『ベター・デイズ』 Zomba Records Japan ZJCI-10048 2,400(tax in) 2001年12月19日発売
1 レッツ・ステイ・ホーム・トゥナイト 2 ベター・デイズ 3 ホワット・イフ・ア・ウーマン 4 アローン 5 イズント・ディス・ザ・ワールド 6 ゲットー・チャイルド(フィーチャリング・シャギー) 7 アイ・ライク・セクシー・ガールズ 8 ヒア・シー・カムズ 9 ラヴァーズ・プレイヤー 10 チェンジド・マン 11 アイ・アンダースタンド 12 シー・ユースト・トゥ・ラヴ・ミー 13 ワールド・オブ・ガールズ 14 レッツ・ステイ・ホーム・トゥナイト(リミックス・フィーチャリング・ピティ・パブロ) 15 イット・ウォウント・エンド (ボーナス・トラック)
| 『My Name Is Joe +』 Zomba Records Japan ZJCI-10030 2,400(tax in) 2001年06月27日発売 1 イントロ(マイ・ネーム・イズ・ジョー) 2 サムバディ・ガッタ・ビー・オン・トップ 3 スタッター 4 テーブル・フォー・ツー 5 アイ・ワナ・ノウ 6 トリート・ハー・ライク・ア・レディー 7 ゲット・クランク・トゥナイト 8 563(ジョー) 9 ピープ・ショー 10 ワン・ライフ・スタンド 11 ブラック・ホーク 12 アイ・ビリーブ・イン・ユー 13 ソー・ビューティフル 14 サンク・ゴッド・アイ・ファウンド・ユー (メイク・イット・ラスト・リミックス・エディット) 15 スーン・アズ・アイ・ゲット・ペイド(ボーナス・トラック) 16 アイム・ミッシング・ユー(ボーナス・トラックス) 17 スタッター -ダブル・テイク・リミックス・フィーチャリング・ミスティカル(ボーナス・トラック) 18 アイ・ワナ・ノウ(ザ・ロニ・リミックス)(ボーナス・トラック) 19 アイ・ワナ・ノウ(パット・バット・リミックス)(ボーナス・トラックス)
| 『オール・ザット・アイ・アム』 Zomba Records Japan ZJCI-10010 2,345(tax in) 2000年11月08日発売
1 オール・ザ・シングス(ユア・マン・ウォント・ドゥ) 2 ラヴ・シーン 3 ドント・ワナ・ビー・ア・プレイヤー 4 グッド・ガールズ 5 ハウ・スーン 6 サンクティファイド・ガール 7 オール・ザット・アイ・アム 8 ノー・ワン・エルス・カムズ・クロース 9 カム・アラウンド 10 ユー・シュダ・トールド・ミー 11 ラヴ・ドント・メイク・ノー・センス 12 ノー・ワン・エルス・カムズ・クロース(アンプラグド) 13 オール・ザ・シングス(インストゥルメンタル) 14 ドント・ワナ・ビー・ア・プレイヤー(ビッグ・ベイビー・リミックス)
| 『Everything』 Mercury 518016 1993年07月20日発売
1 The One For Me 2 I'm In Luv 3 All Or Nothing 4 It's Alright 5 If Loving You Is Wrong 6 What's On Your Mind 7 Finally Back 8 Get A Little Closer 9 I Can Do It Right 10 Everything 11 Baby Don't Stop
| Joe ~better days ジャパン・ツアー2002~ |
@新宿LIQUIDROOM
5月27日(月) 28日(火) 29日(水) 31日(金)
Open/Start:19:00/20:00 ADV:¥8,000 | | 紆余曲折を経て成功の頂点を極めた正統派R&Bスター Joeはライバルたちを徹底的に怒らせたに違いない。
他の男性R&Bシンガーがダンスのリハーサルやジムで洗濯板のような腹筋を鍛えるのに時間を費やして、ミュージック・ビデオでヒップかつセクシーに映るように努力しているのに対して、Joeはひたすら優れた楽曲を一貫した基準で作り続けているだけなのだ。これこそが彼にとっての成功の秘訣であり、多くのR&Bスターの巧妙なマーケティング・キャンペーンよりもシンプルなアプローチであると同時に、より効果的な手法でもある。 4枚目となるアルバム『ベター・デイズ』でJoeはまさに自己ベストを更新したと言えるだろう。「ラヴァーズ・プレイヤー 」や「ワールド・オブ・ガールズ」といったスムースで誘惑的なバラード、示唆に富む「ホワット・イフ・ア・ウーマン」、そしてメロウなファンクナンバーの「チェンジド・マン」などの4曲に限らず、新たなトラックはいずれも直ちに名曲の仲間入りを果たしたも同然。2~3曲の当たり障りのないシングルのコンスタントなラジオプレイが、リスナーを屈服させたという理由だけで寄せ集めのアルバムが売れる時代に、『ベター・デイズ』は強力でソウルフルなハイライト曲が次から次へと登場する希有なアルバムに仕上がっている。 「社会問題を大きく扱ったアルバムを作りたかったんだ」とJoeはマンハッタンのレストランでメキシコ料理のビーフトルティーヤを食べながら語る。
