ketchup mania、アルバム『U・R・G・E』インタビュー

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――「ALL OK!」だけはイントロで変拍子が出てきたり重いリフで構成されてる。

DAI:あれに関しては、古いへヴィメタみたいのをやりたくて。単純なリフが延々くりかえされてるのもけっこう好きなんです。

――どの曲も約3分だし、ソロらしいソロもなくすごくコンパクトだけど、プレイヤーとしてのフラストレーションはない?

Yosei:ないですねぇ。そんなこと考えもしなかったな(笑)。

DAI:僕もないです。僕がずっとリスペクトしてるのがイギリスのTHE WiLDHEARTSなんです。シンプルなリフとわかりやすいメロディだけで構成されてて、ソロなんかない。そういうのに慣れ親しんできたから、今みたいな形もしっくり来るんです。

――スピーディに聴かせるために、音作りでなにか工夫してる?

DAI:ギターについては、間奏とかブリッジとかで、ちょっとエッセンスのあるものを入れるとスピード感が倍増するので、それは意識しました。

Yosei:ベースは極力飾らないこと。速い曲でベースがいろいろやると、どうしても音が軽くなっちゃうから。音色については、あまり“抜け”ばかり追求しないで、ベースにしか出せない低域を出すこと、ギターやドラムとうまくなじませることですね。

WANI:ドラムは今回、より芯のある音を作りたいと思ってました。レコーディング前にドラムセットを3つ用意して、そこからタイトでロックっぽい音のするセットを選んで使いました。シンバルも明るめの小口径のと、大口径の激しいサウンドのを曲によって使い分けてます。

――このバンドを始めたときからこういうサウンドだったの?

HIRO:最初のメンバーは私とDAI君。その後WANI君、Yosei君の順で加入してきて、徐々に今の形になった感じかな。

DAI:最初から速いものをやりたいとは思ってたんですけど、その頃は経験も知識もなくて、こういう音の作り方がよくわからなかった。へヴィなサウンドとキュートなヴォーカルの組み合わせっていう今のサウンドをはっきり意識したのは、インディーズで最初のミニアルバムをリリースした頃ですね。個人的にはメタリカのヴォーカルがHIROちゃんだったら面白いと思ってた。

HIRO:もともと私はJ-POPばっかり聴いてきたので、あんまり激しいのはよく知らなかったんです。このバンドを始めたときも、最初に速い2ビートが出てきたときにはけっこう違和感があった。でもやっていくうちに慣れて自然にできるようになってきたし、今まで聴いてきた音楽がミックスされて、このヴォーカルスタイルになってきたんだと思います。

――いろいろな要素が混じっているから、単に“パンクバンド”って呼ばれちゃうことに抵抗はない?

Yosei:ないですね。別にどう呼ばれてもいい。メタルって言われても抵抗ないし。

DAI:ある海外のサイトでは、“ジャパニーズスピードメタル”って紹介されてた(笑)。ソー・キュート・ボーカルって書いてあったけど。

――今後の予定は?

DAI:さらに次の作品のリリースも予定していて、すでにレコーディングに入ってます。5月からは『U・R・G・E』の全国ツアーですね。その最後に初ワンマンライヴもやります。実は今回のツアーから、PAさんも一緒に回ってもらおうかと思ってるんです。HIROちゃんはけっこう特殊な声だから、ずっとやってもらってるPAさんじゃないと歌が抜けてこないことがあるんですよ。やっぱり歌がちゃんと聞こえないと、曲の表情ってちゃんと伝わらないと思うんで。

Yosei:サウンドもビジュアルも両方楽しんでもらえると思いますのでぜひ見に来てください。

取材・文●田澤 仁

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