【インタビュー】前島亜美「これまでの日々は無駄じゃなかったし、それがあるからこそ挑めるこれからがある」

2025.07.23 18:00

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◾︎今の前島亜美を今回のシングルにこめたかった

──前島さんが所属しているキングレコードは、水樹奈々さんら、偉大な先輩のみなさんがたくさんいらっしゃいます。

前島:1stワンマンライブではカバー曲も披露したんですが、そこで水樹奈々さんの「DISCOTHEQUE」を歌わせていただきました。7年くらい前にキャラソンとして「DISCOTHEQUE」をカバーさせていただいたことがあったんですけど、自分の素の声で、自分のライブで、そして同じレコード会社の後輩として歌わせていただいたのがとても光栄で嬉しかったです。今回のシングルの初回限定盤のBlu-rayには「DISCOTHEQUE」も収録することができました。

──1stワンマンライブでは「Wish for you」を初披露しましたよね。ステージ上で、どのようなことを感じましたか?

前島:初披露だったのに、みなさんのコールがすごく揃っていて嬉しかったです。王道のアニソンがみなさんのDNAに刻まれているのも感じましたね(笑)。ライブ後にファンの方々から「新曲がすごく良かったです」「大好きな王道アニソンで、前島さんが歌ってなかったとしても好きになったと思います」という楽曲に対する最大級の褒め言葉をいただけたのも嬉しかったです。アフレコをしている時期のライブだったので、喜んでくださったみなさんのお気持を感じて「がんばろう!」と思いました。

──振り付けも楽しい曲ですが、紹介したいポイントはありますか?

前島:サビの《何十回何百回伝えたってまだまだ足りないくらい》のところには、ハンドサインの振り付けがあるんです。今後のライブでみなさんにも一緒にやっていただけたら嬉しいです。ライブを収録したBlu-rayやこの曲のMVでも手の動きがわかるので、ぜひ観ていただきたいです。

──MVは、どのような仕上がりになりましたか?

前島:とてもキラキラしています。1stシングルなのでフレッシュで、作品の世界観も感じられるMVにしたかったんです。お花をたくさん使っていて、爽やかで鮮やかな映像になりました。最後の辺りの花びらが舞う演出はCGではなくて人力です。四方八方からみなさんのお力を借りて花びらをまいていただいたので、花びらの1枚1枚にもぜひ注目していただきたいですね。振り付けも楽しく踊らせていただきました。

──グループ活動の頃からのダンス経験があるのも、前島さんの武器ですよね?

前島:人並みには踊れます(笑)。「歌って踊る」「ライブが楽しい」みたいな印象のアーティストになっていきたいですね。

──ダンスは好きですか?

前島:好きです。

──歌、ダンス、演技など、表現することがとてもお好きなのだろうなと感じます。

前島:そうなんだと思います。本を読むのが好きで、連載していたエッセイを本にしていただいたこともありました。いつか小説、歌集とか、書籍を出版するのも夢です。

──本は、どんな作品を読んでいらっしゃるんですか?

前島:小説と短歌が好きです。小説に浸る時間がない時は短歌ですね。岡野大嗣さん、木下龍也さんがとても好きです。小説は、現代作家さんだと中村文則さん、恩田陸さんがとても好きで、いろいろな作品を読ませていただいています。恩田陸さんの小説の『蜜蜂と遠雷』の中に風間塵という人物が登場するんですけど、彼の才能が「劇薬」と表現されているんです。今回のシングルのカップリングが「劇薬」なので、恩田陸さんのファンとして嬉しかったです(笑)。

──(笑)。『公女殿下の家庭教師』で演じているカレンについては、どのようなキャラクターとしてとらえていますか?

前島:カレンちゃんは、とても心がきれいですよね。血のつながっていない兄のアレンくんに対して抱いている憧れ、尊敬、恋心のような気持ちもまぶしいです。狼族という人間とは異なる出自なので若干の偏見にもさらされているんですけど、それでも毅然として堂々と学校の生徒会副会長としての職務を全うしている姿が、とてもかっこいいです。このアニメはかわいい雰囲気の女の子の方が多いんですけど、カレンちゃんは凛とした面もあるんですよ。でも、主人公のティナちゃんたちを見守っているお姉さん的な立場でありつつも、時にはお兄ちゃんのアレンくんに「私とももっと話してください!」とグイっと行く瞬間もあったりして、デレるところもかわいらしいです(笑)。カレンちゃんは、ビジュアルもとてもかわいいんですよ。狼族なので、獣耳(けもみみ)で尻尾がモフモフしています。アニメならではの獣耳や尻尾の動きもかわいすぎて、「これはカレンちゃんならではだなあ」と私もいつも癒されています。

──(笑)。『公女殿下の家庭教師』の見どころに関して、何か触れておきたいことは?

