【ライブレポート】松任谷由実、46回目の<SURF & SNOW in Naeba>開幕「50回は通過点。必ず続けます」

松任谷由実が2月9日、新潟・苗場プリンスホテル ブリザーディウムにて、冬恒例のリゾートコンサート<SURF & SNOW in Naeba Vol.46>をスタートさせた。2月23日まで全8公演を開催する同コンサート初日のオフィシャルレポートをお届けしたい。
本公演は1980年に発売したアルバム『SURF & SNOW』のリリースをきっかけに1981年からスタートし、今年で通算46回目の開催を迎えた日本の冬の風物詩である。

毎年様々なテーマに基づいて演出が施されるが、本年度の公演テーマは“オリエンタル”。これまでも定期的に“オリエンタル”をテーマとして選んできたユーミンは、その理由について、“ユーミン”の名付け親は1960年代後半、自身が学生時代に憧れていた中国籍のミュージシャン“シー・ユー・チェン”であったことに触れ、「DNAや名前といった、自分の根源的な部分に由来するのかもしれない」と語った。
また、10代半ばから“ユーミン”というニックネームで呼ばれてきた自身の歩みを振り返りながら、その名が持つ響きや背景が、知らず知らずのうちに自身の表現や感性に影響を与えてきた可能性に言及。「今回は、自分の中の“ユーミン”を探す旅のような気分」と語り、観客に向けて「最後まで楽しんでほしい」と呼びかけた。

<SURF & SNOW in Naeba Vol.46>のオープニングを飾ったのは「Misty Chaina Town」(24th アルバム『TEARS AND REASONS (ティアーズ・アンド・リーズンズ)』/ 1992年11月27日発売)だ。きらびやかなゴールドのチャイニーズドレスを纏って登場したユーミンは、異国情緒と物語性が交錯する世界観を会場全体に提示した。
続く「満月のフォーチュン」(22thアルバム『天国のドア』/ 1990年11月23日発売)では、東洋的な扇子を時に力強く時に優雅に、リズムに合わせて自由に操るパフォーマンスで観客の視線を集めた。苗場史上初の扇子パフォーマンスでバブルにひとっ飛びするなど、その一挙手一投足に観客は息を呑む。さらに「CHINESE SOUP」(3rdアルバム『COBALT HOUR(コバルト・アワー)』/ 1975年6月20日発売)では軽やかなリズムと遊び心が顔を覗かせ、会場を沸かせた。

コンサート中盤に披露された「残暑」(22thアルバム『天国のドア』/ 1990年11月23日発売)、「たぶんあなたはむかいにえに来ない」(荒井由実2ndアルバム『MISSLIM(ミスリム)』/ 1974年10月5日発売)では、オリエンタルなモチーフの傘を巧みに妖艶に操り、楽曲の世界観をより深めた。
クライマックスは、「今年のSURF&SNOWの裏テーマをこの一曲に込めた」という「春よ、来い」(26thアルバム『THE DANCING SUN』/ 1994年11月25日発売)だ。長きにわたり多くの人の心に寄り添い続けてきた名曲のパフォーマンスは圧巻。そして、「実は私のコンサートには、いつも言葉にはできない“裏テーマ”があるんです。今回も例外ではありません。セットリストから感じ取ってもらえたら嬉しいですね」と語った。さらにライブ終盤のMCでは、次のように伝える場面も。

「いつだったか、私が“苗場は50回はやる”と言ったらしいんですが、それがなぜか50回で終わると勘違いされてしまったみたいで……。
改めてはっきり言います。50回は通過点。私がステージに立てる限り、このスキー場がある限り、そしてみなさんが来てくれる限り、必ず続けます」──松任谷由実
来年2027年は47年目となり、<SURF&SNOW in Naeba>の50周年も目前となったことを踏まえ、改めて本公演に向けての意気込みを語ったかたちだ。自身のキャリアにおいても2027年にデビュー55周年を迎える松任谷由実。その55周年もまた通過点に過ぎず、ユーミン物語は今後も続いていくことを鮮明に焼き付けたワンシーンとなった。
アンコールを含め全24曲。新旧に及ぶ楽曲とオリエンタルな世界観が見事に融合した圧巻と呼ぶにふさわしい一体感とともに、46年という歴史の重みと、今なお更新され続ける“現在進行形のユーミン”を強く印象づける一夜となった。

そして、きらびやかなゴールドが印象的な今回の衣装のポイントは、“オリエンタルチャイナディスコ”だ。元々の3単語である“オリエンタル” “チャイナ” “ディスコ”をどうミックスさせてスタイリングしたらファッションとしても面白くなるかな、といった発想からイメージが構築されたという。そのコスチュームデザインは、ファッションブランド『FACETASM』デザインチームの一員である山田菜月が担当。衣装制作は山田いずみ(ピカイア)が手がけた。また、本編で登場した傘のグラフィックは、東京発のコレクティブCMDで活動し、現在は文化服装学院で服作りを学ぶ中尾リュウが担当したものだ。
松任谷由実は、2025年11月リリースの40thオリジナルアルバム『Wormhole / Yumi AraI』を携え、全国72公演におりぶ全国ホールツアー<THE WORMHOLE TOUR2025-26>をリリース同月よりスタート。現時点で第一期公演である全13公演が終了しているところだ。そして同ツアーは<SURF&SNOW in Naeba Vol.46>全公演終演後、3月6日ロームシアター京都 メインホール公演より再びスタートし、12月24日の愛知県芸術劇場 大ホールまで続く。
撮影◎後藤倫人

■<松任谷由実 SURF & SNOW in Naeba vol.46>
日程:2月9日(月)、10日(火)、13日(金)、14日(土)、17日(火)、18日(水)、21日(土)、23日(月祝)
※全8公演
会場:新潟・苗場プリンスホテル ブリザーディウム
open20:00 / start20:30
※動員数1日1350人、8日間10800人予定
詳細:https://surfandsnownaeba.com/
▼<SURF & SNOW in Naeba Vol.46>コンサート映像をインターネット配信でお届け
期間限定サイト“Y-topia”で<SURF&SNOW>の魅力とユーミンの世界を楽しむことができる
詳細:https://ytopia.yuming.co.jp/







