【ライブレポート】SARD UNDERGROUND、day2<オリジナル楽曲 only day>が告げた未来「また来年も」

神野友亜のソロ体制に生まれ変わったSARD UNDERGROUNDの、新たな挑戦はここから始まる。全国7ヵ所を回る<SARD UNDERGROUND LIVE TOUR 2025[FANTASY]>のファイナルを飾る東京2days公演、2日目はSARD UNDERGROUNDのオリジナル楽曲のみを披露する<オリジナル楽曲 only day>だ。
day1<ZARD tribute楽曲 only day>とはステージセットもがらりと変わって心機一転。神野友亜の衣装も白いブラウス、黒いパンツルックにスパンコールをあしらった布を合わせた躍動的な出立ちで、1曲目「星の光」からライブはスタート。笑顔で手拍子を求めながら、「夏の恋はいつもドラマティック」「あの夏の恋は眩しくて」とサマーソング二連発で盛り上げ、積極的に動き回って歌う友亜。バンドメンバーは前日と同じ、車谷啓介(Dr)、麻井寛史(B)、大楠雄蔵(Key)、栄先思希(G)という頼れるメンバーだ。

「最初からたくさんの声援をありがとうございます。本日は東京ファイナル、楽しむ準備はできていますか? 最後まで一緒に楽しんでいってください」──神野友亜
ここから2曲、神野友亜が初めて作詞を手掛けた「ブラックコーヒー」と、3人からソロ体制になった時の思いを綴った「I still believe」を並べて歌ったのは、きっと意味があるだろう。ぐっとエモい気分になったところへ、「その結婚、正気ですか?」「私と恋をしてください」と明るい曲調をぶつけて、さらに「琵琶湖大橋」で一気に盛り上がりの頂点へ。「琵琶湖大橋」のサビの振り付けも、もちろん全員予習済みだ。「まもなく目的地周辺です。東京、東京!」というカーナビふうのセリフもバッチリ決まった。

「ライブハウスツアーに来てくれた方? ありがとうございます。まさかの、全箇所に来てくれた方? すごい!嬉しい!」──神野友亜
一人や二人じゃない、熱烈なファンのアピールに驚きながらも感謝を忘れない神野。ライブハウス5ヵ所、ホール2ヵ所を回った今回のツアーは、SARD UNDERGROUNDとファンとの距離をぐっと縮めた大事な時間だった。そんなファンに送る最新アルバム『故障した車』からの2曲、ラテン歌謡曲ふうの「故障した車」、大人びた哀愁をたたえた「あなた、カトレア」は、どちらも神野友亜の新たな一面を聴かせる新境地。妖しく回る青と赤の照明も、どことなく挑発的。さらに「少しづつ 少しづつ」「Blue tears」の2曲で切なさの深みにはまったあと、「雨は虹になる」で静かに目の前の風景が開けていくような、ドラマ性のあるセットリストの流れがいい。「雨は虹になる」の、背景に一面の星空のように灯る明かりがとても美しい。
前日と同じ「どこから来ました?」アンケートでさらにコミュニケーションを深めたあと、楽曲のムードがまた変わった。切ない和風情緒を秘めた「夢で逢いましょう」を経て、強力なハードロック調の「黒い薔薇」から「涙色で」と、SARD UNDERGROUNDの音楽性の中で最も攻撃的な面をさらけ出す。神野が「ヘイ!ヘイ!」と煽ると、観客がコブシを突き上げて応える。前に出てソロを弾く栄先の肩を抱いて、神野が得意げな笑顔を見せる。ソロ体制に進化することで、最強サポートメンバーと共に、SARD UNDERGROUNDの音楽はさらに強くたくましくなった。

熱く激しい盛り上がりのあとには、明るく楽しい一体感がほしいもの。「イチゴジャム」では客席に巨大風船がいくつも投げ込まれて、神野も観客も大はしゃぎ。“♪二人で作ったイチゴジャム”のコール&レスポンスがどんどん横道にそれて、メンバー全員が即興の歌詞をひねりだして大笑い。最後はカゴいっぱいのカラーボールを客席に投げ込んで大騒ぎ。激しい時はより激しく、楽しいことはとことん楽しく、それが今のSARD UNDERGROUNDのライブだ。
こうなったら最後まで勢いは止まらない。ノスタルジックな歌謡曲の匂いがする「花火よ燃え尽きて海に舞い上がれ!」「擦り傷だらけの純情」から「空っぽの心」へ、ノンストップでアップテンポを畳みかけて容赦しない。そしてラストを飾るのは、朗らかな曲調の中で強く優しく聴き手の背中を押してくれるエールソング「これからの君に乾杯」だ。歌い終えて「ありがとうございました!」と手を振る神野の、満面の笑顔がきらきらまぶしい。

