途中、アルバムにこういう曲が足りないなって思ったら、作ったりとかはしましたけどね。
――プロデューサーが前作とだいぶ変わったね。
AI:けどプロデューサーの名前でトラックを選んではないですよ。それよりもやっぱりトラックのクオリティが一番大事だと思うんで。だってどんなに
有名なプロデューサーでも、私が今欲しいものを作ってくれるかなんて分かんないじゃないですか。けど813の所に行った時に「Listen2 Da Music」のトラックを聴いて、“今、私が求めてるのはこれだ!”と思ったし、 T.KURAの曲も彼の名前を聞かずに選んだトラックだったんです。「E.O.」をプロデュースした2
Soulも全然知らなかったけど、トラックを聴いてホントにヤバいと思ったし。「E.O.」のトラックも“一聴き惚れ”だったからね。
――AFRAが参加(「WATCH OUT! feat. AFRA + TUCKER」)してるのは意外だね。
AI:AFRAは元々NYで2年前くらいに会ったことがあって。NYでオープンマイクのイベントをやってて、そこでAFRAがビート・ボックスをやってたんです。観てたら私も血が騒いで、そこの主催者の人に「出させて」って言って。で、さっきビート・ボックスやってた子来てみたいな感じで、AFRAのビートに合わせて私が歌ったんです。
――凄い話だね。コラボレイトすることが運命づけられていたみたいじゃん!
AI:去年の終わりに福岡の空港でバッタリ会って「ウオ~~!あの時の!!」って大騒ぎに
なって。その時も、「なんかやりたいねー」って別れたんだけど、年明けにテレビ見てたら
CM(富士ゼロックス)に彼が出てて、
また「ウオ~~!」ってなって、思い切って連絡してみたら「やるしかないね」って…。
トラックも何もないところからみんなで話し合いながら作っていったから、この曲は
すごいライヴ感が出てると思いますよ。
――「Listen 2 Da Music」では音楽への愛情を歌ってるけど、今改めてこういう曲を書こうと思ったのはなぜなの?
AI:CDが売れないとか言われてるけど、けど辿っていけば私は小さい頃から音楽がないと泣いてるような子供だったし、音楽がないと生きていけないなと思ってるから。音楽って何回も聴けるし、何回でも励まされられたりするでしょ。音楽の力ってすごいと思うんですよ。けどたまに、こっちのメッセージをきちんと受け取って聴いてるのかなって思う時もあるんです。“どういう気持ちで私がこの曲を書いたのか分かってるの?”って思ったり。私の音楽には色々気持ちが入ってるんだってことも、この曲を通して言いたかったんです。
――あとラヴ・ソングが増えたよね。「Say Yes, Say No」とか、分かるわ~と思いながら聴いたもん。
AI:分かるでしょ~。はっきりしなさいよ、あんた達!っていうね(笑)。
――ラヴ・ソングを書きたいモードだったのかな?
AI:そうだね~。やっぱ嘘は書けないからね。例えば誰かに「男にフラれて~」みたいな曲を歌おうとか言われても、「いや、フラれてないから無理」って思うし。自分の今の状況と異なってることは絶対書きたくないんだよね。本当のことを言いたいし、そうじゃないと説得力もないと思うからね。
文●川口真紀
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