【速レポ】<LuckyFes’25>打首獄門同好会、米どころ茨城ならではの極上爆音ライブ「これはラッキー」

2025.08.10 17:12

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朝から時々降ったり止んだりを繰り返していた雨。打首獄門同好会のライブが近づきつつある時間帯は、パラパラと降る雨がしばらく続いた。雨は野外フェスの天敵だが、なんだか少しワクワクしてしまう。なぜならこのバンドには、雨が降った時にしかやらない曲があるからだ。猛烈な晴れバンドなので、ライブで披露されるのは実はかなりレアなあの曲。さあどうなる?

◆ライブ写真

そんなことを思っていると、スタートを告げるSEが流れて会長こと大澤敦史(G,Vo)、河本あす香(Dr,Vo)とjunko(Ba,Vo)、VJ風乃海が登場。そして始まったのは、やっぱり「なぜ今日天気が悪い」。曲の内容は明快極まりない。今日の天気の悪さをシャウト、スクリーム、デスボイスを活用しながらひたすら嘆いている。“生活密着型ラウドロック”というコンセプトを掲げて活動していて、老若男女に大人気の打首獄門同好会の魅力をストレートに示したオープニングだった。

その後も日常生活のリアルを浮き彫りにしながら極上の爆音を連発。スクリーンに映し出された様々な筋肉の名称紹介がとても勉強になり、フィールドを埋め尽くしたものすごい数のフレンズ(LuckyFes来場者の総称)が一斉にスクワットをする風景が超常現象のようだった「筋肉マイフレンド」。日本における戦後最大の内戦と呼ばれている終わりの見えない二大勢力の凄惨な戦いについて壮大に歌い上げた「きのこたけのこ戦争」。全編の歌詞がプロレスの技で構成されているのが斬新極まりなかった「WAZA」……歌詞の内容はユニークだが、鳴らしているサウンドは超一級品。オリジナリティに溢れたラウドロックをたっぷり浴びた結果、観客は明るい興奮状態へと至っていた。

「楽しんでますか? この天気をラッキーととるか、アンラッキーととるか。降ってはいるが我慢できる範囲。30℃は行ってない。プラスに考えよう。これはラッキー」──会長のMCを経て始まったライブ後半も唯一無二の曲たちを存分に体感することができた。この3連休を迎えるまでに人々が抱えていた気持ちを鮮やかに代弁してくれていた「はたらきたくない」。熱中症予防に絶対に欠かせない水分補給と塩分補給について、タオルをぶんぶん元気よく振り回しながら学ぶことができた。「BUNBUN SUIBUN」。怒涛の展開で駆け抜ける中、「本日のLuckyFesの出演者の中での最年長はもちろん米米CLUBの誰かであろうと思いそうなところですが、1958年生まれ、junkoさんでした! 一番筋肉が美しいのは西川貴教さんです!」という心温まるニュースが紹介された「ほっこりニュース大集合」。フィールド内に投入された数個のマグロ型バルーンがピチピチと活きの良さを示しながら舞い、魚介類を愛してやまない我々日本人の魂を激しく昂らせた「島国DNA」……ワクワクする見どころが満載だった。

「本日の大トリは米米CLUB。茨城は関東一の米どころ。今日は農家のみなさんにとって恵みの雨じゃないでしょうか?」──次の曲をほのめかした会長。そしてラストを飾ったのは「日本の米は世界一」だった。お米を食べて大きくなった大人たち、お米を食べて立派な大人になろうとしている子供たちが一緒に《日本の米は世界一》と歌っているのを眺めるとなんだか胸が熱くなる。《米を 米を 米を》の直後に米米CLUB「KOME KOME WAR」の一節を観客が歌ってクライマックスに突入した頃には、ふっくらしたご飯が炊き上がる直前の炊飯器の中のようなホカホカ状態で包まれていたRAINBOW STAGE。最初から最後まで徹底的に楽しくて、かっこよくて、なんだか不思議と感動的なライブだった。

取材・文◎田中大
写真◎緖車寿一

セットリスト
1​. なぜ今日天気が悪い
2​. 筋肉マイフレンド
3​. きのこたけのこ戦争
4​. WAZA
5​. はたらきたくない
6​. BUNBUN SUIBUN
7​. ほっこりニュース大集合
8​. 島国DNA
9​. 日本の米は世界一

「ABEMA」では、LuckyFesの熱狂ライブステージを、
3日間にわたり無料・独占生中継!

見逃し配信は9月9日(火)23:59までお楽しみいただけます。
https://abema.tv/video/title/556-5
※一部アーティストは視聴対象外です

■<LuckyFes’25>
チケットページ:https://luckyfes.com/ticket/
オフィシャルサイト:https://luckyfes.com/

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