新浜レオンが7月27日、東京・きゅりあん 大ホールにて＜ファーストコンサートツアー 〜全てあげよう〜＞のファイナル公演を開催した。同ツアーは4月26日の北海道・共済ホールを皮切りに足掛け4ヵ月で全9公演をまわるもの。いずれの公演も満員御礼の客席とステージが一体となって盛り上がる姿が圧巻だった。そのファイナル公演のコンサートレポートをお届けしたい。

新浜レオンのラッキーカラーであるグリーンのペンライトが客席を彩る中、バンドメンバーの登場に続いて、ステージ中央の最上段に姿を現した新浜レオン。笑顔とパワフルなオーラが輝かしい。そしてコンサートは、2024年末の『NHK紅白歌合戦』でも披露した「全てあげよう」で華やかに幕を開けた。

ドラム、キーボード、ベース、ギターによる迫力の生演奏に乗せて、全身を使い躍動的で情熱的に「全てあげよう」を歌い上げる新浜。曲間には“レオンコール”が沸き起こり、オープニングから会場の熱気は最高潮に。さらに、ドラムセットよりも高い位置にあるステージ最上段からメインステージへ伸びるすべり台状のスロープを下って“膝スラ(膝スライディング )を華麗にキメると、満席の観客が熱狂の渦を描いた。

続いて演奏されたのは、デビュー当時の郷ひろみを彷彿とさせる明るくノリのよいナンバー「くちづけ」だ。客席との息の合ったコール＆レスポンスを繰り広げ、4人のダンサーを従えてステージを縦横無尽に移動しながらの軽快なパフォーマンスで会場を魅了した。さらには、森田公一とトップギャランの「青春時代」のカバーへ。この曲は、新浜が大東文化大学在学中に出場した『ミスター大東コンテスト2017』でグランプリを獲得した際に歌ったという思い出の一曲だ。間奏には、キャッチャーの構えからボールを投げる仕草も交えるなど、甲子園を目指して野球部のキャプテン兼キャッチャーを務めた自身の“青春時代”を重ね合わせるようにノスタルジックなワンシーンとなった。

「ようこそいらっしゃいました！ 初めての全国ツアー、全9ヵ所。おかげさまで全会場ソールドアウトになりました。ありがとうございます！ ダンサー、そしてバンドと力を合わせて全国をまわってきて、今日はその集大成。皆さんと一つになって最高の時間を作りたいと思います。最後までごゆっくりとお楽しみください！」

感謝と意気込みを伝えた新浜は、燃えるような深紅に染まったステージの上で、７thシングル「炎のkiss」を披露した。同楽曲で新たに花開いた男の色気は、スタンドマイクを使ったパフォーマンスによって一層際立ち、“炎のkissを さぁどうぞ”という大人の余裕に満ちた歌声がファンの心を鷲掴みにする。

また、ライブ中盤はカバー曲を連発して年齢層の幅広い客席を盛り上げる。坂本九の「上を向いて歩こう」では、キーボードのコード伴奏と新浜の歌声だけの幕開け。聴き手一人ひとりに寄り添う温もりが感じられた。続くカバーは野口五郎のヒット曲「私鉄沿線」。哀愁を帯びたメロディーラインと一途に彼女を想う歌詞が切なさを際立たせる。また同曲エンディングでは演奏力の高いバンドのソロ回しも聴きどころとなった。

全身真っ赤な衣装に着替えて登場した新浜は、敬愛する西城秀樹の名曲をメドレー形式で熱唱。「情熱の嵐」「激しい恋」、そして「傷だらけのローラ」では曲の世界に深く入り込み、一心不乱に歌い上げる迫真のパフォーマンスで圧倒。「走れ正直者」では4人のダンサーを引き連れて客席へ降りるサプライズも。タオルを振り回しながら場内を練り歩くパフォーマンスに歓声が沸き、会場の熱気はさらに上昇した。

デビュー曲「離さない 離さない」からコンサートは後半戦へ。ダンサーとバンドメンバー一人ずつ順番にマイクを向けてコミニュケーションを取りながら歌を届ける姿に、ツアーを通して築かれた9人の絆と信頼がにじみ出ていたようだ。

「歌っていて、本当に幸せだなと感じています。皆さんに元気なメッセージを届けたいと思っているんですが、「レオンはひとりじゃないよ。いつでも僕たち私たちがいるよ」って言ってくれる皆さんからいつもエネルギーをいただいています。皆さんの応援があってこそです。心より、ありがとうございます。配信をご覧の皆さんにも、このきゅりあんの熱気は伝わってますか？」

