【インタビュー】GUMMY、ロックバラード盤『GIVE ME CHOCOLATE』と天真爛漫なバンドの素顔「自分を偽らずにいられる。それがGUMMYかな」

2026.09.02 20:00

Share

長いキャリアを持つ4人のメンバーが“ガールズバーの従業員と支配人”という設定で始めた新人バンド、GUMMY。これまで築き上げたキャラやイメージは崩壊し、かといって本気で女装に酔いしれる様子もなく、たまに素顔の笑いがこぼれてくるところが超新鮮。本気でヤバいガレージパンクの説得力も加わって、バンドは転がり出した2026年3月から快進撃を続けている。

4月に登場した1st EP『GIVE ME GUMMY』はストレートなロックンロール盤だったが、今回届いた2nd EP『GIVE ME CHOCOLATE』はミドルの歌ものが中心。これは3連続でリリースされるEPシリーズの中継ぎ盤でもあるという。どこまでもプロモーション意識の薄いインタビューになったが、これもまたGUMMYの味わい方。メンバー4人にたっぷりと語ってもらった。

   ◆   ◆   ◆

■俺の場合、ライブ中こんなに笑うのって
■このバンドだけだと思います

──このバンドの構想を固めたのはマッド・デンジャラスさんだとか。

マッド・デンジャラス:構想……いや、順番で言うと康太さんがまず俺を誘ってくれて。

康太:そうそう。僕がaieくん(マッド・デンジャラス)と一緒にやりたくて、まず誘ったのが始まりで。

マッド・デンジャラス:「なんか面白いことしましょうか。じゃあスリーピースのロックバンドどうすか?」ってドラムにLottoを誘って、それで1年くらい曲作りながら、“やっぱ俺は歌わないほうがいいなぁ”って。俺がやってるもうひとつのスリーピース、the god and death starsと一緒になっちゃう。それで「ボーカル誰か入れたいですね」って飲んでる時に……別件でちょうどGaraくんいたから。朝5時くらいでしたけど。

──もうベロベロの時間ですよね(笑)。

マッド・デンジャラス:そう。みんな忘れて、そのまま終わってもおかしくない話だった。ただ、「こういう話があるんだよ」って誘ってデモテープ送ったら、わりとすぐ歌が入ったものが返ってきて。それでスタジオに入ってみたのが始まり。でもその時は何も決まってなかった。このバンドが実現するかどうかもフワッとしたまま「ダメならダメでいいからレコーディングしてみよう」ってことになって。で、録ってから新宿ロフトに電話して、それで3月7日のライブスケジュールを抑えて。そこから本格的に「……さぁどうする?」ってことになって。

マッド・デンジャラス (G)

──「どうする」とは?

マッド・デンジャラス:曲は揃ってるけど、このままいったらただスーツ着たカッコいいロックバンドみたいになる。それじゃ箸にも棒にも引っかからない。だから「全員で思いきって女装しないすか?」って(笑)。焼き鳥食いながら冗談みたいな空気で話してたけど、なーんかみんなiPhoneでレディースの服を検索し出して。「ちょっとこれ、かわいくない?」とか言ってるうちにこうなってた(笑)。最初はそれこそ康太さんにも女装を勧めてたけど。

康太:そこは丁重にお断りしました(笑)。女装の画が浮かばなさすぎて。事故ると思った。

──それで、ガールズバーの従業員と支配人、という設定に。

康太:黒服というか、支配人って役割がいいねって。

マッド・デンジャラス:だから康太さんはスーツ、俺らは従業員。そのへんから見えてきた。で、意外と着てみたら嫌じゃなかったっていう。

康太 (B)

──Lottyさん、Garaさんもけっこうノリノリで?

Lotty:ノリノリ……っていうわけではなかったけど(笑)。でも、やったことなかったから面白いかもなと思って。

マッド・デンジャラス:Garaくんは女装経験あるの?

Gara:いや、ここまではない。なかったけど、でも僕はわりと、aieくんから声かけてもらった時点で“あ、すごく面白そうだな”と思ったんで。どんな方向性だろうがどんな格好だろうが、まずこの人たちとやってみたかった。

マッド・デンジャラス:方向性、まだ定まってないでしょ?

Gara:……うん。“どんな立ち位置なんだろう、僕というかワタシは”って。

マッド・デンジャラス:今、考えてる性別はどっち?

Gara:今はねぇ、また女性になってる(笑)。どこが正解なのかわかんないんですよ。誰も教えてくれないし。

マッド・デンジャラス:性別はともあれ、基本Lottyはかわいいポジション。康太さんも支配人で定まってるでしょ? たぶんね、Garaくんがオバさん、俺がオジさんなんだと思う。そこがちょうどいいバランス。

Gara:僕、オバさんなの!? もうちょっとオバさんに寄せたほうがいい?

