21世紀のトレンド・セッター、遂に来日!

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21世紀のトレンド・セッター、遂に来日!

21世紀のトレンド・セッター、遂に来日!

最新ALBUM

『Survivor』


Sony Records SRCS-2424
2001年4月25日発売 ¥2,520(tax in)

1Independent Women Part I
2Survivor
3Bootylicious
4Nasty Girl
5Fancy
6Apple Pie A La Mode
7Sexy Daddy
8Perfect Man
9Independent Women Part II
10Happy Face
11Dance With Me
12Survivor(Maurice's Radio Mix)
13My Heart Still Beats(Featuring Beyonce)
14Emotion
15Brown Eyes
16Dangerously In Love
17The Story Of Beauty
18Gospel Medley(Dedicated to Andretta Tillman)
19Outro(DC-3)Thank You

最新Single

「Survivor」


Sony Records SRCS-2423
2001年4月11日発売 1,260(tax in)

1Survivor [Album Version]
2Survivor [Instrumental]
3Say My Name [Maurice's Last Days Of Disco Millenium Mix]
4Say My Name [Daddy D Remix w/Rap]

最新DVD

「The Platinum's On The Wall」

Sony Records SRBS-1419
2001年5月30日発売 2,625(tax in)

1No, No, No part1
2No, No, No part2
3Bills, Bills, Bills
4Bug A Boo
5Say My Name
6Jumpin, Jumpin
(日本盤DVDのみボーナストラック)
7Independent Women PartI (Live at The Brits 2001(Video Version))

▲「デビュー曲「No, No, No Part 1&2」から「Jumpin, Jumpin」までのヒット曲を収録した初のビデオクリップ集DVD。日本盤DVDにはボーナストラックとして、イギリスのBRIT AWARDSでの「Independent Women Prat1」のパフォーマンス映像が収録されている。

Destiny's Child『Survivor』、4月11日発売。

ついにリリースされたDestiny's Childの3rdアルバムである。

デビューからの着実なステップ・アップ…これまでの様々な困難や問題、メンバー・チェンジや脱退したメンバーとの確執、それに伴うマスコミや周囲の冷ややかな声も、全てがトップ・アーティストになるための通過点かのように乗り越えてきた。

映画「チャーリーズ・エンジェル」の主題歌となり最高のヒット作を放った「Independent Women Part 1」以後、今の3人になったDestiny's Childは既に誰もが認めるトップ・ガールズ・グループとしてシーンの期待を背負っていた。

21世紀になるとニュー・アルバムの噂をあちらこちらで聞くようになり、グラミー賞においても「Say My Name」で<最優秀R&Bグループ賞>と<最優秀R&B楽曲賞>を受賞するDestiny's Child。リリースの谷間でも話題が途切れることはなく、3月に入ると早くも多くのメディアで今作の先行シングルとなる「Survivor」が取り上げられ、ラジオでは聴かない日はないというほど大量のオン・エアーがなされた。
ちなみにこのプロモーション・ビデオではターザンに扮した彼女たちのワイルド&キュートな姿を見ることが出来る(ターザンってSurvivorの象徴か?)。

盛り上がりも絶頂の中、待望のリリースとなった当アルバム。前作ではまだ無名に近かったShakespereとKandiを大胆にもメイン・プロデューサーに起用し大成功を収めたが、今作では彼らの名前はない。また「Say My Name」のRodneyやMissyの名もない。

そう、今作は「Jumpin' Jumpin'」で絶妙なソング・ライティングを見せたBeyonce本人がほぼ全曲においてプロデューサーとしても腕を振るっているのだ。今まで彼女たちのヒット作はアッパーなアレンジが多いが、今作でもフロア向けの楽曲に期待が寄せられている。

まずはM1「Independent Women Part 1」で幕を開け、大ヒット中のM2「Survivor」へと繋がる。Stevie Nicks「Edge of Seventeen」使いのM3「Bootylicious」も期待を裏切らないアッパー・チューン。M4「Nasty Girl」では「Survivor」でスケールの大きいアレンジを見せた新鋭プロデューサーDentがまたもいい仕事をしている(Dentは今後要注目)。

M5「Fancy」では唯一デビュー前から携わっているDwayne Wigginsがアレンジを担当しているが、旧知の仲か後半の展開など抜群な相性を見せている。M6「Apple Pie A La Mode」、M7「Sexy Daddy」といかにも彼女たちらしい奇抜なダンス・チューンが続き、M8「Perfect Man」はサントラ『Romeo Must Die』に収録され、一連のTimbalandのようなトラック+タイトル通りストレートな歌詞で好評を博した懐かしい1曲だ。

M9「Independent Women Part 2」は、もちろんあのPart 1のアンサー・ソングでシングルにも収録済み。M10「Happy Face」は最近流行っている80年代初期テクノの匂いがするアッパー・チューン。 そしてここからもボーナス・トラックが3曲Soulshock&Karlinが手掛けるM11「Dance With Me」、ハウスフィールドにも的確にアプローチするM12「Survivor(Maurice's Radio Mix)」、Beyonceがソロとしてスローを歌い上げるM13「My Heart Still Beats」と続く。日本先行とだけあってかなりの特典である。

この辺りから後半へM14「Emotion」では意外なフォーキー・サウンドが繰り広げられ、M15「Brown Eyes」は今作のスロー楽曲群の中でも一押しの正統派メロディー。M16「Dangelously In Love」、性的虐待を歌ったM17「The Story Of Beauty」、そして'97年に急死したマネージャーAndretta Tillmanに捧げ、ライブの最後にいつも歌ってきたM18「Gospel Medley」、M19「Outro (DC-3) Thank You」で占められる。

