エミネム、興奮の幕張メッセ ライヴ・レポート

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エミネムがここ日本で大きな記録を作った。映画『8マイル』サウンドトラックがオリコン・アルバムチャートで1位。同アルバムからのシングル「ルーズ・ユアセルフ」もシングル・チャートで1位。そして、映画『8マイル』も映画興行ランキング(日刊興行通信調べ)で1位を獲得したのである。もちろん、数字だけが全てではないが、ちょっと前まで日本の音楽シーンの中で、洋楽、それもヒップホップの占める地位は決して高いものではなかった。そんな中、社会現象とまでなったエミネムの魅力のヒミツを探ろう!


●オービー・トライス、50セントらも出演のオール・スター・キャスト 5/23 幕張メッセ

現在、世界のヒップホップ界最大のスーパースター、エミネム。政治家からセレブ、そして自分の母親までを天才的な話術でこき下ろし、アメリカの狂気じみた日常を徹底的にあぶり出す。そんな特異なキャラクターゆえ、2000年頃から既に欧米では大スターだった彼だが、ここ日本においても、先日公開された半自伝映画『8マイル』で人気が爆発!これまで「エミネムなんて?」と穿った見方をしていた人たちも、黒人中心のヒップホップの社会を白人ながら実力で勝ち上がった彼のラッパーとしての真の実力をド迫力で見せつけられ、改めてノックアウト。これにより『8マイル』のサントラは見事オリコン第1位。日本列島はたちまち“エミネム・シンドローム“に包まれた。

ステージには、3rdアルバム『エミネム・ショウ』のアートワークにも似た、巨大な遊園地のようなセットが。その観覧車の中から、エミネムは割れんばかりの大歓声の中、颯爽と登場。大スターとなってもストリートにいた頃と何ら変わらない等身大のヒップホップ・ファッションに身を包んだエミネムの甘いマスクがステージ上のワイド・スクリーンに映し出されると、広大なフロアからは「キャアアアア!!!!」という怒号のような黄色い歓声が。そして、タフなB-ボーイ風の出で立ちの男たちも熱いエールを送っていた。

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今回のフジロックにおいて、世界的な視点で見ても圧倒的に注目の存在は、やはりお騒がせ白人ラッパー、エミネムだ。日本ではまだ彼の世界的な人気と評価を実感できていないようだが、今の彼を取り巻く世界のマスコミの騒ぎようは、'80年代におけるマドンナやプリンス並みと言って何ら過言ではない。アルバム「マーシャル・マザーズLP」の全世界で1000万枚を超えるセールスは言うに及ばず、ゲイ差別、ドラッグ、暴力にまみれたリリック(歌詞)やブリトニー・スピアーズ、イン・シンク、フレッド・ダースト(リンプ・ビズキット)に対する強烈な貶し文句の数々。さらに、私生活での妻や母親との間に繰り広げられるお家騒動など、やることなすことが全てゴシップ・ネタとなってしまうトラブル・メイカーぶり。

●そもそもエミネムってどんな人?
 最近知った人はこちら! 詳しいプロフィールはこちらです

エミネムという存在の受け止められ方。おそらく普段「アメリカの狂気を描いた歌詞が」うんぬん伝えられてばかりの日本人からするとすごくシリアスなものとして伝わっているのかもしれない。

しかし実態から言ってしまえば、彼の人気は普段バックストリート・ボーイズやブリトニー・スピアーズを聴いているようなアイドル好きのローティーンの女のコたちのアイドルであり、リンプ・ビズキットやキッドロックがクールだと思うこれまたローティーンの男のコたちの理想のロックのアイドルと果てしなく同列のものである。
なお、記事全文は音楽情報サイトBARKSに掲載中!
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取材・文●沢田太陽
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