前島:本当に癒される作品です。「Wish for you」の1サビの《ときめきに溢れてる毎日だから》は、この作品をとても表していると感じています。まっすぐな少女たちの想い、ひたむきさに心打たれて元気をもらえるし、魔法バトルもかっこいいです。魔法陣の映像描写もきれいですよ。私もアニメファンとして大好きな作品なので、ぜひ観ていただきたいです。ご覧になったみなさんが誰推しになるのかも気になりますね。女性キャストの間でも「誰が一番好き?」という話で盛り上がっています。

──キャストが豪華ですよね。

前島:そうなんです。水瀬いのりさんと岡咲美保さんは同じキングレコードでアーティスト活動をされている先輩ですけど、「チームキングで仲良くしよう」と輪に入れていただけているのも嬉しいです(笑)。

──では、カップリングのお話に移りましょう。「劇薬」は、ダンスパフォーマンスもかっこよくなりそうです。

前島:「1stシングルに今の前島亜美を全部詰めよう」というお話になりまして、「Wish for you」とはまた別の面を感じていただけると思います。「劇薬」は爆発力、パッションの方向性の表現をお届けしたくて、最近のボーカロイドのような遊び心、迫力にも負けないような力強さもある楽曲になりました。

──歌の難易度が高いですよね?

前島:そうなんです。デモを聴かせていただいた時に震えました(笑)。英語のラップ的な部分もとても難しいんですよ。作詞家の久野藍さんの仮歌がすばらしくて、いっぱい聴きながらレコーディングに備えて練習しました。

──振り付けは、もう決まっているんですか?

前島:まだなんですけど、「Wish for you」も含めて同じ先生にお願いしています。その先生はグループ活動をしている頃からお世話になっているんですよ。

──ライブで披露する際はかっこいい系の衣装を着て、他のダンサーの方々と一緒に踊ったりしても、盛り上がると思います。

前島:そういうのもやりたいですね。「劇薬」は私のパーソナルなところに近いというか、「こういう表現、好きだなあ」というのがあるので、ライブでも頑張りたいと思っています。歌詞の言葉遊びも素晴らしいんですよね。サビの《倫理感や(ヤ)嫌々(イヤイヤ)いや(ヤ)》や1Aの《偽りだらけ愛(アイ)I(アイ)逢(アイ)》は、「こういうふうに言葉にしていくんだな」という勉強にもなりました。自分で作詞をするようになってから、プロのみなさんのすごさを実感しています。音楽のことをよくわかっている作詞家さんは言葉の意味だけでなく、音と調和する言葉選びをされるので。

──今作の3曲目の「アミュレット」は、前島さんが作詞をした曲ですね。

前島:はい。「アミュレット」は「お守り」のことです。「自分にとってのお守りってなんだろう?」と考えた時、「やっぱり言葉が自分にとってのお守りだな」と感じたんです。今までにいろいろなみなさんと出会って、たくさんの言葉をかけていただいて、それを支えにしながらお仕事や人生に向き合ってきましたので。イメージしたのは、気軽には会えなくなってしまった旧友、昔の同期、仲間です。すぐに会えるような距離感ではなくなってしまったけど、今でも元気でいてほしくて。気軽には会えなくて思い出の更新はできなくても、かつてもらった言葉とその時に動いた自分の心はずっと残っていて、それは私にとってのお守りなんです。そういうことを曲にしたいと思いながら歌詞を書きました。

──先ほど、「今の前島亜美を今回のシングルにこめたかった」とおっしゃっていましたが、この曲も他とはまた別のテイストですね。

前島:はい。人間の喜怒哀楽の内、喜と楽は「Wish for you」。「劇薬」には怒りのような激しさも要素として含まれているので、残っていたのは哀、哀愁のようなものでした。気持ちが落ち過ぎない哀愁、温かな儚さみたいなものを曲にのせたいと思っていました。明るく歌うのも、しっとり歌うのも合うと思うので、ライブでどうなっていくのかが楽しみです。

──作詞の際のエピソードは、何かありますか?

前島:家で作詞をしていたのですが、一緒に暮らしている猫ちゃんがすごく助けてくれました。人とのつながりの温度感が伝わる言葉を探しながら猫ちゃんをワシャワシャしたので(笑)。

──作詞のクレジットに猫ちゃんの名前も入れないと。

前島:たしかにそうですね(笑)。

──初回限定盤には1stワンマンライブの模様を収録したBlu-rayも付属しますが、かなり盛りだくさんですよね?

