【速レポ】<中津川 WILD WOOD 2025>打首獄門同好会、大人も子どもも興奮直撃のWONDER WALLトリ

<中津川 WILD WOOD 2025>の観客は、ファミリー層が多い。打首獄門同好会はそろそろ子どもが帰りたがる時間帯に差し掛かっていることを鋭く察知。サウンドチェックの段階で、うまい棒を観客に配布してちびっこたちのハートを掴んでいた。ということは、あの曲をやるのでは? そして迎えた本番。
大澤敦史(G,Vo)、河本あす香(Dr,Vo)、junko(Ba,Vo)、サポートの風乃海(VJ)を明るい歓声が出迎えた。オープニングを飾ったのは「デリシャスティック」。やはり早速あのお菓子が大活躍する曲が飛び出した。そしてアイドルを応援するペンライトのようにうまい棒を振り回し興奮を露わにする観客たち。このバンドに関する知識がない人は、「なにやってんの!?」と思うかもしれないが、これが彼らの生活密着型ラウドロック。身近な題材を極上ラウドロックと化すのが打首獄門同好会なのだ。国民的駄菓子・うまい棒讃歌から幕開けたライブは、その後も強力な曲の連続だった。



観客が一斉にスクワットを始める風景が不思議な感動を噛み締めさせてくれた「筋肉マイフレンド」。チョコレート菓子の二大派閥による血で血を洗う争いを描いた「きのこたけのこ戦争」。歌詞の全てがプロレスの技で構成されていた「WAZA」……何だかやたらと野生の血が騒ぐ曲の連発を経て迎えた最初の小休止。「わーい わい わーい わい ワイルドウッドだよ~」──おさるさんを題材にした替え歌を唐突に歌った後、観客に挨拶をした大澤会長。「WILD WOOD、初開催おめでとうございます! みなさんワイルドですか? 過ごしやすいロケーション。祝日が多い9月中旬。いい土日ですよね。明日はただの月曜なんですよね。次の曲聴いてください」

──マイナーコードからスタートした「はたらきたくない」では、労働意欲が下がりまくる哀愁のメロディがひたすら響き渡った。子供もたくさん観ているのに、こんな曲をやっていいのだろうか? 教育上、よろしくないのでは? そんなことを思った観客がもしかしたらいたかもしれない。しかし心配は無用であった。その次に披露されたのは、爽やかなボサノバとデスボイスの間を行き交う「なつのうた」。VJ映像に登場するコウペンちゃんを観て、大喜びしている子供たちの姿に和まされた。続いて届けられた「おどるポンポコリン」も、ファミリー層にぴったりのカバー曲。TV番組『しまじろうのわお!』の「うたのコーナー」ために書き下ろされ、ちびっこ視聴者から圧倒的な支持を集めている「カンガルーはどこに行ったのか」も披露された。なんとすばらしいセットリスト! イベントに応じて工夫を凝らしてステージに臨む彼らの姿勢に胸打たれた。



アーティストエリアに用意されていた栗きんとんが、口の中の水分を奪うことに触れてから披露された「BUNBUN SUIBUN」。水分補給の大切さを説くこの曲は、熱中症対策が大切な野外フェスに本当にふさわしかった。タオルを振り回して盛り上がっていた観客は、ライブ後にしっかり水分補給をしたはず。そして、その後もアーティストエリアに用意されていた様々な料理の紹介に絡めた曲が続いた。とにかくお肉が食べたくて堪らなくなった「ニクタベイコウ!」。フィールドに投入されたマグロ型バルーンがピチピチ飛び跳ねる様子が空腹を刺激した「島国DNA」。とどめは、炊き立てのごはんのようにホカホカな熱気がフィールド内に漂った「日本の米は世界一」。
動物性たんぱく質の二本立て+主食による豪華定食でライブが締めくくられた。やはり打首獄門同好会のライブは唯一無二。かけがえのない魅力を再確認させられたステージであった。



取材・文◎田中 大
撮影◎TAWARA (magNese)
■セットリスト
1. デリシャスティック
2. 筋肉マイフレンド
3. きのこたけのこ戦争
4. WAZA
5. はたらきたくない
6. なつのうた
7. おどるポンポコリン
8. カンガルーはどこに行ったのか
9. BUNBUN SUIBUN
10. ニクタベイコウ!
11. 島国DNA
12. 日本の米は世界一
■<中津川 WILD WOOD 2025>
9月20日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月21日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
open10:00 / start11:00 / 21:00終演予定
岐阜県中津川市茄子川1683-797
【Day1:9/20(土)出演者】※A-Z順
ザ・クロマニヨンズ、Def Tech、04 Limited Sazabys、Hedigan’s、HEY-SMITH、一青窈、jo0ji、JUN SKY WALKER(S)、神はサイコロを振らない、KREVA、日食なつこ、Nothing’s Carved In Stone、奥田民生、レキシ、サバシスター、SiM、土岐麻子、東京スカパラダイスオーケストラ、ヤングスキニー、レトロマイガール!!(Opening Act)
【Star Guitar】DJ 西寺郷太(NONA REEVES)、須永辰緒(sunaga t experience)
【Day2:9/21(日)出演者】※A-Z順
ACIDMAN、The BONEZ、Chilli Beans.、Dragon Ash、GLIM SPANKY、go!go!vanillas、iri、木村カエラ、Omoinotake、Original Love、Penthouse、Rei、レトロリロン、スガ シカオ with FUYU、水曜日のカンパネラ、打首獄門同好会、w.o.d.、吉澤嘉代子、Khaki (Opening Act)
関連リンク
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