【インタビュー】文藝天国、変身を遂げたオルタナ的藝術徒党の行方「日本の美や文化を世界へ」

2025.07.25 20:30

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■その時々にしかつくれない
■天国を模索していけたら

──やれることのスケールが拡がっていっていますね。そこから、文藝天国の作品には欠かせない、PARFUM de bungei(香水)と喫茶文藝へと繋がっていくと。

ko:音楽、映像、香水、喫茶の4作品でひとつのコレクションになっています。

あいか:香水については、これまで男女ともに楽しめるように中性的な香りを作ってきたんですけど、今回は“metamorphose femme”と“metamorphose homme”を作りました。

──女性と男性ということですか?

あいか:単純に女性用と男性用ということではなくて、ひとりの人間の中の女性性と男性性のようなイメージなんです。“femme”は、若い女性の体臭、スウィート臭に近い香りのピーチや、イチジク、ローズ、キンモクセイなどを使って可憐な雰囲気で作っていて。その“femme”をベースに、渋い香りなどを足して作ったのが“homme”です。男と女で対になるというより、自分の中にいる“か弱いお姫様”な部分を、自分の中の“騎士”みたいな男性性が守るようなイメージですね。

──なるほど。これまでの香水とはアプローチが違うんですね。

あいか:そうですね。中性的という、ブランドイメージとして守ってきたものをガラッと変える……それも“変身”だと考えています。ひと味違う香りを楽しんでいただきたいです。

ko:香水のポップアップショップでは、スピーカーを7台設置して空間オーディオで音楽を流す予定なので、それも一緒に楽しんでほしいですね。

──喫茶文藝はどんな内容なんですか?

ko:香水のポップアップショップと同じ日に、下北沢で『天国のアイスクリイム』を開催します。『天国のアイスクリイム』は2年前にも下北沢で実施したんですけど、今回は2年前のレシピをアレンジして、“metamorphose special edition”としてティーフロートを提供します。我々、紅茶も好きなので。

あいか:今までのテーマメニューに加えて、ちょっと味わいを変えるというのも“変身”です(笑)。バラの香りを盛り込んだり、アイスティーにキンモクセイの香りをブレンドをしていたり、嗅覚と味覚で感じられるものになると思います。

──<アセンション>からの1年半で、どんどん新しい挑戦を重ねていることが伝わってきました。

あいか:法人化も達成したので、これからは少しずつ規模を大きくしながら日本の美や文化を世界に発信していけたらと考えています。未来の自分たちがどう変化していくか想像もつきませんが、どんなふうに変化しても、その瞬間の私たちを素直に表現することを大事にして、その時々にしかつくれない天国を模索していけたらと思っています。

取材・文◎後藤寛子
撮影◎TOYO

 

■デジタルシングル「μεταμορπηοςε」(メタモルフォーゼ)
2025年7月15日(火)20時 配信開始
レーベル:bungei records
配信リンク:https://nex-tone.link/bungei_metamor

 

■文藝天国 オリジナルフレグランスメゾン PARFUM de bungei
〜新作オードパルファン“metamorphose femme” “metamorphose homme”〜

metamorphose femmeとmetamorphose hommeは、それぞれの香りが独立しながらも、それぞれに異なる自己接続のニュアンスを宿し、自身に眠る少女性と男性性がまるで鏡合わせのように呼応する、ふたつの香り。本リリースの作品テーマ“μεταμορπηοςε”(=変身)をイメージし、香りを身に纏う度に“何度でも生まれ変われる”ような香り体験を提案する。

▶“metamorphose femme”
「青々しい草原に咲き誇る薔薇」をイメージし、エレガントなローズを主軸に、ハーブと金木犀の透明感を重ねた、可憐さと芯の強さを併せ持つ香り。さらに、“ラクトン”と呼ばれる、若い女性特有の甘くミルキーな体臭の印象を意識し、ほんのりとピーチやフィグのニュアンスを忍ばせた。この“ラクトン”は、母性・守りたくなる魅力・無垢さ・フェロモン的引力といった心理的な作用をもたらすとされ、思春期の少女が持つ“変わりゆく存在”としての神秘を思わせる。

▶“metamorphose homme”
“femme”をベースにしながらも、そこへ白檀などのウッディノートを加えることで、より落ち着いたトーンへ。まるで“変身を遂げたその後”の静かな覚悟、成熟したもうひとつの自我を感じさせる仕上がりとなった。metamorphose homme は、男性的な香りというよりも、「静かに変容する存在」そのものの香りである。

 

■紅茶専門店 喫茶文藝
〜天国のアイスクリイム“metamorphose special edition”〜

2023年夏の初登場から大人気のレギュラーメニューとなっている天国のアイスクリイムは、卵を使わず、国産の原料のみを使用してミルクと生クリームをベースに仕上げ、ほろほろととろけるような口あたり、そしてほんのりと香る国産ゆずピールの爽やかさが特徴。2025年はその定番レシピに、ローズフレグランスのアクセントと、パティシエール特製チュイルをトッピングした、 天国のアイスクリイム“metamorphose special edition”をお披露目。2025夏限定メニューとなる。

 

関連リンク
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