ロンドンナイト、アルバム全曲解説





01.グッディ・トゥー・シューズ/アダム・アント
奇抜な海賊ファッションで登場し、80年代のはじめに一躍注目の的となったアダム・アント。ファッションのみならず、
アフリカンなジャングルビートを大胆に取り入れたサウンドもユニークだった。その代表がこの曲。地の底からわきあがる
ような力強いビートのインパクトは強烈で、最大のヒットとなった。メロディはポップで親しみやすく、ネオ・ロカビリー
の名曲との呼び声も高いダンスナンバーだ。


02.バケーション/ゴーゴーズ
いかにもヤンチャなカリフォルニア娘たちといった雰囲気のゴーゴーズは、80年代のガールズバンドブームのさきがけと
なった存在。演奏はお世辞にもうまいとはいえないが、彼女たちの武器である能天気ともいえるほどひたすらシンプルで
突き抜けた明るさ、そしてキャッチーなメロディはこの曲でも堪能できる。ちなみに85年にいったん解散した彼女たちだが、
94年に正式に復活、01年には新譜もリリースしている。


03.クラッシュ/プリミティヴス
プリミティヴスのサウンドの要は、シンプルでストレートなビート、そして軽快にドライブするギター。パンクともネオ・
アコとも片付けられない不思議な魅力を携えていた。最大のヒットとなったこの曲をはじめ、さわやかなギターポップも
多かったが、ヴォーカルのトレイシーの妖艶なルックスから受けるイメージはそれとは少しギャップがあり、それも彼らの
魅力となっていたのは間違いない。


04.ロックバルーンは99/ネーナ
20代半ば以降のリスナーなら、84年に大ヒットしたこの曲には必ずや聞き覚えがあるだろう。とにかくポップでキャッチー
なメロディと躍動感あるリズムで、ドイツ語でありながら全米チャートを制覇。浮遊感のあるシンセサイザーの使い方も曲に
マッチしている。ヴォーカルのネーナ・ケルナーは日本人好みの愛くるしいルックスだっがた、伸ばし放題のワキ毛に
ショックを受けたファンも少なくなかったようだ。


05.ハッピー・バースデー/オルタード・イメージ
80年代のUK発ニューウェーヴシーンをリードしたオルタード・イメージ。その最大の魅力である、クレア・グローガンの
キッチュで可愛らしいヴォーカルを前面に押し出してヒットしたのがこの曲だ。アニメ声ともいえそうなクレアのぶりっ子
ヴォーカルが、ポップなメロディ、スピーディなリズムによくマッチしている。デビューから約2年でメンバーが相次いで
脱退し、その後サウンドが変化したのが惜しまれる。


06.フォーゲット・アバウト・ユー/モーターズ
イギリスで特に人気のあったモーターズは、10CCのようなイギリスらしい翳りのあるサウンドのぞかせながら、メロディは
キャッチー、アレンジもポップに決まっている。アメリカのAORにも近いこの曲は、特に明るく聴きやすいポップソングに
仕上がっていて、彼らの代表曲となっている。カリフォルニア出身のアイドル・シンガー、レイフ・ギャレットがカバーした
ことでも知られている曲だ。


07.ロックンロール黄金時代/モット・ザ・フープル
大御所デヴィッド・ボウイのプロデュースによる「すべての若き野郎ども」で大ブレイクしたモット・ザ・フープルは、
70年代前半にはグラムロックのトップスターとして君臨。あのクイーンにも影響を与えたといわれている。ワイルドで骨太な
サウンド、熱いヴォーカル、そしてポップでキャッチーなメロディは、スケールの大きいアレンジを施されたこの曲でも聴け
る。バンドはこの曲発表後まもなく74年に解散した。


08.68ガンズ/アラーム
古くはクラッシュ、その後はU2とも比較されるアラームは、イギリスではかなりの人気を博したUKロックバンド。明るい
メロディとコーラスが印象的なこの曲は日本でもヒットした。アラームは実は今も活動中だが、音楽業界には年齢による差別
があるとして抗議している。その一環として昨年はビデオでは若者を登場させて顔を隠し、ポピー・フィールズという名義で
新曲をリリース。これがヒットしたのは皮肉というべきか。


09.アイ・ウォナ・ゴー・ホーム/ホーリー&ジ・イタリアンズ
81年にリリースされたアルバム「The Right To Be Italians」に収録されていた曲。ひとことで言えば、アップテンポで
ノリノリ、ストレートかつワイルド、そしてシンプルなギターロック。そこにオールドポップスの香り漂うアレンジがうまく
効いていて、ポップなメロディが生かされ、とても楽しい曲に仕上がっている。VIRGIN音源をライセンス契約することで、
収録が実現した曲だ。


10.ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ/ワム!
端正かつセクシーなルックスで、アイドルとして日本でも大ブレイクしたUK産ポップデュオのワム! 最大のヒットがこれ。
躍動感あるジョージ・マイケルのヴォーカルのはつらつとした魅力が爆発している。ソロ転向後のジョージ・マイケルは少し
「濃すぎ」で敬遠するファンもいるようだが、この曲はちょうどよいさわやかさ。今でもダンスミュージックの永遠の定番と
して定着しているのがうなずける軽快なナンバーだ。

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