| (インタヴュー前半で、「国民的行事」というタイトルについて「俺のやっていることがみんなにとっても大切な行事になってほしいな。あとは東京事変に負けないようにっていうか・笑」と答えたのに対し…)
――ああ、あっちが“事変”なら、こっちは“行事”だと。
KREVA:そうそうそう。ラーメンズの小林賢太郎さんにビデオ・クリップに出てもらったんですけど、小林さんがタイトルを見て“東京事変みたいだな”って言ってたんですよ(笑)。でも、ま、とりあえず歌詞は何度も読んでほしいですね。音は聴かなくてもいいから、200回くらい読め、と(笑)。読んで意味を理解して一緒に歌えるようにしてくれと。毎年クリスマスあたりに“第九”みたいにみんなで歌う、みたいな図が理想だったりもするんで。
――ああ、じゃあ、山下達郎の「クリスマス・イヴ」みたいに毎年パッケージを替えてリリースしなきゃ。
KREVA:そうですよ、ホントに。しかも、俺は「クリスマス・イヴ(Rap)」も歌えるという(笑)。 (註:2001年11月にキック・ザ・カン・クルーでシングル化した)
――ゆくゆくは、それこそ国民を大きく動かすような立場になりたいですか? 今回のこのアーティスト写真、選挙演説をモチーフにしたような格好ですし。
KREVA:ああ、(杉村)太蔵みたいになりたいかって?(笑) いや、それはナイですね。ただ、ヒップホップのシーンをもうちょっと盛り上げていきたいですけどね。ヒップホップってなんだかんだでクールなんですよ。そこをうまいこと盛り上げたいっていうか。レゲエとか、ちょっと羨ましいなって思うんですよ。みんな仲良くやってるし熱く盛り上がっているじゃないですか。ヒップホップはまだまだ同じところに決まった人たちが集まっているって感じもするんでね。
――KREVAさんって、“新人クレバ”とか“国民的行事”ってタイトルにも見られるように、ともすればエゴイスティックに見られがちじゃないですか。俺が俺が色が強い印象を与えがちというか。
KREVA:まあね。次のアルバムのタイトルも『愛・自分博』だし。
――マジですか、それ(笑)。でも、実際はクレバさんは自分のことだけじゃなくて、むしろシーン全体のことをすごく考えていますよね。決して自己本位じゃない。
KREVA:そうなんですよ。もちろんリーダーになってみんなを引っ張っていきたいっていうのはありますよ。でも、俺だけが上がっていくわけじゃなくて、俺がカッコいいって思える仲間みんなが一緒になって上がっていきたいって気持ちの方が強いんですよね。気がついたら周囲の仲間がどんどん増えていってくれればいいなって思うし。そういう意味でも“くレーベル”の存在は大きいですね。影響も感じるし。実際、キック・ザ・カン・クルーを聴いてラップを始めたってコたちも増えてるし。正直な話、3人で(キックを)やっている時って、ファンのコとかからそうやってダイレクトに慕われたことってホントになかったんですよ。でも、一人になってからそういうのすっごい増えましたね。きっとより明確になったんでしょうね、俺のやっていることが。
取材・文●岡村詩野
|
|