シリアスな前作から、よりパーソナリティ全体を反映した2ndへ

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シリアスなデビュー作から、よりパーソナリティを反映した2ndへ


「“Right Thing”みたいな曲はさー、みんなを笑わせてみたかったんだよ」

最新アルバム

The Private Press
ユニバーサル ミュージック
2002年5月29日発売
UICI-1017 
2548 (tax in)

1 The Letter From Home
2 Fixed Income
3 Un Autre Introduction
4 Walkie Talkie
5 Giving Up The Ghost
6 6 Days
7 Mongrel...
8 ...Meets His Maker
9 Right Thing/ G D M F S O B
10 Monosylabik
11 Mashin' On The Motorway
12 Blood On The Motorway
13 You Can't Go Home Again
14 The Letter From Home #4
15. Flashback *
16. Dark Days (Main Theme) *

* 日本盤ボーナストラック

DJ ShadowやJurassic 5絡みのレア音源集!

SAMPLING AREA』 V.A
Flavour 2002年06月19日発売
FVCK-80159 2,520(tax in)

1 Blackalicious / Alphabet Aerobics
2 Starring Quanum MCs&Souls of Mischief /
The Extravaganza
3 Divine Styler and Dj Shadow / Divine
Intervention

4 Divine Styler / Microphenia
5 Latyrx / Storm Warning
6 Major Force West / The Re-Return
of The Original Art Form
7 Divine Styler / Nova
8 Blackalicious / Cliff Hanger
9 Madlib / 6 Variations of In The Rain


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FUJI ROCK FESTIVAL'02 出演
7.27(SAT)

【RED MARQUEE】
深夜00:45 ~ 02:15
(時間は前後する場合があります)

FUJI ROCK FESTIVAL '02の
その他の出演者はコチラ

ベテランとニューカマーが混在するステージ
タイムテーブルから見どころを探せ!

DJ Shadowが'96年に発表したカット・アンド・ペーストの傑作『Endtroducing』を言葉にしようと、人々はありとあらゆる形容詞を投げ掛けてきた。催眠的、幽玄、陰鬱、この世のものではない、といったような。

そうした語彙の山に、決して加えられることのなかった定義のひとつは“楽しいこと好き”である。だが、それこそが、大きな影響力をもったデビュー作に続く待望のセカンド『The Private Press』で、DJ Shadowが少なからず反映させるべきだと決断した彼自身の性格の一面なのだ。

このレコードにとりかかって最初の数カ月に、自分ではいくつか良いデモができたと思ったんだけど、その多くはちょっと暗くてスローテンポのものだった。それで“ちょっと待てよ、1日中そんな気分ってわけでもないよな”って考えるようになったんだ」と、Shadowこと28歳のJosh Davisは説明する。「俺のパーソナリティ全体が確実に表現されるようにしたくなった。だって幅広いムードを反映したアルバムが好きだからね

ということは『Endtroducing』の陰鬱なブレイクビートのシンフォニーを好むファンは、今回の『The Private Press』でも「Blood On The Motorway」やMassive Attackスタイルの「The 6 Day War」のように、お気に入りの曲を数多く見つけることができそうだ。だが、そんな彼でも、タイトルのフレーズを繰り返す英国人の声で組み立てられたイカレたエレクトロ「Right Thing/GDMFSOB」や、Shadowによるインストルメンタル・フロウがゲストMCのLateefと怒り狂ったドライバーのサウンドによって中断される「Mashin' On The Motorway」には驚かされるだろう。

つまり“Right Thing”みたいな曲はさー、みんなを笑わせてみたかったんだよ」とShadowは認める。「ちょっとマヌケな感じで

Shadowを北カリフォルニアの無名アーティストから国際的な最先端DJへと飛躍させたアルバム『Endtroducing』では、彼のこうした明るい側面に十分な光が当たることはなかった――とはいえ実際には過去6年の間、彼はDJ仲間のCut Chemistとコラボレートしたファニーでファンキーな2枚のミックス作品で、それを表現しようとしていたのだ。そんな中で、Shadowが決して時間を費やさなかったのが、『Endtroducing』の後に雨後の筍のように現れた多くのカット・アンド・ペースト作品の調査である。「みんな言うんだ、“おい、これ、お前の曲みたいな音だな”ってね。俺は“そうじゃないだろう!”って思ったけどな」と彼は笑いながら言う。

しかし、彼は2枚のアルバムの合い間に、オールスターによるUnkleプロジェクトでRadioheadのThom Yorkeや元Verveのシンガー、Richard Ashcroftと共演したほか、ニューヨークの地下で生活するホームレスの人々を描いたドキュメンタリー映画『Dark Days』のサウンドトラックに曲を提供するなど、より親しみやすく、よりムーディな分野へも探求の手を伸ばしていた。

Shadowが自らの個性を主張する手法のひとつに、ブレイクビーツを再構築して“芝居がかっていて熱狂的”な、とてつもなくリアルなドラムパターンがある。このスキルはニューアルバムでも、パーカッションのショウケースのような「Giving Up TheGhost」で披露されている。

あれはたぶん、俺が腰を据えて“これまでの自分を凌駕したいんだ”と頑張った唯一の曲だろうね」と彼は明かす。「とは言うものの、たくさんの人たちがそれを俺に期待していることは分かってたから、多くの曲でやりたくはなかったんだ

その代わりにShadowは、創造性をキープするための別の方法を見つけ出した。「Monosyllabic」で彼は、単一の2小節ループから曲全体を作り上げるという縛りを課している。「最後のほうではありとあらゆる手段を使って、何らかの新しいテクスチャーをクリエイトしようとしたよ」と彼は回想する。「だけどアルバムをキックスタートさせるような曲が欲しかったから、まさにぴったりの仕上がりになった

DJの人気が爆発的に高まるのにともなって、Shadowのような長年のアナログ・ハンターはレアなレコードを手に入れるために厳しい競争を余儀なくされるようになってしまった。彼は「Blood On The Motorway」のバックボーンになった'82年の題名のないノー・ウェイヴのシングルのように、未踏の領域にまで深く深く潜り込むことで報われたのである。

ジャケットには“Number 321 of 500”って書かれてただけ。だからサンプルの権利をクリアしようと、さんざん苦労してやっとその男を見つけたんだよ」とShadowは笑う。「普段は簡単なルートで手に入るレコードを使うのが好きなんだけど、今度ばかりはハードルを高くしてみようと思ったんだ!

By Dan Leroy (C)LAUNCH.com

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