【インタビュー】PassCode、 南菜生が語るシングル「Liberator」の無垢な強さと自由への決意「大事なのは“この4人である”ということ」

2026.03.05 18:00

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■自分は自分の言葉に救われてた
■それこそ私がステージに立ち続ける理由

──そういうタイミングにドンズバな作品だなと、改めて感じました。「Liberator」は、Cメロまでシンセのビコビコが登場せず、ギターのヘヴィなリフとサビメロのコントラストで押し切っていくポストハードコア。対して「AWANE」はシンセのフレーズが軸になった十八番のダンスチューン。そして「Every time, I knew」はメタルから2ビートのセクションへ雪崩れ込むショートチューン。どれも、PassCodeの持っている要素を抽出してストレート化させた楽曲だなと思うんですが、これまでの楽曲でいろんな音楽を混ぜまくってきたことを思うと、“ストレートという新しさ”を感じさせるのが今回の作品のいいところだなと思いました。

南:プロデューサーから最初に上がってきたのが「Liberator」と「Every time, I knew」の2曲で、どちらも硬派じゃないですか。なのでもう1曲は、PassCodeらしい遊びのある曲がいいと思ってたんですよ。遊び心もまた、PassCodeにとって大事な要素なので。だから、持っているものをストレート化した3曲というのはその通りだと思います。それでも「AWANE」は変な曲っちゃ変な曲なんですけど(笑)、4人で歌ってみたらやっぱりPassCodeっぽくなるんですよ。それこそ、アイドルが重たい曲をやるのがPassCodeになるわけじゃなくて、この4人でやることがPassCodeになるっていうことですよね。それを実感できたのが「AWANE」であり、この作品なんじゃないかなと思います。私はずっと、自信がないゆえに“自分がPassCodeをやる意味”を探していたんですけど、ここ何年かは、この4人じゃないとこうならない!っていう実感が生まれてきて。自信を持ってPassCodeを全開にできている。それがわかりやすい3曲のような気がしますね。

──4人の人間的な部分に根差した楽曲であることは、何より音からも感じます。『INSIGNIA』辺りから片鱗はありましたが、オートチューンがかなり薄くなって、4人の元々の声質が歌のカラーに映るようになってきたことが印象的な作品でもあるんですよ。

南:確かに、そうなんですよね。

──で、4人のユニゾンはさらに塊感が増している。おそらくミックスの方向性自体が変化してきていると思うんですけど、その辺りはどう感じてらっしゃいますか。

南:年々、人間っぽくなってますよね。ライヴを観た上で曲を書いてくれているからなのか、サウンドにしても歌詞にしてもストレートなものがどんどん増えてる実感があって。言われた通り、昔は構成も行ったり来たりが多くて、Aメロ、Bメロ、Cメロ、Dメロ、Eメロ…何メロまであるの?っていう展開だったわけですよ。でも年々、ストレートで人間っぽい曲になってきたというか。脱ロボット(笑)。本当に、真っ向勝負を避けることでユニークさを作ってきたところはあると思うんですよ。だからこそ、ストレートをど真ん中に投げるのも面白くない?っていうことに気づけたというか。どの曲をライヴで育てていこうか?っていう部分でも、ストレートな曲を軸にするようになってきた気がするんですよ。『INSIGNIA』の最後に入っていた「Clouds Across The Moon」もそういう曲で、シングルのリードではなかったですけど、バーン!と終わるだけじゃなくてじんわりとした余白を残して終わるライヴもいいよねっていう話をして、半年くらいは最後に「Clouds Across The Moon」を置いて終わるようにしてたんです。ブチ上がって終わるのも大好きですけど、今のライヴの組み方としては、PassCodeが続いていくことを感じてもらえるようなストーリー性を大事にしていて。そういう意志をストレートに伝えるようになってこられたんじゃないかなと思います。

──ストレートとはまさに、鎧を脱げたことの表れですよね。

南:自分の弱さを曝け出せたことで、取り繕うものがなくなったので。ストレートなものがしっくりくるようになったのは、それが本当に大きいですね。4人でステージに立っていること自体が意味になるっていうのは、ストレートなもののほうが伝わるので。これは「ストレートにしていきましょう」っていう話し合いをしたわけでもなく、自然な変化なんですけど。逆に言えば、4人が自分らしくやることがそのまま曲のストレート化に繋がっているんでしょうね。