「終わっちゃいますね。みなさんも寂しいですよね。また来年も(ライブを)計画しているので、お会いできたら嬉しいです!」──神野友亜
前日はなかったアンコールは、より自然体で伸び伸びと。ツアーグッズ紹介、ニューアルバム『故障した車』の告知、そして2026年への抱負など、以前よりも饒舌になったように感じるのは、ソロ体制になったことへの責任感の表れだろうか。「最後はあったかい気持ちになれるように」と前置きして、「恋が待ち伏せしてた午後」を歌う笑顔に、大きな仕事をやり遂げた達成感が見える。前日のテーマが過去の継承だとすれば、今日の<オリジナル楽曲 only day>のテーマは未来だ。まだ真っ白な未来へ向かって、SARD UNDERGROUNDはまた力強い一歩を踏み出した。
取材・文◎宮本英夫
撮影◎山口渚
【ライブレポート】day1<ZARD tribute楽曲 only day>へ
■<SARD UNDERGROUND LIVE TOUR 2025 [FANTASY]>day2▶オリジナル楽曲 only day
9月10日(水) 東京国際フォーラム ホールC セットリスト
01 星の光
02 夏の恋はいつもドラマティック
03 あの夏の恋は眩しくて
04 ブラックコーヒー
05 I still believe
06 その結婚、正気ですか?
07 私と恋をしてください
08 琵琶湖大橋
09 故障した車
10 あなた、カトレア
11 少しづつ 少しづつ
12 Blue tears
13 雨は虹になる
14 夢で逢いましょう
15 黒い薔薇
16 涙色で
17 イチゴジャム
18 花火よ燃え尽きて海に舞い上がれ!
19 擦り傷だらけの純情
20 空っぽの心
21 これからの君に乾杯
encore
en1 恋が待ち伏せしてた午後
▶<SARD UNDERGROUND LIVE TOUR 2025 [FANTASY]>HALL TOUR演奏曲のプレイリスト公開
https://sardunderground.lnk.to/livetour2025fantasy


■3rdオリジナルアルバム『故障した車』
2025年9月17日(水)発売
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】GZCA-5326 ¥5,500(税込)
【通常盤(CD)】GZCA-5327 ¥3,300(税込)
▼CD収録曲 ※初回限定盤・通常盤共通
01 故障した車
作詞:神野友亜 作曲:藤中友哉 編曲:藤中友哉
02 I still believe
作詞:神野友亜 作曲:大野愛果 編曲:麻井寛史
03 輝く旅人よ
作詞:神野友亜 作曲:藤中友哉 編曲:徳永暁人
04 ダイナマイト サマーナイト
作詞:神野友亜 作曲:小澤正澄 編曲:小澤正澄
05 風はファンタジー
作詞:神野友亜 作曲:大野愛果 編曲:鈴木和哉
06 ナンバーワンあなたは
作詞:神野友亜 作曲:小澤正澄 編曲:小澤正澄
07 全部自己責任
作詞:神野友亜 作曲:大野愛果 編曲:麻井寛史
08 TO MY FREEDOM
作詞:神野友亜 作曲:大野愛果 編曲:麻井寛史
09 世界で一番遠い人
作詞:神野友亜 作曲:徳永暁人 編曲:徳永暁人
10 あなた、カトレア
作詞:神野友亜 作曲:大野愛果 編曲:麻井寛史
11 しあわせ
作詞:神野友亜 作曲:徳永暁人 編曲:徳永暁人
▼Blu-ray ※初回限定盤のみ / 約35分予定
<First Studio Live>
・揺れる想い [tribute 2023]
・心を開いて [tribute 2024]
・永遠 [tribute 2024]
・夢で逢いましょう
・空っぽの心
・あなた、カトレア
◯Making of First Studio Live
■神野友亜レギュラーRADIO出演番組
▶e-radio 「神野友亜のフリートークラボ」
放送日時:毎週土曜日 18:30~18:55
番組HP:https://www.e-radio.co.jp/pg_news/freetalklabo_sard/
▶e-radio「キャッチ!」
放送日時:毎月第二火曜日 14:00~19:00
番組HP:https://www.e-radio.co.jp/
関連リンク
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