「タイトル曲の“ベター・デイズ”はこのアルバムのために最初に書いた曲だ。“アイ・アンダースタンド”は虐待されている女性についての歌、“ゲットー・チャイルド”(Shaggyとハーレム少年合唱団をフィーチャー)は何者かになろうと苦闘するゲットーの子供たちの歌なのさ。このアルバムは俺にとってのMarvin Gayeの『What's Going On』なんだよ。シングルの“レッツ・ステイ・ホーム・トゥナイト”は間違いなくMarvin風の音楽スタイルを持っているし、俺は彼の音楽を聴くことで多くを学んできた。シンプルさ、コントロール、それに彼が音楽に注ぎ込んだソウルをね」 Marvin Gayeと同様に“コンセプト”的な曲を作ろうとするJoeの志向は、その舞台がストリートであれベッドルームであれ、彼に当代きってのR&B詩人の一人という印象をもたらした。Joeは新曲の一つで注目を集めている歌詞について語る。
「“ホワット・イフ・ア・ウーマン”はたいていの男性が考えたことのあるテーマなのさ。つまり、みんなは俺がこの曲を書いたことに怒るだろうが、男は誰でも“自分たちがやってきたことを女性がやったらどうなるだろう?”って考えたことがあるんだ。例えば女性が男性を妊娠させて、“これは私の子供じゃない”って言ったら? この曲は女性たちに大受けすると思うな」 「“チェンジド・マン”のコンセプトも気に入っているよ」 彼は歌詞の一部を口ずさみながら誇らしげに続けた。
「<プロジェクトからハリウッドまで/死刑囚監房からホワイトハウスまで/ポン引きから牧師まで/悪から善まで>。俺はいつでも自分の歌詞を目立たせることにプライドを賭けているけど、この曲の出来には本当に満足しているんだ」 ニュージャック・スウィングのヒット曲「I'm In Luv」をフィーチャーしたJoeの'92年のデビューアルバムは、最新作と比べればはるかに遠い位置にある。現在の彼はレイドバックしたソウルフルなミッドテンポのバラード歌手として広く知られているが、当時は完全にダンスフロアに焦点を当てていた。こうした方向転換の理由は何なのか? 「(パロディ映画『Don't Be A Menace To South Central While Drinking Your Juice In The Hood』のサウンドトラックからの)“オール・ザ・シングス”は俺が自分で作った最初のヒットだけど、これで聴衆がメロディックな曲を聴きたがっているという事実に開眼することができたんだ」とJoeは説明する。
「そのおかげで現在やっているスタイルを決めることができたのさ。だって以前はまるで糸口がつかめなかったからね」 Joe(本名:Joe Lewis Thomas)はアラバマ州オペライカで生まれ育ち、2人の牧師の息子として教会で確固とした音楽的な基礎を培った。その後ニュージャージー州に移ることを決意した彼は、音楽への夢を追求しながら友人たちと共同生活を送るが、その実現までにたいした時間はかからなかった。まもなく彼はZomba Musicと出版契約を、Mercury Recordsとソロアーティスト契約を結ぶことに成功したのである。現在Joeはニュージャージー州サドルリヴァーにあるフェラーリとベントレーをとめる駐車場付きの邸宅で快適に暮らしている。 「もちろん出版契約はその後で再交渉したけどね」とJoeは笑う。 「当時の契約額は4万5,000ドルだったけど、3分割しなきゃいけなかったから、1万3,000~4,000ドルずつ受け取っていたんだ。それでもベンツを買いに出かけることはできたぜ。自分が買える一番小さな中古の190Eだったけど、18歳だった俺は天にも昇る気分だったよ! 近所のリッチガイってわけさ」 その出版契約を再交渉して以降は、必ずしもJoeにとって良いことばかりでも、大儲けするばかりでもなかった。