ジャム・マスター・ジェイの初の伝記本が発売される

Run-D.M.C.のDJ、故Jam Master Jayの生涯をつづった初めての伝記本『Jam Master Jay: The Heart Of Hip-Hop』が、４月１日に書店の店頭に並んだ。著者はDavid E. Thigpenで、Pocket Books社刊。

ThigpenはJam Master Jayを、豊かな心を持った寛大で家族的な人間として描いており、殺された彼について異なった描き方をするメディアのやり口には批判的だ。作品のベースになっているのは、Jayの友人や仕事上の関係者とのインタヴュー、そしてJayが殺害される以前に数回行なわれたRun-D.M.C.とのインタヴューである。

ThigpenはChicago Tribune紙にこう語っている。「今日のメディアはあまりに性急だ。何につけてもニュースの入れ替わるサイクルが短すぎて、書き手は物事の細部を観察する時間もなければ、ニュアンスを読み取ったり、何が起こったのかを把握したり、そもそもJayとはどんな人物だったのかを追求したりする時間もない」

さらに彼はこう続けている。「すでにある種のカテゴリーが出来上がってたんだ。“ラッパーがまたひとり死亡”って具合にね。メディアは彼をそこに押し込んだに過ぎなかった。最低だよ。彼にとって本当にひどい仕打ちだったと思う」

Jam Master Jayは'02年10月30日、ニューヨーク、クイーンズのレコーディングスタジオで殺された。犯人はまだ見つかっていない。

Yves Erwin Salomon, NY (C)LAUNCH.com