【インタビュー】10-FEET、KOUICHIが語るドラム人生初のフルカスタム「震えるぐらい感動しました」

■楽器が歌を邪魔したらいけない
■重要視したところはそこですね
──初めて生音を響かせた日が、地元・京都の自身主催<京都大作戦>というのがしびれますね。ドラマー人生やバンド人生と向き合った末に、DRUMMERS BASEを選んだわけですが、実際にライブで使ったときの感触はいかがでした?
KOUICHI:やっぱり感動しましたよ。自分のドラム人生において、初めて作ったフルカスタムのドラムですから。叩いた瞬間、震えるぐらい感動しました。“ああ、こいつとずっと一緒にやっていくんだろうな”っていうワクワク感もあったし。単純に、求めていた音だっていう嬉しさもありました。
──ドラマーKOUICHIさんにとっての相棒という感じですか?
KOUICHI:本当にそういう感じがします。レンタルのセットとは違うというか、自分のオーダー通りに作ってもらったセットですから、ますます自分のものっていう愛着がありますよね。ずっと大事にしようと思っています。
──DRUMMERS BASEと出会いのきっかけになったのがスネアという話でしたが、今はサブとしてセッティングされているコパーシェルが、それですか?
KOUICHI:そうです。Zepp Hanedaのときのメインは深胴(14″×6.5″)のスチールシェルでしたけど、最近またコパーシェル(14″×5.5″)に戻したんですよ。深胴のスチールに関しては、ライブのPAエンジニアさんと話して、まだ少し改良の余地があるので、ヘッドとかチューニングとか、今後いろいろ試したいと思っています。


──スネアはバンドサウンドとの相性もあるでしょうし。
KOUICHI:そうですね。深胴スチールも音自体はいいんですけど、10-FEETのバンドサウンドとの相性を考えたとき、コパーシェルのほうが合うんじゃないかなって。先日の<SATANIC CARNIVAL2025>のときからコパーシェルに戻したんです。
──コパーシェルは、メタルシェルのなかでも比較的柔らかな傾向ですが。
KOUICHI:個人的にはコパーという材質のスネアを使ったことなかったんですけど、興味はあって。スネアを借りるときに何種類かの中にコパーがあったから、叩いてみたいなと思ったんです。メタルシェルなので硬いイメージはあるんですけど、その中でもちょっと柔らかい音ですよね。
──ストロークやショットの強さによって表情も付けやすい感じですか?
KOUICHI:そうですね。表情がすごく変わる。逆に言ったら、叩き方とか力加減によってめっちゃ音が変わるので、すごく難しいスネアなんです。でもスネアでニュアンスを出すためにコパーシェルを使って技術を磨くのもいいかな、練習のためになるかなと思っていて。これまでそんな考えはあまりなかったんですけど、コパーを使い始めてから、意識的に表情をコントロールできるようになったというか、そうなれたらおもしろいかなと思っています。今では手放せないスネアのひとつです。


──シンバル類も劇的に変化して、マイネル(MEINL)製ですね?
KOUICHI:初めてのマイネルです。SHADOWSのRYO (Dr)から、「マイネルはいいよ」って話をずっと聞かされてて。実はその前からマイネルを使ってみたいって気持ちがあったんですよ。
──どういう理由からですか?
KOUICHI:サウンドですね。高くもなく低くもなく、ちょうど真ん中らへんのバランスのいい鳴りっていうか。すごくオールラウンドなイメージがあったんです。マイネルの中のシリーズにもよるとは思いますけど。そんなふうに思っていたところに、RYOからいろいろな話を聞いたんです。マイネルのいろんなシリーズの音をYouTubeで聴いたり、実際に楽器店に行って叩いてみたり。それで、今使っているByzance Brilliantシリーズに全部統一して。
──マイネルのByzance Brilliantシリーズは、鮮やかでリッチだと言われています。
KOUICHI:マイネルのシリーズを何種類か試打して、Byzance Brilliantシリーズが一番いいなと思いました。シンバルって金物なんで、アタックとか音色とか派手な感じはあるけど、いい意味で目立たへんような鳴りが欲しかったから、Byzance Brilliantシリーズはちょうどいいかなと。

──ハイハットやライド、クラッシュやスプラッシュなど、サイズや配置は以前と同じですか?
KOUICHI:だいたいそうですね。ハイハットが14インチ、ライドが20インチ、クラッシュが16インチと18インチ、チャイナが18インチ、スプラッシュが10インチ。スプラッシュの位置はハイハットの横に変えましたね。
──新たなシンバルや新たなドラムセットで重視したのはどの部分ですか?
KOUICHI:やっぱり楽器が歌を邪魔したらいけないと思ってて。今回、ドラムセットをフルカスタムで作るにあたってだったり、シンバルを選ぶにあたって、重要視したところはそこですね。やっぱり僕らは、演奏もですけど、歌が本当に大事だと思っているので。
──DRUMMERS BASEのフルカスタムとマイネルのシンバルとの相性は、KOUICHIさんとしてはどんな感触ですか?
KOUICHI:セットとシンバルのバランス感もすごくいいと思う。もちろん叩き手によって変わるでしょうけど、僕には合ってるかな。
──それと、RolandのサンプリングパッドSPD-SX PROは、以前から導入していましたね。
KOUICHI:同期のポン出しも含めて、けっこう前から使ってますね。他に大きな変更点を挙げるなら、スティックです。写真に映っているのはベーター(VATER)のLOS ANGELS 5A。


──スティックも一新しているんですね。
KOUICHI:そう。今は、ベーター(VATER)とロスカボス(LOS CABOS)の2種類を使っていて。どっちにしようか迷いつつ、最終的にどっちかに落ち着くやろうなって勝手に思ってるんです。2種類とも材質はヒッコリーで、どちらも太さ14.5mmで長さは406〜410mmぐらい。重さも重心もだいたい一緒かな。違いはチップの形が卵型か、丸型か。
──標準サイズのスティックですからコントロールもしやすいですか?
KOUICHI:たまに、家にある太いスティックを握ると手のフィット感がすごくあるから、太いスティックもいいかなと思うこともあるんです。でも、実際にスタジオに入って叩くと、ちょっと重く感じたり。音はでかいけど、同じ音量でずっと叩くにはちょっと大変な感じです。







