――ニューシングル「Let it go!」の<僕の目の前に映る/無限に広がる物語/終わりのない旅に出る>っていう冒頭の歌詞を聴いて、メジャー・デビューに対する意気込みを感じたんですけど、これってやっぱりそうなんですか?
ダイゴ:
詞は僕が書いたんですけど、その時は本当に未知数のことが多くって。曲を作る上でチンパラのあり方についていろいろ悩んでた時期があって。そういう苦難…苦難っていうか模索を通して、今のチン☆パラのあり方を見つけ出した。それが詞になっているんです。<無限に広がる物語>を見つけながら、これからもまだわかんねーぞ、みたいな、そういう気持ちを込めて前向きに書きました。
――このシングルの中には、「Let it go!」のほかにも、「Spiral Days」と「BLACK JACK」が収録されていますよね?
コータ:
ま、「BLACK JACK」っていう曲は唯一この中でカヴァーなんですけど、これはずっと前からやってまして。一番最初にレコーディングしました。
キク:
いろいろ試しながらやっていって、自分らのオリジナル曲っていうのを模索しながら作ったのが、2曲目の「Sprial Days」で。
ヤシ:
この時期って、やっぱりデビュー・シングル出すと「これがチン☆パラだ」っていう代名詞になるんで、どれが一番、俺ららしいのかなって模索している時期だったんです。いろんな手法だとか、表現方法を模索している時期に、こうでもない、ああでもないって言いながら作ったのが「Spiral Days」。でもやっぱりうちらはこうだろう、っていう答えが見えてから、「Let it go!」の制作に入ったんです。
キク:
「Spiral Days」で2カ月間模索し続けたうっぷんを思いっきりはらしたというか。
ダイゴ:
これは結構つるっと(笑)。
コータ:
3日くらいで制作しました(笑)。
―大学時代に一度自然消滅してしまったことがありましたよね。その頃とメジャーデビューした今のコーラスの違いってありますか?
ヤシ:
もう、全然。その解散した時期っていうのはすごい早い時期で、ま、サークルに入って、男でグループを組んでみたいねっていって、ちょうどそのサークルで男がこの6人しかいなかったっていうだけで、結成したんです。目標も別になくて、ただやりたいねってだけで結成して。はじめて挑戦した曲が「夜空のムコウ」って曲だったんですけど、まっ、知ってる曲だし、とっつきやすいかなって始めたら、全然ハモることも歌うこともできなくて。練習3回やったんですけど、やっぱりあんま面白くないねって、だんだんやらなくなってちゃって解散したんですけど。
コータ:
音とかのこだわりも。自分らの中で特になかったからね。解散を経て、各自、他のグループで個別に活動してたんですけど、そこからいろいろコーラスというものがどういうものなのかを掴んできて、また再結成した時には、出したい音というのが自分らの中でひとつずつ確実なものができてきたので、そっちに向けて少しずつ模索するコーラスに変わったというか。
――そういえば皆さん、今日の衣装は、赤がポイントなんですね?
ダイゴ:
「Let it go!」のコンセプトは赤なんです。
コータ:
うそつけ、お前(笑)。
キク:
そうだよ。知らなかったの?
コータ:
そうなんだ!今知った。
――現在アルバムも作ってらっしゃいますよね。こちらのタイトルは?
シモ:
メンバーの中では決まっているんだけど。
キク:
まだ秘密です。
――その中に入っている楽曲ってどんな感じですか?
ヤシ:
本当に6人全員好きな曲とか、全然違うから、作ってくる曲も全然違う。その持ち味を活かした感じです。
――そのアルバムのイメージを漢字一文字で表わすなら?
コータ:
「彩<いろどり>」かな(と言いながら空に文字を書く)
一同:
「彩」だな。
――レコーディング合宿したそうですね?
キク:
5日間くらい、4日間くらいかな、集中してできたんでよかったです。河口湖に行ってきたんですよ。あと、江ノ島。
ダイゴ:
飯がうまいね。家庭的な料理で、おいしかったですね。規則的に用意されるしね。
ヤシ:
スタジオの中から山が見えたりするのがあって、すごい開放的。
――2000年に結成されてきた時期から温めてきた楽曲があると思うんですけど、それもレコーディングしました?
キク:
いや、俺ら基本的に引き出しゼロですね。
ヤシ:
結成した当時から本当にその場その場で、そん時にできることをバッとやってきたんで、引き出しはゼロです。
キク:
逆にその場の気持ちが思いっきり入りますよね。
――今後のライヴの予定は?
ヤシ:
アルバム発表が10月末なんで、予定では11月。 アカペラだけど暴れまくれる……!
キク:
俺らもお客さんも元気になれるライヴができたらいいなと思っています。
――体調面ではどんなことに気をつけています?
キク:
夏で、くそ暑いんですけど、できるだけクーラーつけないとか。
ヤシ:
寝るとき絶対つけないっすね。
―それはみなさん全員?
ヤシ:
そうっすね。みんな全員自分の声で勝負しているんで、そこは大切に。
学:
あと最近、結構酒怖い。
一同:
怖いね(笑)。
キク:
基本的にみんなビビリなんです(笑)。
――今後チン☆パラはこうありたい、こういう方向性でいきたいっていうもの、聞かせて下さい。
学:
結構6人それぞれが楽曲作って、個性っていうのが表われている。それぞれが暴走していったらグループにはならないと思うけど、それぞれの感性っていうのを尊重しあって、最終的にグループとして一つのものを作り上げたいですね。
キク:
俺は結構いろんなモノを摂取して、いろいろやりたいなと思ってやるんですけど、結局最後は素が出てしまう。でも、模索したあげくいいもの出てきたらいいなって、そんな感じでやってけたらいいかなって思います。
コータ:
アカペラじゃ普通できないだろうっていう固定概念をですね、覆すような曲をどんどん作りたいですね。めちゃめちゃヘヴィな、へヴィロックに負けないような、声だけでガァーっと作れるような、限界点を見てみたいなという気がします。
ヤシ:
俺も今へヴィロックとか好きなんですけど、そういうの自分らでできたらいいなって思ってて。あとルールとかは設けずに、アカペラだからどうだとか、固定観念にはとらわれたくないです。これ面白いからやってみようっていう気持ちは常にもってて、何年後はこういう音楽をやっていたいとかじゃなくて、今面白いとか、やってみたいと思う音楽をそのまま出して、“俺ら流”にしていけたらいいと思います。
シモ:
さっきも話で出ましたが、グループが再結成された時に思ったような、今までにない、他に例を見ないグループの音っていうのは、ずっとこれからも続けていきたい。それに周りだけじゃなくって、自分らの中でも、今までになかったものを作っていけたらなって思います。
ダイゴ:
すごいリアルタイムな自分らの感情や、その場その場の答えを、シングルごと、アルバムごとに表現していけたらなって思います。
取材・文●中井雄子