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波打つ長髪の巻き毛とにこやかな笑顔、それに心地よいサキソフォンで、Kenny Gはインストゥルメンタルの人気者となった。保守派で熱心なジャズファンは、彼を指して、反キリストの悪魔は今も健在で我々の中に存在していると言うが、若手のKennyはただみんなに楽しんでもらいたいだけなのだ。

Kenneth Gorelickはシアトル育ちで、学校の音楽で楽器の演奏を習った。彼にサキソフォンの才能があると認めた音楽の先生が、学校のバンドに参加するよう勧めたのだ。17歳でBarry WhiteのLove Unlimited Orchestraに入り、プロとしてプレイするようになる。だが音楽だけでなく、ワシントン大学で会計学も専攻した。

大学卒業後、Jeff Lorber Fusionに参加し、アルバムをレコーディングしたことで、Arista Recordsの目にとまる。Aristaとソロ契約し、''82年に1stアルバム『Kenny G』をリリース。

しかし人気が出るのは''86年、4枚目の『Duotones』を出してからである。“Songbird”のヒットで、Kennyはたちまちイージーリスニングのインストゥルメンタリストとして注目を浴びた。このアルバムの成功で、ソウルの女王Aretha Franklinなど、数多くの著名アーティストの作品に参加するようになる。

Kennyはその後もレコーディングを続け、驚異的な売上を達成している。『Breathless』だけで800万枚を超えるセールス。このため批評家の反感を買うが、本人は自分の音楽をジャズと考えたことはない。ただ『Classics In The Key Of G』ではLouis Armstrongなどを取り上げており、やはりジャズを思わせる。

いずれにしてもKenny自身は、単なるインストゥルメンタルとの姿勢を貫いている。またKenny G Miracles Foundationを設立し、公立学校の音楽教育に資金を提供し、全米の子供たちに楽器に接する機会を与えたいとがんばっている。

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