と画面の向こうのファンに問いかけるシーンにも客席が大歓声で応える盛り上がり。そして、今回のツアーではコラボコーナーを設けていることを告げた。

「＜ファーストコンサートツアー 〜全てあげよう〜＞では、全国各地のキッズの皆さんや学生の皆さんと一緒に僕の曲でコラボするコーナーを設けています。これまでの8ヵ所で実施してきました。もちろん、東京公演にも素敵なダンススクールの皆さんが駆けつけてくれました。今日は全9公演のなかで最も数の多いダンサーたちです」

小学2年生から22歳までのStudio Paradiseダンススクール生40名をステージに迎え、「捕まえて、今夜。」と「Fun! Fun! Fun!」というアニメ『名探偵コナン』タイアップ曲を披露。ダンサーたちは客席通路に広がり、「捕まえて、今夜。」では“窓ふきダンス”を、「Fun! Fun! Fun!」では“WAKIWAKIダンス”を一緒に踊るなど、笑顔あふれるハッピーな空間に。「みんなでジャンプします！ いくよ、みんな。せ〜の！」という新浜の掛け声で、会場全体が一つになって飛び跳ねる。満面の笑みを浮かべながら「最高でしたー!!」と叫び、本編を締めくくった。

アンコールは、白いパンタロンスーツ姿で再登場。まずは「ジェラシー 〜運命にKissをしよう」へ。緑のペンライトに加え、ジャケット写真の衣装に合わせたピンクの光が左右に揺れる中、心地よいフレーズを響かせながら幸せに満ちた一曲を届けた。

「デビューから6年が経って、今回初めてコンサートツアーで全国をまわらせていただきました。ダンサーやバンドメンバーが力を貸してくれて、僕にとっての新たなスタートとして、かけがえのない時間になりました。今日で今回のツアーが終わってしまうと思うと寂しいですが、来年以降も皆さんを驚かせるようなステージを披露するんだという気持ちでいっぱいです。
　きゅりあん大ホールで、約2年前の2023年11月13日、『NHK紅白歌合戦』に出場できないという知らせを聞いた思い出があります。そのときは＜次世代「神ファイブ」歌謡SHOWスペシャルコンサート 2023・秋＞というイベントに同世代の若手の皆さんと一緒に出演していたのですが、『NHK紅白歌合戦』出場という夢を叶えるためには、素晴らしい仲間のみんなと楽しく活動しているだけではいけない、と強く思ったことを今も忘れません。そして昨年末は、その悔しさをバネに、皆さんの熱い応援のおかげで『NHK紅白歌合戦』に初出場することができました。本当にありがとうございます。でも、そこがゴールではなくて、あの喜びを毎年必ず皆さんに報告したい。今年も『NHK紅白歌合戦』、そして『日本レコード大賞』に出場したいと思っています。これからもよろしくお願いします！」

改めて、客席やスタッフ、ダンサーとバンドに感謝を伝えた新浜。このツアーは『NHK紅白歌合戦』初出場を叶えた喜びとお礼、これからも前進していく決意を全国のファンへ直接伝えに行くための旅でもあったようだ。

「この29年間の全て想い、感謝を込めて、ラストにもう一度歌わせてください」と語った新浜が、ツアーを締めくくったナンバーはツアータイトルでもある楽曲「全てあげよう」。歌い終えると、客席の隅々まで目を向けながら、手を振って一人ひとりに感謝の気持ちを伝えた。晴れやかな笑みを浮かべて、「皆さん、心から感謝しています。ありがとうございました！」と生声で挨拶すると、さらに大きな拍手がステージに降り注いだ。新浜を中心にメンバーが肩を組んで並び、深々と一礼。名残惜しそうに何度も膝スラを披露してファンを喜ばせ、最後はステージ袖へ膝スラで去って行った。

『NHK紅白歌合戦』初出場を祝福するべく、多彩なファンが集った本公演。そのステージをともに作り上げたのは、新浜と同世代のダンサーとバンドメンバーたちでもある。演歌・歌謡曲の魅力を継承しながら、その枠を超えて老若男女を満足させるような“新浜レオンらしさ”が光る唯一無二のステージを確立するなど、あらゆる世代から愛される存在へと進化していることを改めて印象づけたツアーファイナルとなった。

デビューから6年、全力で走り続けてきた新浜は、念願だった初の全国ツアーを全会場ソールドアウトという形で大成功へと導いた。MCの中で「ツアーファイナルだけど、ここからがスタート」と新浜自身も語ったように、その視線の先にはさらなる高みと新たな未来が広がっている。これからも新浜レオンは、その歩みを緩めることなく、ファンとともに次なる夢を追い続けていくに違いない。

取材・文◎牧野りえ

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