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Destiny’s Childのメンバーがソロになるって? おお、Beyonce、違うと言ってくれ。しかし、このマルチプラチナ級ポップヴォーカルトリオでクリエイティヴ面の中心人物である19歳の天才少女、Beyonce Knowlesによれば、その話は本当のようだ。それでも彼女は、ファンが心配する必要はないという。KnowlesとKelly Rowland、そしてMichelle Williamsによるトリオにはまだまだ可能性があり、今後も継続する予定である。
「考えてみて。Kellyと私は9歳か10歳の頃からDestiny’s Childをやっているし、3人になってからも長い間ノンストップでやってきてるのよ」とBeyonceは説明する。彼女の父親であるMathewは小学生だった彼女たちを集めてヒューストンでグループを結成して以来、マネジメントに携わり続けている(Michelleは現在も訴訟ざたが続くほどの論争を巻き起こしたメンバーチェンジを経て、2000年に加入した)。
「私たちには休息が必要だし、その期間にたぶんソロプロジェクトをやることになるでしょうね。でもDestiny’s Childは私たち3人のことなの。私たちが一緒にいるときのハーモニーやケミストリーといったものは、他の人たちには感じ取れないものなのよ。Destiny’s Childは今、とってもハッピーな状況にあるし、グループにはマジックが働いてる。それに満足しているからこそ3人の声が美しく響きあうの。何ものにも替えがたい存在なのよ」
だが、Destiny’s Childの音楽が巷からすっかり姿を消してしまうことはまだなさそうだ。トリプルプラチナムに輝いたグループのサードアルバム『Survivor』は、今もなおBillboardチャートのトップ30に留まっており、4枚目のシングル「Emotion」によってさらに売り上げを伸ばす可能性がある。「Emotion」はBee Geesが作ってSamantha Sang’sが’78年にヒットさせたナンバーのスタイリッシュなカヴァーで、「Independent Women, Part 1」「Bootylicious」、そしてアルバムのタイトル曲に続くヒット曲になるだろう。その一方でDestiny’s Childは、10月30日発売予定のホリデイ向けアルバム『8 Days Of Christmas』の録音を完了しているほか、ディズニー・チャンネルがまもなくグループをモデルにしたアニメーションの放送を開始する。
Beyonceによれば、父親がグループに推薦した「Emotion」にはDestiny’s Childのファン層を今まで以上に広げてくれる可能性があるという。
「クロスオーヴァー効果を期待しているの。“Survivor”や“Bootylicious”を聴いたことのない人たちの耳にも“Emotion”が届くようにね。隠居してラジオを聞いたりテレビを見て過ごしているようなお年寄りにも聴いてほしい。いつかはバラードを出さなくちゃと思っていたけど、ついにその時が来たのよ」
にもかかわらず彼女は「カヴァーソングをやるのはいつだって怖い」と認めている。
「原曲ほど良くなければやるべきじゃないし、原曲とあまり変わりがなくてもやるべきじゃない。で、あまりにも変えてしまうと、台無しになってしまう。でも私たちはトライして、“クールよね”と思える結果を出したわ。とても気に入ってるの。ほんとにいい仕上がりで、私たちの声とハーモニーをちゃんと聞くことができる。Bee Geesが気に入ってくれなかったらどうしようってナーヴァスになっていたけど、彼らが本当に気に入ったって言ってくれたから4枚目のシングルにすることにしたのよ」
一方のクリスマスアルバムは、彼女たちの愛情の結晶である。3時間のスタジオセッションでバラバラに録音されたものではあるが、そうしなければ8カ月間に及ぶジャム漬けの日々を送っていたことだろう。
「タイトルの『8 Days Of Christmas』は“12 Days Of Christmas”みたいなものよ。例えばメルセデスとかダイヤモンドのリングとか、売り出されるギフト商品の内容は別にしてね(笑)。必ずしも伝統的なサウンドではないけど、“Silent Night”“The Carol Of The Bells”“O Holy Night”“This Christmas”など、トラディショナルなクリスマスソングを取り上げているわ」
さらにBeyonceは、このアルバムのために4曲のオリジナル作品を用意した。
「コンセプトに基づいて作ったからとっても簡単だったわ。“Bootylicious”のときもそうだったけど、最初にコンセプトやタイトルを思いつけば、後はとても楽に進められるの。あらかじめコンセプトが決まっていると、本当に簡単なのよ。だから今回みたいにクリスマスソングということが念頭にあれば、曲作りはかなりスムースにできるわね」
『8 Days Of Christmas』ではBeyonce、Kelly、Michelleがそれぞれの持ち歌を個々に歌うトラックも用意されており、ファンは3人のソロを楽しむことができる。ソロトラックで“Silent Night”を担当したBeyonceは語る。
「私の曲はDestiny’s Childとはまったく違うサウンドになってるわ。アコースティックギターだけで、とっても可愛い仕上がりよ」
彼女自身のソロアルバムもそのようなサウンドになるのだろうか?
「わからないわ。私は毎日成長し続けているし、異なるタイプの音楽を聴いてるから。それにギターか何か楽器を習おうと思っているし、今のところは誰にもわからないのよ」
しかし、2人のオリジナルメンバー、LaTavia RobersonとLeToya Luckettの脱退に至った2000年春の分裂劇によって、Destiny’s Childが悪影響を受けなかったことは確かなようだ。2人は現在もMathew Knowlesを相手取って不正経理と未払い報酬を巡る訴訟を続けており、Michelleとともに加入はしたが5カ月しかもたなかったFarrah Franklinは消息不明のままである。
Beyonceによれば、Michelleが加わって強化されたばかりでなく、こうした騒動のおかげでグループが大いに助けられたという。
「私たちに欠けていたのは物議をかもすような話題だったと思うの」と彼女は理論づける。「私たちを表紙に載せようとする雑誌がなかったのは、騒ぎに値するような面白い話題を提供してこなかったからよ。残念なことに世間はドラマを読むのが大好きなの。恐ろしいことだけど真実よ。今や私たちは多くのことを経験したし、多くのことを成し遂げたから、みんなもきっと関心を持ってくれるわね」
Destiny’s ChildがMTVのTRLツアーでのヘッドライナーとしての仕事を終えた今、Beyonceの近い将来におけるもうひとつの大きなプロジェクトは、妹のSolangeのアルバムをプロデュースすることである。彼女はDestiny’s Childのダンサーのひとりとして、あるいは今回のサマーツアーのMCとして活躍した15歳の強力新人だ。Beyonceは妹の才能を世に知らしめることを心待ちにしているが、SolangeはBeyonceのクローンではないと警告している。
「お願いだから彼女のことを“Beyonceの妹”なんて言わないでね。彼女はSolangeなのよ」とBeyonceは笑って言う。
「彼女は自分のスタイルを持った力強い娘だわ。自分で曲も書くし、とっても才能があるのよ。彼女は普通のヤング・ポップ・アーティストを目指しているわけじゃないの。Destiny’s Childになるつもりなんかないわ。Solangeは独特のものを持っているし、彼女の音楽を聴いたら多くの人が驚くことになるでしょうね」
By Gary Graff/LAUNCH.com |