マッド・デンジャラス:いや……もう年齢的に勝手に寄っていくから大丈夫(笑)。

Gara:そっかぁ。オバさんか、僕。ちょっといい女風になろうとしてたかも。

康太:いや、「造花」のMVはいいオバさん感出てたよ?

Gara:あ、あれ僕のお母さんの若い頃そっくりっす(一同爆笑)。

──いざスタートしてみれば、初ライブからドカンと盛り上がったそうで。どのあたりがウケたと分析していますか。

マッド・デンジャラス:絶妙な隙間産業というか。全員キャリア長いから、こうやって女装したところで“絶対本気じゃないな、こいつら”ってバレるところもいい。“チケット買って茶化しに行ってやるか”ぐらいでいいと思う。そのへんの微妙なバランスがうまくハマった感じはしましたね。

Gara:うん。それぞれキャリアがある中で、本気で大人の遊びをしてる感じ。そういうバンド、ちょうどいなかったんだと思うんですよね。“なんか変なバンド出てきたぞ”って僕らよりも周りのほうが騒いでた感じもあった。

──ライブレポにも書きましたけど、みんな“素顔のA”があり、“ビジュアル系の魔界人B”という設定があって。ここではさらに“これ、フリですよ”の“キャラC”がある。それがごちゃごちゃになってるところが一番面白くて。

マッド・デンジャラス:その設定がユルいのよ。みんなで楽しめる範囲内。思いっきしプラン練って考えてやってない。ダメならダメでいいし。赤字さえ出なければいいっていうノリかな。

康太:あと、見た目はさておき、曲はいたって真面目にやってるんですよ。そのバランスをほんとに楽しめるし、それがいい結果に繋がってる。

Lotty:うん。思ったよりウケて、チケットが取れないバンドになってるのは喜ばしいですけど。でも最近はアレですね、“もっとちゃんとふざけなきゃいけない” “面白くあり続けなきゃいけない”っていう気がしてきた(笑)。

Gara (Vo)

──Garaさん以外、皆さんは他にもいくつかバンドをやっていますよね。GUMMYで初めて出てきた自分ってありますか。

マッド・デンジャラス:あるかも。自分の中の女性の部分が、すごく幼稚だったことに気づいた。ただ子供な女子、『じゃりン子チエ』みたいなのが俺の中に巣食ってる(笑)。ああいう格好して出ていくと、自分で狙ったわけでもないのに、なんかキャッキャキャッキャしたのが出てきて。昔から椎名林檎みたいなのがカッコいいと思ってたけど、自分の中にいる女子は全然違った。

康太:俺の場合、ライブ中こんなに笑うのってこのバンドだけだと思います。楽しいから。もうちょっとシリアスなバンドばっかりやってたけど、今はライブやってても自然と笑顔が出てくる。それも面白いのかな。普段の僕はそんなメイクしないタイプなんですけど、ここではガッツリ怖い雰囲気を見た目で出したくて。そういう人がニヤッと笑うとよけい怖かったりするじゃないですか。そこらへんも計算しないで自然にできてる。

──Lottyさんはいかがですか。

Lotty:うーん、僕もいろいろ他のバンドはありますけど、やっぱりオケが、サウンドが一番ロックンロールなのがGUMMYで。ド真ん中、右ストレートでぶん殴ってるようなロックをやっているから。ドラムも一番パワフルなんですよ。見た目は女子ですけど、一番豪快に、スカッと気持ちよくやれますね。パワーを使う演奏だから疲れますけど、それも気持ちいいというか。

──メンバーの中で一番「かわいいー!」って言われることについては?

Lotty:うーん……なんか複雑です(笑)。

マッド・デンジャラス:「ブスー!」って言われるよりいいじゃん。

Lotty:まぁそうですね。

Lotty (Dr)

Gara:僕はあれで燃えてきましたね。僕もかわいくいたい!

康太:かわいいキャラをLottyだけには任せられない?

Gara:任せられない。まだ頑張る。

康太:かわいいを諦めてなかったんだ(笑)。

Gara:諦めてない。いや、aieくん、前に飲んでて「森高(千里)のカバーを歌わせたい」って言ってたじゃん。

マッド・デンジャラス:あぁ。「私がオバさんになっても」。

Gara:そうそう。ってことは、まだ僕かわいさがあるってことだよね?

マッド・デンジャラス:ああいう服着て欲しい。森高のスカート。

Gara:いいね。かわいいね。

マッド・デンジャラス:そういうことをチェックするようになったね(笑)。このバンド始めてから、女性アーティストの衣装見て「着てみたい」とか思うことが増えた。

前のページへ
1 / 3