――この前、ライヴを観に行って(レポートはこちら)、お2人の歌声がすごく印象的だったのですが、歌うことを始めたのはいつ頃なんですか?
TSUGUMI(妹):
2人とも、全然歌手になろうとか思ってなくて。クラブで歌い始めたのが最初だから、4、5年前。
YOSHIKA(姉):
地元・北海道でやってたライヴは多くて月2回くらい、レギュラーとかもやらせてもらったんですけど、周りの環境もすごくよくて、ほんと“歌いたい時に歌っていいよ"みたいな。
――そんな中でSOULHEADがブラック・ミュージックに傾倒したのは自然だった?
TSUGUMI:
自分達の意識では…ジャンル分けがないんです。R&Bをやってるとかヒップホップをやってるとか意識は全く無くて、むしろそれに留まらずにSOULHEADの音楽は生まれてると思う。
YOSHIKA:
吉田拓郎さんとかも聴くし、あとはクラシックとか。キャロル、ジャニス・ジョプリンとかビートルズとか子供の頃はこの曲好きだな~っていろいろ聴いていて、で、はっきり明確にこれがブラック・ミュージックなんだって興味を持ち始めたのが、高校1年の時くらいに海外へ2人それぞれ違う場所に行ったときで。そこでなんか2人とも興味を持った音楽が同じだったんで、期間は1年っていう短い間だったけど、それぞれ得たものは大きかったな~とか思います。
TSUGUMI:
その前からもお姉ちゃんは聴いてたよね。
YOSHIKA:
でも、ブラック・ミュージックだとは思ってなかったんだよ。ホント、分け隔てなかった。そこが今、私達の目指してるところでもあって、いい音楽っていうのは引き継がれるって言うんですか、どんなジャンルでもいいものはいいで認められるし。ある人が「ミュージシャンとかアーティストでホント超越しちゃった人達っていうのは、音楽で繋がってるから、ジャンルなんて関係ないんだよ」っていう話を聞いたことがあって、あっそうだなって。ジャンルで分けるとか国境とか人種とかね、そういうのも関係なく、やっぱりいいものはいいんだなって思ってるんで、自分達はグッド・ミュージックと言われるものを出していきたいです。
――なるほど。で、現在はTSUGUMIさんがメインにラップを担当してますが、YOSHIKAさんはラップをやろうとは思わなかったんですか?
YOSHIKA:
私、そういう才能ないんですよ(笑)。ラップは2nd「LOVER,KNIGHT,MAN」でちょこっと。あとアルバムで聴いていただければ…(笑)。でも例えばラップっぽく歌ったりとかは誰でもできると思うんですけど、ラッパーの人のどこがすごいかって言えばリリックを書くってことだと思うんですよ。そういったところでTSUGUMIのことを尊敬します。他のラッパーもすごいな~って思うし。
TSUGUMI:
じゃあ、お姉ちゃんの音楽面でどこを尊敬するのか言わせていただくよ! リズムとトラックから想像もできないような展開とメロディとハモリを作り出すのが、すごい普通の人と違った頭の構造っていうか…。とりあえず、第1弾としてお姉ちゃんのハモリの凄さを見せたのが、「LOVER,KNIGHT,MAN」と「OH MY SISTER」だと思ってるんですよ。自分達が思ってるSOULHEADの魅力はまだ入りきってないけど。
YOSHIKA:
あれはまだまだ。簡単なハモリだもん(笑)。
TSUGUMI:
うん、まだまだなんだよ。で、私が大好きな曲でいつ発表するか決まってないのがあるんですけど、それを聴いたときは、「この人ってすごいかもしれない」って思った。ハモリとか、展開もそうだし、ありきたりじゃないし、すごい作曲の才能がある。
YOSHIKA:
「LOVER,KNIGHT,MAN」を作った時は、今までの自分達のたくさんある曲の中で違った感じにしたいなって。あ~いう感じの曲ってなかったじゃん。
――「LOVER,KNIGHT,MAN」の歌詞については?
YOSHIKA:
これは実体験なんですけど、18、19(歳)くらいの私たちのことを書いてて、その頃っていうのは恋愛と遊ぶことだけ、それですご~く楽しかったし、悩んだ時もあったし、まあ切ない時もあったし、その時の自分達を表わしたいなって。全て直感なんですけど。やっぱりジャンルを問わず、本当の気持ちを曝け出すっていうのはすごいなって。聴こえにしても言葉にしても、いい曲っていうのは感情がモロに出ててすごく人間的というか、そういうのが表われている曲だと思うんですよ。だからすごくLOVEだよっていう曲はLOVE LOVEオーラが出てるとか、すごく人間的な感じ。なんだろう、都会っぽいというよりは土っぽいというか。そういうガ~ンっていうのを出したいですね。
――今後、アルバムとかは?
YOSHIKA:
もう、98%くらいできてます。SOULHEADの全てが詰まってるとは言えないんですけど、“Step to the SOULHEAD”って感じですね。第一段階みたいな。ハードコアな感じからポップな感じ、切ない感じから…とすごく楽しめると思います。
彼女達はそれに相応しい天性の歌声と姉妹という抜群に相性の良い声質、またそれぞれにいろんな高いスキルを持っていることは確かであるが、何よりも本当の意味で人間らしく、音楽を愛している彼女達が印象的であった。