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▲特集のトップ・ページに戻る | 音楽は五感に訴える。ロック・ミュ-ジックはハ-トや気持ちに響かないと嘘になる。誰でも良いわけじゃない。バンド・マジックやギタ-・ヒ-ロ-などが良い例だ。五線譜だけでは計算できない何かが、耳から入って魂に届いたとき、我々は初めて“感じる”ことができるのだ。
もともとパンク・ロックってのはロックの分野においての憤りや、若者の衝動といった主張や最たる過激な部分を元に、いわゆる芸術とは程遠い位置において生まれ、支持された。従って、エモ-ショナル・パンクという感情に訴える詞やサウンドはパンク・ロックの進化ととるべきなのか、先祖返りととるべきなのかは分からない。
最も、本人達はそれ以上に“どうでもいい”と思っているに違いないが。今宵は、秋の夜長をパンク・ロックと…などとこれまたどうでもいいコピ-を放ってしまったが、とにもかくにも、先に登場したのはeastern youth。
▲eastern youth | 喜怒哀楽の“怒”と“楽”を強調したかのような怒号にも似た“音”と、“何か”を客席に向かって放つ。ヴォ-カルの吉野は、訥々と静かに、語りかけるかの様に口を開く。季節の話、時間の話、そしてSHELTERの話。
彼らは<極東最前線>というイベントをメインに活動していた。このイベントは現在でも続いているが、今までに孤高のア-ティスト達が出演している。先のコピ-ではないが、前列にてサウンドにふれ、拳を振り上げる者。後方というか超満の会場はどこまでが前なんだ!という意見もあるが、一緒に声を張り上げる者、じっと聴き耳立てる者、そして拍手…。
“ここまでも!”と溢れる激情を旋律として叩きつけるeastern youth。これもまたSHELTERの歴史的にも語られるべきバンドのひとつである。
▲fOUL | 続いてfOULの登場である。80'sオルタネイティヴを彷彿とさせる独特のトリッキ-なリフが逆に人間臭さを感じさせる。彼らもまた、<砂上の楼閣>というイベントを展開させており、このフライヤ-が順を追ってSHELTERのドリンク・カウンタ-奥に貼られていることは知る人ぞ知るエピソ-ド。客席には、過去そんなSHELTERのカウンタ-を彩った(ヤロ-でゴメン)店員の懐かしい顔もチラホラ。時間と共にエンジンがかかってきたのか、後半はステ-ジからテンションのほとばしりが見え、エネルギッシュさを感じさせられた。本日はトリオ・ロック・バンドの共演ではあるが、両者とも一筋縄ではいかない存在。刹那と歴史との狭間を行ったり来たりの、両役者が揃ってのステ-ジであった、と言えよう。
そして、温かい拍手に迎えられてのアンコ-ルに応えるメンバ-。全力を出しきってのすがすがしい表情に見える。メンバ-がMCで言っていたが、今日の暖かい客席の雰囲気。これは故郷帰りというより他ならないのではないだろうか。
外へ出ると真ん丸のお月様が…なんて、できすぎたスト-リ-はなかったものの、こちらは良いもの聴かせてくれた、と楽しんだクチ。お酒でも飲んで、と帰路についた夜だった。文●長澤智典 |
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