-3000EVH(エディ・ヴァン・ヘイレンとのコラボレーションペダル)をつないでMIDI操作してます。あと、ソロではファズを1個入れましたけど、それくらいです。B’zの時はストライモンのモビウス(モジュレーション)を入れています。他に必要に応じて増えたりはしますが。
──予想以上にシンプルで驚きです。さて、YTさんは4月から始まるB’zの全国アリーナツアー<B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+->に参加されます。
YT:いつもそうですが、今回も全力でサポートさせていただきます。やっぱりサポートなので、どうしたら松本(孝弘)さんと稲葉(浩志)さんがよりカッコよくなるか、ということを常に考えているんです。たとえばギターに関しては、リズムギターとしての役割はもちろんですが、松本さんがリードを弾かれて戻れないところは僕がカバーさせていただくとか。そういうところに気をつけながら、常に緊張感を持って臨みたいと思っています。
──ステージングで魅せるパフォーマンスも見逃せません。
YT:僕はどちらかというと、動いているほうが普通なんですよ。リハーサルのときは、音を確認しながら演奏に集中するので、動かないじゃないですか。その状況のほうが自分の中では不自然(笑)。もちろん本番でも音に集中していますけど、細かいところも気にしながら、できるだけ自然体で臨むようにしています。
──ライブに華を添えることもサポートの役割ですからね。YTさんのソロライブの予定はいかがでしょう?
YT:アルバム『Talkin’ to My Hand』のフォローライブを行いたいという気持ちはあります。実現させたいと思っているので、スケジュールが決まったらすぐにお知らせします。ぜひ皆さんに集まっていただきたいですね。
取材・文◎村上孝之
撮影◎土居政則(機材)

■3rdアルバム『Talkin’ to My Hand』
2026年4月8日(水)発売
JBCZ-9170 6,050円(税込)
▼CD収録曲
1. Flying Balloon
2. Talkin’ to My Hand
3. Scream!!
4. CYBERPUNK
5. Rock the Boat
6. Heroes on the Ground
7. Frontier
▼Blu-ray収録内容 ※84分
<LIVE 2025 NEXT GIANT LEAP>
01. Go On
02. No One of a Kind
03. Afterburner
04. Bigger on the Inside
05. Drop Down
06. Playground
07. Area 51
08. Strangers on Mars
09. Ballad in Blue
10. Celebration of the New Sun
11. Revel
12. Where My Head is
13. Jaguar
14. Echoes of the Last Runner
15. Nasty Creature
16. Ghost with Curly Red Hair
17. Tales of a World
18. Flying Balloon
■アルバムリリース記念インストアイベント
【東京】
日時:4月7日(火) 19:00~
会場:東京・HMV&BOOKS SHIBUYA
日時:5月6日(水/祝) 14:00~
会場:東京・タワーレコード新宿店
【大阪】
日時:5月22日(金) 19:00~
会場:大阪・ヨドバシカメラマルチメディア梅田
【名古屋】
日時:6月15日(月) 13:00~
会場:名古屋・LIVE HOUSE CIRCUS Nagoya
※内容:ミニライブ & CD ジャケットサイン会







