緊急来日公演速報! 東京・代々木体育館でメタリカが鮮やかな復活劇
来日中止の知らせに悲しい叫び声を上げ、そしてそれをまた否定する来日公演決定の知らせに喜びを爆発させた日本のファン。待ち焦がれたメタリカの来日公演が本当に実現した。ジェイムズ・ヘッドフィールドは本当に元気な姿を見せるのか、新ベーシストのロバート・トゥルージロのパフォーマンスは、そしてアルバム『ST.ANGER』からの曲はどれくらい演奏されるのか、それぞれの思惑を胸に1万人以上のファンが、東京・代々木第一体育館に集まった。
まだ客電が点いているのに、AC/DCの「IT'S LONG WAY TO THE TOP」が大音量で鳴り響くや、観客はすでに総立ち。そして曲が「ECSTASY OF GOLD」に変わり、突然客電が落ちて場内は暗転する。怒号のような叫びが場内を埋め尽くす。もうこの叫び声だけで耳が麻痺しかけているのがわかる。そして、ここに流れてきたのは「BATTERY」のあのイントロだ。ジェイムズが黒のレスポールでゆったりと現れる。そしてギターのオーバーダブによるイントロが終わった瞬間、変拍子のギターリフが広い体育館全体を揺さぶり、観客がシンバルクラッシュのタイミングで腕を突き出し叫び声を上げ、ヘッドバンギングでそれに応える。重低音と超高音がバシバシに出まくっている音響は身体の芯に響き渡り平衡感覚を奪い去り、バスドラが「バチッ(決してドンッなどという生易しいもんじゃない)」と踏まれると、腕の産毛がザワっと逆立たせ空っぽの胃をズシンと振るわせる。そして「MASTER OF PUPPETS」「HARVESTER OF SORROW」と懐かしい曲が続いていく。
数曲が終わって気がついたのは、ジェイムズが曲間で見せる笑顔のことだ。アルコール中毒の更生施設でリハビリを続けていたというジェイムズ。その経験が彼から破滅的な感性を奪い去ったのだろうか。これまでは、観客を獣の視線で睥睨するように見下ろし、一人一人を射抜くような視線を飛ばしていた彼の姿はメンバーの中で一番変わった。
ジェイムズのある意味での変貌と新メンバーのロバートの加入により、今までにない魅力を放ちながらコンサートは続いた。酸欠で胸が苦しくなり耳が麻痺してきたころ、テープでのイントロに続いて「BLACKEND」が演奏され、高速のギターリフに頭の中を引っかきまわされる。この完璧なブレイクの快感、これこそがメタリカの魅力なのだ。そしてコンサートは終了し、アンコールへと続いた。
メタリカは復活した。公演中止という不吉なニュースに翻弄され来日が再決定してもまだぬぐいきれなかった不安はもうない。王者はどこまでも己が信じる道を突き進んで行くことを誰もが確信した夜だった。
このコンサートの詳しいレポートと写真はまた後日、別枠で掲載します。お楽しみに。
演奏曲目
11.06 @代々木第一体育館BATTERY
MASTER OF PUPPETS
HARVESTER OF SORROW
WELCOME HOME (SANITARIUM)
FOR WHOM THE BELL TOLLS
FRANTIC
SAD BUT TRUE
ST. ANGER
NO REMORSE
SEEK & DESTROY
BLACKEND
アンコール
FUEL
NOTHING ELSE MATTER
CREEPING DEATH
ONE
ENTER SANDMAN
LAST CARESS (MISFITS COVER SONG)
MOTORBREATH
まだ客電が点いているのに、AC/DCの「IT'S LONG WAY TO THE TOP」が大音量で鳴り響くや、観客はすでに総立ち。そして曲が「ECSTASY OF GOLD」に変わり、突然客電が落ちて場内は暗転する。怒号のような叫びが場内を埋め尽くす。もうこの叫び声だけで耳が麻痺しかけているのがわかる。そして、ここに流れてきたのは「BATTERY」のあのイントロだ。ジェイムズが黒のレスポールでゆったりと現れる。そしてギターのオーバーダブによるイントロが終わった瞬間、変拍子のギターリフが広い体育館全体を揺さぶり、観客がシンバルクラッシュのタイミングで腕を突き出し叫び声を上げ、ヘッドバンギングでそれに応える。重低音と超高音がバシバシに出まくっている音響は身体の芯に響き渡り平衡感覚を奪い去り、バスドラが「バチッ(決してドンッなどという生易しいもんじゃない)」と踏まれると、腕の産毛がザワっと逆立たせ空っぽの胃をズシンと振るわせる。そして「MASTER OF PUPPETS」「HARVESTER OF SORROW」と懐かしい曲が続いていく。
数曲が終わって気がついたのは、ジェイムズが曲間で見せる笑顔のことだ。アルコール中毒の更生施設でリハビリを続けていたというジェイムズ。その経験が彼から破滅的な感性を奪い去ったのだろうか。これまでは、観客を獣の視線で睥睨するように見下ろし、一人一人を射抜くような視線を飛ばしていた彼の姿はメンバーの中で一番変わった。
ジェイムズのある意味での変貌と新メンバーのロバートの加入により、今までにない魅力を放ちながらコンサートは続いた。酸欠で胸が苦しくなり耳が麻痺してきたころ、テープでのイントロに続いて「BLACKEND」が演奏され、高速のギターリフに頭の中を引っかきまわされる。この完璧なブレイクの快感、これこそがメタリカの魅力なのだ。そしてコンサートは終了し、アンコールへと続いた。
メタリカは復活した。公演中止という不吉なニュースに翻弄され来日が再決定してもまだぬぐいきれなかった不安はもうない。王者はどこまでも己が信じる道を突き進んで行くことを誰もが確信した夜だった。
このコンサートの詳しいレポートと写真はまた後日、別枠で掲載します。お楽しみに。
演奏曲目
11.06 @代々木第一体育館BATTERY
MASTER OF PUPPETS
HARVESTER OF SORROW
WELCOME HOME (SANITARIUM)
FOR WHOM THE BELL TOLLS
FRANTIC
SAD BUT TRUE
ST. ANGER
NO REMORSE
SEEK & DESTROY
BLACKEND
アンコール
FUEL
NOTHING ELSE MATTER
CREEPING DEATH
ONE
ENTER SANDMAN
LAST CARESS (MISFITS COVER SONG)
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