──マインドの変化とサウンドの変化。それが相まって、耳より心に近い音楽になってきたと思います。それに、曲ごとに“和”を感じるメロディが増加してきたこともトピックのひとつだなと感じていて。日本ならではの要素を増強することで、“アイドルとラウドミュージック”という日本ならではのミクスチャーを屋号にするより、純粋に音楽として広い世界に開いていきたいという意志がここに表れているのかなと邪推したんですけど。

南:それは単純に、平地さんの好みのような気がします(笑)。世界に行くぞ!みたいな計算ありきではないと思いますね。ただ、3年前にアメリカツアーをやった時に感じたことが私にとって大きくて。やっぱり私は人の心を動かす瞬間が好きで。でも日常生活の中で、自分の表現によって大勢の人の心が動く瞬間を見られることは少ないじゃないですか。だからこそ私はステージに立ち続けていると思うんですけど、言葉が通じない国の人にも伝わるかどうかは未知数なので、アメリカでライヴをすることが本当は怖かったんです。でも実際にやってみたら、言葉が通じない中でも、たくさんの人の心が動く瞬間を感じられて。なので、そういう挑戦も今後できたらいいなっていうのは思います。

──この面白い曲達が連れて行ってくれるといいですよね。

南:ね。バンナムに来てからはアニメのタイアップも増えているので、そういう挑戦の機会が増えたら面白そうやなって思ってます。

──自分の心に敏感で、人の心を動かすことが好きで、人の心に興味があるのはどうしてだと思いますか?

南:私は、鬱になったことがあって。<ZENITH TOUR>(2017年開催)の時に、メンバーの体調不良などもあって背負い切れなくなってしまったんですよ。気づいたら涙が流れてきて、本当に絞り出さないと仕事にも行けない状態になってしまった。で、病院で診てもらったら「すぐに休んでください」って言われたんですけど、もうツアーも始まるし、私がステージに出ないと成り立たないじゃないですか。それで何とか気持ちを奮い立たせてツアーを走り出したものの、初日に声がまったく出なくて。それでも何とか歌わなくちゃいけないと思ってツアーを走り切ったんですけど……やっぱり私は、ステージの上では強い言葉を話せるし、その言葉が元気のない自分を引っ張り上げてくれるんだと実感できたんです。そう実感してから、元気のない症状が治ったし、自分は自分の言葉に救われてたんやなって。これはすごく不思議なことなんですけど、それこそ私がステージに立ち続ける理由なんですよね。私はフロアに対して言葉を放っているようで自分の心に対して言葉をかけているんやろうし、自分に対して話している言葉だからこそ、それが人に響いている瞬間が好きなんです。なので、それを大事にして歌い続けたいなって思い続けてますね。

取材・文◎矢島大地

 

初回限定盤
通常盤

■シングル「Liberator」
2026年3月4日発売
【初回限定盤(CD+BD)】LAMR-34040 ¥8,250
【通常盤(CD)】LAMR-4040 ¥1,540
▼CD | DISC1 ※初回限定盤・通常盤共通
01. Liberator
02. AWANE
03. Every time, I knew
04. Liberator -Instrumental-
05. AWANE -Instrumental-
06. Every time, I knew -Instrumental-
▼Blu-ray | DISC2 ※初回限定盤のみ
<PassCode YOKOHAMA BUNTAI 2025 “DESTINEX”>
DESTINEX | ONE STEP BEYOND | Ray | VIRIVIRI | SKILLAWAKE | Club Kids Never Die | FLAVOR OF BLUE | Future’s near by | Voice | Liberator | MIRAGE WALKER | GROUNDSWELL | Freely | Anything New | アスタリスク | MISS UNLIMITED | Tonight | rise in revolt | WILLSHINE | It’s you | Echoes | Clouds Across The Moon
※with Audio Commentary

 

■<Liberator Release Tour 2026>
3⽉13⽇(金) 愛知・名古屋ElectricLadyLand
open18:30 / start19:00
3⽉17⽇(火) 東京・代官⼭UNIT
open18:00 / start19:00
3⽉18⽇(水) 東京・代官⼭UNIT
open18:00 / start19:00
3⽉23⽇(月) 大阪・OSAKA MUSE
open18:30 / start19:00
3⽉24⽇(火) 大阪・OSAKA MUSE
open18:30 / start19:00
▼チケット
オールスタンディング ¥5,800(税込/D代別)
学割チケット ¥3,800(税込/D代別)
※Linkageメンバー皆様に各地デザイン別ピクチャーチケットプレゼント
https://eplus.jp/passcode2026/

 

 

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