【Blur Special】『the best of』に結集した18の作品達
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■『the best of』に結集した18の作品達 |
文●太澤 陽 |
『the best of』 5th 6th M01「beetlebum」 5thアルバム『ブラー』からの第1弾シングル。
“ブリット・ポップの寵児”的扱いに反旗を翻すかのようなダルでルーズなソロ初期のジョン・レノンの作風を忍ばせる脱力的な曲調は波紋を投げかけた。全英1位。
USインディ・ロック風のハチャメチャに破裂したようなギターのディストーションが炸裂したブラー流パンク。近年のブラーのテーマソング的存在でアメリカで大ウケ。全英2位。M03「There's No Other Way」 1stアルバム『レジャー』からの第2弾シングルにして初のトップ10、第8位を記録したナンバー。
マンチェやシューゲイザーのムーヴメントをモロに受けたような、マラカスと原色ライトとボーダーシャツを思わせる曲。
この当時の彼らの十八番のひとつとであった'60年代スインギン・ロンドン風のホーンとストリングスを配したムーディでイナタいバラード。全英5位。M05「Coffee &TV」 6thアルバム『13』からの第2弾シングルにして初のグレアムのヴォーカルによるシングル。
牛乳パックの冒険のビデオの内容同様に、ちょっぴり胸をキュンと掴むような、エレキ弾き語り風の軽快なナンバー。全英11位。
モッズ映画「さらば青春の光」に主演したフィル・ダニエルズのくたびれたナレーションが印象的な、イギリス男のトホホ節全開の名曲。全英10位。M07「End Of A Century」 『パークライフ』からの第4弾シングル。
弾き語り調の胸を打つようなスイートなメロディに、どこか郷愁を誘うコーラスとキーボードとの絡みは当時のブラーの編曲面での急成長をアピール。全英19位。
全編が混沌のままに進行する問題作『13』の後半を飾る、デーモンの心情吐露を現すかのような、疲れた心情そのものをボソッと独白するような心癒されるナンバー。全英14位。M09「Tender」 『13』からの第1弾シングル。
戦前ブルースを思わすような寂れたアコースティック・ブルーズなイントロ、肉感的なゴスペル・コーラスが話題を呼んだブラー流ソウルナンバーで7分40秒の大作。全英2位。
'80年代初頭のディスコやエレポップなビートを使った、軽薄な若者像を皮肉っぽく歌ったナンバー。全英5位。M11「Charmless Man」 『ザ・グレイト・エスケープ』からの第3弾シングル。
ブリットポップ全盛時の当時の彼ららしいXTCばりのエッジの効いたストレートなギターによる、キンクス譲りの冴えない男を描いたナンバー。全英5位。
シューゲイザーブームの最中に登場した当時の彼ららしく、目眩のしそうなひび割れたギターの中をデーモンがうつろに歌う様が印象的。全英48位。M13「Country House」 『ザ・グレイト・エスケープ』からの第1弾シングル。
オアシスの「ロール・ウイズ・イット」との1位争いが話題となり、このときはこの曲が勝利を飾っている。当時のデーモンの逃避願望が表現されたような曲。
ダスティ・スプリングフィールドやバカラック、モータウンを思わすムーディな'60年代風ナンバー。
フランソワーズ・アルディによるフランス語ヴァージョンも話題に。全英16位。M15「On Your Own」 『ブラー』からの第3弾シングル。
ボブ・ディラン風のトーキング・ヴォーカルとビデオでデーモンが演じているようなイカサマ・ラッパー風なニュアンスが出たアメリカへの憧憬が垣間見れるナンバー。全英5位。
'60年代ロンドン・ポップスを思わす洒落たウェットさを示すヴァース部分とスケールの大きなサビ、そして後半部の立て続けの盛り上がりが印象的。M17「For Tomorrow」 2ndアルバム『モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ』からの第1弾シングル。
いわゆるインディ・ダンスなサイケ感から抜け出して、後のブリットポップの先駆けとなるイギリス臭さを前面に出した記念すべき曲。全英28位。
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