女性シンガーソングライターの超新星がデビュー! 扇愛奈入ります!! 2

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扇愛奈 インタヴュー
扇愛奈 インタヴュー
ロックンローラー、扇愛奈が入ります!!

インタヴュー Part.2

──いま大学生でもあるんですよね?

扇:大学2年生です。心理学科なんですけど、とりあえず大学は自分の経験値と世界を広げるために行ってるんですけどね。

──ではそういう学科に通ってらっしゃる愛奈さんに自分自身を分析してもらうと?

扇:人一倍、目立ちたがり屋で。強くなりたいって願望が高いんですけど。でも本当は弱くて。それすらも強さに変えたいという願いがすごく強い感じだと思います。

──愛奈さんの作る音楽を聴いて、すごくそういう性格が色濃くでてる気がしました。

扇:やっぱ分身なんですよね。自分にとっての音楽、曲は。曲を書くことで自分を見つめ直すこともあるし、なによりもいい曲を生み出せたときの快感というのは何事にもかえられないんですよ。だから、音楽に対して絶対素直でありたいんです。自分を偽りたくない。そうやって音楽をやってきたので、私には"魂"で歌うロックという手法が一番合ってるなと思ってます。

──すごく個性のある声ですよね。

扇:よくいわれますね。声に関しても、詞の内容を忠実に叫び出せるように鍛えてます。腹筋、どんどん割れてきましたから(笑)。

──その訓練の成果か(笑)、例えば今回の作品でいうと「スタンプラリー」の巻き舌全開のロックな歌い方、「十月」の女性らしいナチュラルな歌い方、「お風呂」のパンキッシュな絶叫系とか曲に合わせて歌も変化していて。

扇:歌うときはできるだけ自分の気持ちを素直にのせようと心がけてて。歌にこれだけ強弱があるのは、私の強さと弱さ、そのパラドキシカルな面がでてるんだと思います。

──その弱さ、弱さから求める強さという部分は、「十月」の歌詞にもにじみ出てましたが。

扇:弱くて弱くてどうしようもない女の子が、主人公なんですけど。"あなた"という存在を振りきりたくて、強さを前に出していこうって努力する歌なんですよ。

──この曲もそうですけど、愛奈さんの書く曲は転調が多いじゃないですか。「ひねくれて藤沢」とか、まさにひねくれた転調をしてて。

扇:そうですね(笑)。この曲は子供だった少女が大人に憧れて。いいかげん子供の自分を振りきらなきゃってことで、サビがせつな明るくなってるんですよ。

──曲は突然できちゃうタイプ?

扇:なにかについて書きたいなというテーマがまずあってですね。「スタンプラリー」っていう曲は"スタンプラリー"っていう単語がテーマにあったんですよ。(サビの)"タッターン、タタタ~ン"というリズムだけがまず最初にあって。"あっ! スタンプラリーだ"と。そこからできたんですよね。

──スタンプラリー、やったことあります?

扇:昔、ちょっとだけやったことあります。東急線85駅! でも大井町線だけしかできなくてなにももらえませんでした(笑)。

──『スタンプラリー』っていう曲自体は、これ、軽快にブチ壊れてますよね(笑)。

扇:ありがとうございます。褒め言葉です!

──ポップ感という意味では「共有」のほうが人懐っこさが前に出てる気がしますが。

扇:そうなんですよ~。じつはタイトル曲、「スタンプラリー」か「共有」かですごい迷って。「共有」のほうが間口が広くて、いろんな人に受け入れられるだろうなと思ってたんですが「スタンプラリー」の強烈な個性と私自身が感じてる自分らしさを捨てられなくて、この曲がリード曲になったんです。この曲は詞も"自分らしさ"をテーマに書いてるし。

──「男らしい私を認めて」とありますが、よく"男らしい"といわれるタイプですか? こうやってお会いしてると女の子っぽいし。

扇:いや、どうなんスかね(照笑)。私、女々しいのが嫌いなんですよ~。でも自分もうじうじしてるんですけど、そういうのを出すのは曲だけなんです。曲以外はねちっこくない、サバサバした人間でいたいんです。陰口とか絶対いわねぇぞっていう。そういう人でありたい。私みたいにサバサバ系目指してます!って女の子はけっこういると思うんですよね。だから、私が歌で発散してる女の子が隠し持ってるじめじめ感とか"普段、言えないんだよね"ってところで共感してもらえたら嬉しい。

──デビュー作を終えて、いまはどんな手応えを感じてます?

扇:とりあえず、自分のお試しキットというか。扇愛奈入門編みたいな感じで、すごく幅広く自分にあるものを出せたかなと思ってます。

──今後、どんなことやっていきたいですか?

扇:たくさんの人に自分の音楽を共有してもらって、少しでもその人の勇気とか元気のとっかかりになれたらいいなって思います。

取材/文●東條祥恵


 
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