『つぎねぷ』 Hot-Cha Records IDCH-1006 2,730(Tax in) 1 トレモロ 2 あたらしい花 3 12節 4 海峡 5 つぎねぷと言ってみた 6 Jippun 7 Xylophone 8 KUTU#3 | | メッセージが届きました!!! | 【全国ツアー】 2002.09.06(金) 鹿児島 美容室SAPNA 2002.09.07(土) 熊本 カフェギャラリー桃雀 2002.09.08(日) 長崎 Rei2海岸通り店 2002.09.09(月) 福岡 博多 百年蔵 2002.09.11(水) 2002.09.12(木) 広島 ONE LOVE 2002.09.17(火) 大阪 心斎橋クラブクアトロ 2002.09.18(水) 滋賀 酒游館 2002.09.19(木) 名古屋 今池TOKUZO 2002.09.22(日) 水戸 space lab BUBBLE 2002.09.23(月) 2002.09.24(火) いわき SONIC SONIC2002.09.29(日) 盛岡 櫻山神社 2002.10.01(火) 仙台 アジア食堂 cafe cho lon 2002.10.02(水) 郡山 会場未定 2002.10.05(土) 東松山 アルバカーキ 2002.10.06(日) 川越 華盛楼 2002.10.11(金) 東京 club asiaぴあ total info)riverrun, 03-5459-1680(13:00~19:00) | 【BIOGRAPHY】 元東京スカパラダイスオーケストラのパーカッション兼、バンドマスターのASA-CHANGが中心となってサウンドの全体像、そしてアイディアをだし、サウンドプロデューサーの浦山秀彦がそのサウンドの枠を作り、今でも一年に一度はインドへ行くと語るU-ZHAANがタブラその透き通るような音で色づけしていく、3人組ASA-CHANG & 巡礼。 2000年から<FUJI ROCK FESTIVAL>に3年連続出演。2001年にリリースしたアルバム『花』は国内のみならず、海外からも大絶賛。2002年にはイギリスのテクノ・レーベルLeafより「花」を収録したアルバム『JUNRAY SONG CHANG』をリリース。BBCのテレビドラマの主題歌にもなる。そして2002年に3rdアルバム『つぎねぷ』をリリース。クラムボンの原田郁子やレイハラカミ、そしてシタール奏者のKK MUTOを迎えた作品は非常に繊細で美しい作品に仕上がった。 | | ――今回のアルバムを作る上でテーマはあったんですか? タイトルもすごく印象的だったのですが…。 ASA-CHANG: “つぎねぷ”というものを伝えたい…というか、ホアッ~としている感じだけどな、僕の中では…。 浦山: ASA-CHANG & 巡礼はASA-CHANGのコンセプトとかアイデアが芯になって、音を組み立てる僕とかは、コンセプトとかアイデアを持っちゃいけない部分があると思うんですよ。例えば『つぎねぷ』の前に『花』があるわけですけど、あまり『花』のことばっかり思っちゃうと先に進まないわけです。全部忘れなくちゃいけないのだけど、頭の中に染み込んじゃって忘れられないことが沢山あるんですよね。それから一皮剥けるまでがすごく大変で。実際の作業をする人間としてはそんな感じですね。 U-ZHAAN: アルバムを作ろうとしたわけじゃなく、一曲一曲作ろうとしていったから、特にテーマ云々というのは。もちろん全くないわけじゃないけど。『つぎねぷ』というのは最後にタイトルとして抽出しただけで。 ASA-CHANG: ただ、これは表題曲だろうな~ってうすうす感じてましたけど。 ――その「つぎねぷと言ってみた」が表題曲で、言語学者である藤井貞和氏の詩に曲をつけたものですよね。
ASA-CHANG: 最初に思ったのは日本語なのにあまりにもかわいくて理解できないところがあるな~って。詩の内容とか理解するのは、曲を作ろうと思った後ですね。スイッチが入るのはやっぱり完全に音(おん)ですね。言葉の響き。だけどなんかあるじゃない。後半、うぁ~って俺は感じるんだけど、なんか心理を見抜くみたいなそういうことを言い始めるところが…。とにかくかっこいいな~って思っちゃうんだよね、こういうの。 U-ZHAAN: 詩の内容体の印象もすごく強いけど、僕はそれよりもやっぱり音韻の類を見ない美しさに驚きました。 ASA-CHANG: "つぎねぷ"とか言われてもわけ分からないじゃないですか? その分からなさにワクワクしちゃうわけですよ。それで曲を書こうと思っちゃうんですよ。音の響きとその理解、なんとなく理解できたりするっていうのもおもしろいんですね、全然わかんなかったらあんまピンとこないでしょう。 ――そうですね。アルバムがタイトルの"つぎねぷ"というイメージを象徴するというか全体的にまとまりがあるなぁ~と思ったのですが…。