前島:そうなんです。このシングルで初めて私のことを知ってくださったみなさんに、「ライブに行ってみたい」と思っていただける映像にもなっていたらいいなあと思っています。とてもありがたいことに1stワンマンライブのチケットがソールドアウトして、観られなかった方々もいらっしゃったので、そういうみなさんにもぜひこのBlu-rayを観ていただきたいですね。ライブの空気感とかも伝わったら嬉しいです。

──先ほども触れていらっしゃいましたが、水樹奈々さんの「DISCOTHEQUE」のカバーも収録されているんですね。

前島:はい。ダンサーさんと一緒に踊って、歌ってカバーさせていただきました。キングレコードのプロデューサーの三嶋さんには「今まで観た中で一番ディスコだった」という感想をいただけて、とても嬉しかったです。

──グループの頃からずっと応援してくださっているファンのみなさんも、今回のシングルは大喜びだと思います。

前島:ずっと応援してくださっているみなさんのライフステージが上がっていて、「結婚しました」「子どもが生まれます」「転職しました」とか、いろいろ報告してくださるんですよ。娘さんが生まれて「名前を亜美にしました」ということがあって、「大丈夫かな?」と不安にもなったんですけど、嬉しかったです(笑)。

──(笑)。今作を振り返って、改めて感じることはありますか?

前島:とても良い1stシングルになったんじゃないかなと思っています。1stワンマンライブにangelaのatsukoさんが観に来てくださって、「1stライブとは思えなかった。これまで、がんばってきたんだね」というお言葉をいただいたんです。今までの経験があるからこそできる最高のスタートが、周りの方々のサポートのおかげでできているのも感じて、「これまでの日々は無駄じゃなかったし、それがあるからこそ挑めるこれからがあるんだ」と思いました。これからの日々も良いものにしていきたいです。

取材・文◎田中 大
写真◎TOYO

1st Single「Wish for you」
2025年7月23日(水)発売
購入:https://ami-maeshima.lnk.to/1stSG

◼︎初回限定盤(CD+Blu-ray)

品番:KICM-92167
価格:¥7,700 (税込)

◼︎通常盤(CD only)

品番:KICM-2167
価格:¥1,540 (税込)

【収録内容】
〈CD〉 ※全形態共通

  1. Wish for you
    作詞:Imaban 作曲:Imaban 編曲: 石倉誉之・Imaban
    ※TVアニメ『公女殿下の家庭教師』のオープニングテーマ
    2 劇薬
    作詞:久野藍 作曲:柿迫ヒカル・早川博隆 編曲:早川博隆・柿迫ヒカル
    3.アミュレット
    作詞:前島亜美  作曲:南雲祐介・宇田川翔 編曲:宇田川翔
  2. Wish for you(off vocal ver.)
  3. 劇薬(off vocal ver.)
  4. アミュレット(off vocal ver.)

〈Blu-ray〉 ※初回限定盤のみ
「前島亜美 1st LIVE Blue Moment supported by animelo」ライブ本編映像
「Wish for you」MV
「Wish for you」MV Making

〈初回製造分封入特典〉
前島亜美 LIVE 2025 Blooming NOTE チケット先行抽選シリアルナンバー

法人別オリジナル特典
下記販売店にて1st Single「Wish for you」をお買い上げのお客様に先着にてチェーン毎のオリジナル特典を差し上げます。
数に限りがございますので、詳しくは各販売店にご確認下さい。

1st Single発売記念イベント情報
・スペシャルイベント ※トーク&ミニライブ
日程:8月8 日(金)
会場:池袋Club Mixa
開場18:00/開演:19:00
https://maeshima-ami.net/contents/921161

・リリースイベント ※トーク&特典お渡し会
① 8月9日(土)【東京都】AKIHABARAゲーマーズ本店6Fイベントスペース
開場12:30/開演13:00
② 8月9日(土)【東京都】アニメイト秋葉原1号館7F
開場15:30/開演16:00
③ 8月10日(日)【愛知県】オルバースビル3階
開場11:30/開演12:00
④ 8月10日(日)【大阪府】アニメイト大阪日本橋 5Fイベントホール
開場17:00/開演17:30
https://maeshima-ami.net/contents/921159

<前島亜美 LIVE 2025 Blooming NOTE>
2025年11月24日(月・休) ヒューリックホール東京 
16:00開場/17:00開演

・席種 / 料金
S席(特典付き指定席) 12,500円(税込)
A席(特典付き指定席) 10,500円(税込)
A席(指定席) 8,800円(税込)

・公演に関するお問い合わせ
キョードー横浜 045-671-9911 月~金11:00~15:00(祝日除く)