ブラックモアズ・ナイト、インタビュー
リッチー:方向性を頭に描いてからスタジオに入ることはないんだ。この季節向けの曲はたくさんあるけど、その中でどれをやりたいかは決まっていた。アルバムがバラエティー豊かなものになるよう、その中からテンポや音階を基準に選曲していったんだ。何よりも曲そのものが重要だという点は、ほかのブラックモアズ・ナイトのアルバム作りと同じだったね。曲によってはエレクトリック・ギターがソロに一番適していると考えたし、逆にペニーホイッスルやハーディー・ガーディーの方が合っていると思う曲もあった。そういう楽器を使ったからこそ、ほかのクリスマス・アルバムとは違った味が出ていると自負しているよ。ちまたに溢れているモダンなポップ・バージョンではなく、伝統的な曲を歌うことにこだわったね。自分たちが惹かれる曲を選曲し、それに自分達なりのアレンジを施したんだ。
キャンディス:ロマンチック・コンピレーション『BEYOND THE SUNSET』にもクリスマス・ソングを収録したのは、あれを買ってくれたファンへのプレゼントとして。それと同時に、その曲に対する廻りの反応も知りたくてね。そうしたらみんながこういう曲をもっとやってほしいとか、クリスマス・アルバムは出さないのかって言ってきたの。だから、新作のようなアルバムを出すことにしたのよ。まだまだやりたいクリスマス・ソングは沢山あるから、それは次作の時に挑戦しようと思っているんだけど、今回はお互いに相性がよく、アルバムを聴くと心地良いメロディーの流れを楽しめるように選曲したわ。
キャンディス:このアルバムの出来に大満足よ。ブラックモアズ・ナイトのスタイルが過去のメロディーを色づけ、昔の楽器と今の楽器両方を駆使したことによって、現代に映える曲へと生まれ変わらせたの。とてもメロディアスで、この季節の純粋さと喜びと平穏さを感じ取ってもらえるでしょう。今まで作ってきたアルバムの中で特に気に入っている作品よ。
リッチー:次のアルバム作りに今取り組んでいて、既に6~7曲書いたよ。レコーディングを2月にスタートさせて、ツアーに出る前にどれだけ録音できるか様子を見ようと思っている。ツアーに出るから、レコーディングは夏中旬に再開だね。曲を実際にレコーディングした後、しばらくその曲から離れることによって、スタジオで繰り返し聴くのではなく、新鮮な気持ちで録音した曲を聴けるのがこのやり方のいいところだ。私達の曲は常に色彩豊かだから、次のアルバムでもファンはロック、ポップ、フォーク、インスト等、色んな曲を楽しんでもらえるよ。このバンドのいいところは、やりたい曲はどんなものでもできる点。過去私がいたバンドではそういう自由はなかったんだ。
キャンディス:2月にスタジオに入って、4月にはヨーロッパ・ツアーがスタートするの。その後アメリカに戻って初夏にレコーディングを再開した後、またヨーロッパよ。今回はアイスランド、セルビア、ルーマニア等、今まで行ったことがない国も行くの。現在細かいスケジュールを組んでいるところよ。昨年パリに行った時にDVDを収録したから、その出来がよければ発売するかもしれないの。2007年はブラックモアズ・ナイトの10周年だから、何か特別なことがしたいわ。ボックス・セットとか。まだ決まっていないんだけれどね。10月にはアメリカ・ツアーをやる予定で、11月には来日を実現させたいわ。それがダメでも2008年の初頭にはぜひ。
キャンディス&リッチー:日本のファンのみなさん、こんにちは。最新アルバム『ウィンター・キャロルズ』を楽しんでくれたかしら。素敵なクリスマスを。そしてまた会える日を楽しみにしているわ。