長々と書いてきたが本作がどれだけ注目されてきたか分かって頂けるだろうか。若干二十歳そこそこで様々な記録をいとも簡単に塗り替え、来日公演のチケットも3分で完売し、今や全世界が彼女たちの新作を待ち望んでいたという今の状況。

そんなプレッシャーの中、本当に素晴らしいアルバムを作り上げた。とにかく21世紀のトレンド・セッターとしての地位は間違いなくDestiny's Childなのである。

文●桜井克彦


オフィシャルサイトはこちら


──Destiny's Childの軌跡──

ヒューストン出身の4人組、Beyonce、Kelly、Le Toya、La TaviaからなるDestiny's Childは、'97年「No,No,No Part 2」でデビュー。R&Bシーンにおいてガールズ・グループ自体の勢いが弱まわり、ソロ・シンガーの活躍が目立っていた、そんな時期である。中でもZhaneやSWV、または4人から3人になって復活したEn Vogueなどベテラン勢だけは孤軍奮闘していたが…。

人気ガールズ・グループが少ない中、Destiny's Childがこの時期にデビュー出来たのは逆によかったのかもしれない。しかしほぼ同時期に同じ4人組みのガールズ・グループAllureがデビューし、リスナー側はこの2組を差別化することなく“流行りのサウンド”として消化してしまう。

Wyclefによるプロデュース…さらにラップでも参加を得たDestiny's Child。一方のAllureは、大ネタ「Bridge」使いのトラックにNasにラップで起用した。華やかなジャケに若々しさを売りにデビューした両グループとも幸先のよい船出であり、特にDestiny's ChildはR&Bチャートで堂々の1位を獲得し大ヒットを記録した。

…が、その後の航海は快晴とはいかなかった。ビジュアル先行で完全に作られたグループ的な見え方があったためか2ndシングルは不発に終わり、翌'98年にリリースされた1stアルバム『Destiny's Child』も、ゴールド・ディスクに輝くものの、大きなセールスを残すに至らなかった。リスナー側にとっては「No,No,No Part 2」の大ヒットの印象が強く、その後の作品は全てこけたイメージがあり、アルバムリリース後の期待感はとても薄かった。

しかし、ここが並みのグループとは違うのか、強運なのか、ガールズ・グループの競争率はとても低く、いつしか代表的な存在になる。
.'99年になると、サントラへの楽曲提供など地味な露出で我慢していた彼女たちの2ndアルバム『Writing On The Wall』に先駆けて、久々となるシングル「Bills,Bills,Bills」をリリース。この曲はだらしない男性に向けた強烈な叱咤ソング。現在、彼女たちが持つスタイルの原点とも言えるだろう。

女性R&Bの歌詞というとどこか弱く、恋愛の歌詞が主だったが、ある意味開き直りとも言えるこの歌詞に多くの女性が支持し、ビルボードR&Bチャート9週連続1位という大ヒットを記録した。

この曲で完全にガールズ・グループの代表的な存在になった彼女たちは、この“強い女”路線のオリジネーターとして流行を作ることに。ちなみにその後TLCToni Braxtonなどの成功も、この手の歌詞が大きく貢献していると考えられる。

満を持してリリースされた2ndアルバム『Writing On The Wall』は、新鋭プロデューサーであったShakespereと元ExcapeのKandiをメインプロデューサーに迎え、その大抜擢が当たることになる。そして何よりも彼女たちにとって転機となったのは良くも悪くも、Rodney Jerkinsプロデュースによる「Say My Name」のリカットであろう。

成功の階段を一歩ずつ着実に登ってきた彼女たちだが、同時に方向性の違いによるメンバー間のトラブルが勃発、Le ToyaとLa Taviaの2人が脱退することになる。すぐさま新メンバーにMichelleとFalaが加わるものの、この曲のジャケにはLe ToyaとLa Taviaがしっかり鎮座し、プロモーション・ビデオでは新メンバーが登場しているというイレギュラーな世界となった。皮肉な事にこの曲はグラミー賞で<最優秀R&Bグループ賞>と<最優秀R&B楽曲賞>に輝いた。
.続く4thカットとなるBeyonceがソング・ライティングを手掛けた「Jumpin' Jumpin'」も大ヒット。しかしながらこのシングルの直後、新メンバーとして加入したFalaが脱退してしまう。既にこの頃にはメンバーの中心的な存在であるBeyonceに全てが注目され、旧メンバーとの確執の噂と同時に、マスコミはこぞってDestiny's ChildをあたかもBeyonceのソロ・デビューのためのグループとして取り上げた。

しかし3人になってもグループの勢いは衰えることがなかった。

3人の女性が主人公の映画「チャーリーズ・エンジェル」の主題歌となった「Independent Women Part 1」がまたも全世界で大ヒット。プロモーション・ビデオでは映画にインスパイアされたのか実際に戦うシーンもあり。

「Bills,Bills,Bills」以来のキーワードだった“強い女”も既に板につき、様々な困難やマスコミの攻撃なども結果として“強い女”のイメージ作りに効果的であった。

そして3人としての活動も落ち着き、'01年に入り3rdアルバム『Survivor』の先行シングルとなる「Survivor」が話題になる。もちろん全てのメディアが新世紀のトップ・アーティストとして彼女たちを取り上げている。

これまでも多くのグループ/アーティストが記録を作ってきたが、20歳そこそこの彼女たちは、きっと今までにない記録を作り上げてしまうだろう。今までにないビッグ・グループとして、彼女たちの可能性はまだまだ奥深い。

日本先行で発売される3rdアルバム『Survivor』を引っさげてDestiny's Childは5月に初来日を遂げる。

文●桜井克彦

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