【俺の楽器・私の愛機】1922「あの時の音がする」

【Gibson Les Paul Standard Plus 2004】(横浜市 ポコイダー 59歳)

ギターを購入する基準として、基本は中古品を選ぶことにしております。10年20年経過した木材は、水分や塗装が飛んで、分子の空気層が広がって倍音が豊かになる。といった蘊蓄を信条とし、この歳で新品買っても、仕上がるころには果たして幾つになるのやら(タヒンデル・・・)。今が盛りの熟成品を、じっくり探すのが愉悦なのです。
特にギブレス・ストライクゾーンは、1995年から2006年と決めております。価格帯もお手頃ですし、ヤレきっていないので、成長も楽しめるし。
そんな私の心を掴んだのが今回の一品です。スタンダードプラス2004。ご覧のようにトップは「トラ・トラ・トラ」。ラッカーがひけて、半ツヤまで劣化し、裏も溶けてシワシワしている。指板は真っ黒。ヘッドも字が薄くなって、インレイも割れてきている。これこれこういうの。何の躊躇いもなく即ポチ。
到着後、そのヤレた仕上がりにうっとり。完全分解して磨き上げるのが私のセオリーですが、もうこのままで大満足。重量4.5㎏。豊満バンザイ。生鳴りも、木の根っこからクオ~ンって歌ってる。いいよ~。ナットが欠けていたので、オイルボーンナットを自分で溝切り交換。や~んヘッドが更にカッコよくなっちゃた~。
ピックアップは「Burstbucker Type1/Type2」。これも良き。枯れてる。ものの試しに、ピックアップよりお高いイナゴ(定格保障のビンテージ Bumble Bee .022 400v)を二匹購入。

マーシャルでドライブオン。おぉ聞こえる。あの音が。
「カヴァーデイル・ペイジ Japan Tour 日本武道館 初日」一粒で二度おいしいこのバンド。ペイジ様の音を初めて聞いた瞬間でした。1曲目のAbsolution Bluesから、ゴーキューが叫ぶ。ワオーン。・・・もうね。イキましたよ。これがあの伝説なのかと、目を閉じて震えた想い出。私の耳が覚えているのは、正しくこの音ですよ(多分違う)。もうこれでいいです。想い出は、リライトしてこそ美しいのです。
エロカスともクロデコとも違うこの一品。いやもうエースです。18番を授けます。



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エモくてエロい投稿いただいました。いつもは「エモさ100%」の投稿が多い「俺の楽器・私の愛機」コーナーですが、ポコイダーさんの投稿は「エモさ30% エロさ70%」な風合いでございます。それもこれも「経年変化によるヤレや劣化」をことごとく「大好物」とするやばい性癖がダダ漏れしているからでございましょう。これはギタリストの多くが罹患する珍奇な疾病でございます。ただ、ロゴ周りのラッカーがパキパキしてヘッドの角も傷んできているこの感じ、最高のご馳走でございます。そのうちウェザーチェックがビシッと入ってくることを想像すると昇天しそうです。我慢できん。冷凍スプレーぶっかけてぇ…。(BARKS 烏丸哲也)
★皆さんの楽器を紹介させてください
「俺の楽器・私の愛機」コーナーでは、皆さんご自慢の楽器を募集しています。BARKS楽器人編集部までガンガンお寄せください。編集部のコメントとともにご紹介させていただきますので、以下の要素をお待ちしております。
(1)投稿タイトル
(例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
(例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
(例)トラヴィス・ビーン TB-1000
(例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
(例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
(例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
(5)写真
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