ASA-CHANG: まとまりがあると捉えてくれたのはうれしいですね。でもアルバムのタイトルは最後の最後です。「海峡」とかは最初にタイトルを書きますよ、譜面の上に、"海峡"って。海峡があるんだ、波だ~ってイメージ膨らませて。 ――確かに一番分かりやすいというかストレートな曲ですよね。
ASA-CHANG: まんまですね。その前に「12節」とか「トレモロ」とかができあがってて、それとは違う曲を作ろうかなぁと思って。僕達の音楽って太鼓を叩いてエレクトロ…とか言われることがすごく多いんですが、ラッパとかも吹くんですよ。太鼓叩きが太鼓をおいてラッパを吹くんです。「Preach」(『花』収録曲)って曲もあってそれと同じ温度の曲を作ろうとしてできたんです。 ――その管楽器の音からもそうですが、すごく泣けるような印象と同時にコミカルな印象も受けました。裏と表が同時にある…みたいな。
ASA-CHANG: そこがおもしろいとこですね。二重な感じがね…、そういうとこが好きなんですよ、僕…(笑)。 ――でもそれと一転した曲が原田さん(クラムボン)とライヴメンバーのお2人がひたすら12をカウントする「12節(12ブシ)」。 U-ZHAAN: 12拍子ってすごく分かりやすくて、例えば3拍子も4拍子も普通に組みこめますし、もちろん複雑に割っていけばいくらでも難解にもできる。この曲に関しては、12のサイクルをいくつずつにとるか…っていうのに数字を当てはめるっていう…、リズムっていうのは全部そういうふうにできてるんですよ。たぶん(笑)。 ASA-CHANG: 誰もが本能でやっていることをもっとわかりやすく…。ASA-CHANG & 巡礼の音楽ってどこから始まってどこで戻ってるのかが分からないってよく言われるので、じゃあタネ明かししよう…みたいな。太鼓も叩かないで、声だけで我々がやってるリズムを分かりやすくやってみようかな~と。「花」があったので、それとは違う感じでかわいらしいと言うか…。そしたら余計難しく聴こえるみたいで(笑)、なんか、もうメビウスの輪みたいにくっついちゃったんですね、簡単と難しい…が。俺としてはヘンなの、きれい、怖い、なんかグラフィカルだ…とか何かを感じてくれればいいな~って思ってるだけなんですけどね。 ――「あたらしい花」はレイ・ハラカミさんが「花」をアレンジしてますね。しかも「花」を新しく生まれ変わらせている。 ASA-CHANG: ハラカミくんとは相当やりとりをしました。リミックスって何かをループさせたりするんだけど、ハラカミくんはやらないんですね。「花」だったら「は・な・が」っていう音を出す時の間に、音を出したいってハラカミくんが言ってた記憶がある。「花」の詞のどっかだけを抽出して膨らませたり、もう一回繰り返したりしてないし、あの原文のまんま音をつけてくれたっていう、ほんと、再編曲してくれたなっていう…、とてもよかったと思います。 ――やっぱりASA-CHANG & 巡礼にとって言葉って大切ですよね。
ASA-CHANG: ASA-CHANG & 巡礼は日本語を使って、ある意味他でやってないようなことをやってる気がするので、普通に歌うということではなく、言葉を使うことを、とてつもなく大切にしていますけどね。まあ、インスト曲も多いけど。 浦山: 言葉があるとホント、大変ですよ。最初の印象と譜面にのっかった印象じゃ違うわけですからね、文章を読んだだけの感じだと先に進まない。だからいろいろやるわけですけど、いっぱいいいなぁと思う瞬間が出てくるのでそれをつかまえていくって感じですかね。 U-ZHAAN: 言葉の存在は明らかに意識してますよ。言葉とシンクロしない限りは完成ではないし。でも意識するぶん、時間がかかる。"なにに"っていう3音に45分くらい話し合って、結局そこは無音にしたんですけど(笑)。 ASA-CHANG: “なにに”って何だよ!ってオレんちの床に寝そべりながら…(笑)。まあそういう時間がおもろいですけどね。一発録りとかやりたいよ~って絶対無理だな(笑)。 文●イトウトモコ | |