元マネージャーでもあったガールフレンドとの関係が'96年には厳しい状態になった。'94年にMercury Recordsとの契約を解除するために破産申請したJoeは、彼女の名義で車と家とレコーディングスタジオを購入していた。そのため彼が関係の終了を決断したとき、彼女がすべてを持ち去り、Joeはヒット曲を放ちながらも友人宅のソファで眠らざるを得ないという不安定な状況に置かれていたのだ。 だがJive Recordsからの最初のアルバム『オール・ザット・アイ・アム』を'97年にリリースしてからは、物事は再び上向き調子になっていった。このアルバムはRodney Jerkinsプロデュースによるヒット「ドント・ワナ・ビー・ア・プレイヤー」および、今は亡きラッパーBig Punisherとの同曲のヒップホップ・リメイク、さらにはChico DeBarge(「No Guarantees」) やCase(映画「Rush Hour」サウンドトラックからの「Faded Pictures」)とのデュエットをフィーチャー。これが将来の成功への道を開くことになり、「アイ・ワナ・ノウ」「トリート・ハー・ライク・ア・レディー」「スタッター」といったヒット曲を含む2000年の次作アルバム『My Name Is Joe』につながったのである。 「『My Name Is Joe』は大きな転機だった」 家族を経済的に支え、自分だけでなく両親や兄弟のために不動産や車を買うという目的を果たしたJoeは強調する。
「おかげで経済的な面でもネクスト・レベルへとステップアップすることができたよ。たくさんのものを買えるようになったしね。でもアーティストとしては危険な面もあるんだ。大金を持つのに慣れていないのに突然儲かるようになると、大盤振る舞いを始めてしまうんだけれど、ずっとそんなに稼ぎ続けることができるという保証はまったくないのさ。俺が学んだのはそのことだよ。現実には結局のところ俺は以前と同じ人間なんだし、一度犯した失敗と同じような状況に陥ってしまう可能性はあるからね。その教訓が俺を理性的にしてくれるんだ」 厳しい労働倫理観を持つJoeは、成功に決して安住しないということを学習した。「アイ・ワナ・ノウ」の出版印税だけでも35万ドルという膨大な金額がもたらされる(だって、あの曲は2年間もへヴィーローテーションでプレイされてるんだ!)にもかかわらず、Joeは自分の名声がその最新ヒットだけによるものだということを認識している。だから彼は毎日のように自分の技量を磨き続けることが重要だと力説し、最新アルバムではほとんどすべての演奏パートを自分でこなすという大胆な試みを行なったのである。 「一貫性を保つことが大切だと思ったからさ」と語るJoeが最初に覚えた楽器はギターだった(「ちょっとした名手なんだぜ、Wyclefをビビらせるくらいにはね!」)。「眠りこけている暇はないんだ。今こうしている間にも、小さな8トラックレコーダーとドラムマシーンを備えた小部屋に引きこもって、大変な努力をして素晴らしいトラックを作り上げている連中がいるのさ。俺はハードワークを続けて、優れた本物の音楽を作っている限り、生き残ることはできるだろう」 Joeの生産能力の高さ(アルバム間のインターバルはわずか18カ月)は、どうしても作品の供給過剰という結果を招く。そのうえ彼自身は必ずしも積極的にアプローチして他のアーティストに作品を提供しているわけでもないのに、結果として向こうから求められるケースは多い。 「Babyfaceはダイレクトに俺のところに話を持ってきたのさ。それでグレイテスト・ヒッツのアルバム用に1曲書いてプロデュースしたんだ。これは俺にとっては大偉業だったよ。だってBabyfaceがJoeの作曲とプロデュースで新曲を録音するなんてことは、これっぽっちも想像したことがなかったからね」 Caseの最近のナンバー1ヒット「Missing You」も、もう少しでお蔵入りしそうだったJoeのコラボレート作品である。
「元々は自分の前のアルバムのためにアトランタで(共作者の)TimやBobと作った曲だったんだ。でも奇妙なことにレコード会社が俺のアルバムに使うのを嫌がったのさ。俺のやりたい曲だったから、うんざりしたけどね! 俺はラジオを聴いているし、批評家やファンの意見も聞いているのに、オフィスのデスクにふんぞりかえったお偉方が、これは良いとか良くないとか決めてしまうんだよ。侮辱だよな。レーベルで評価に値する意見を持っているスタッフはごくわずかなんだ。残りの連中は、意思決定ということに関しては、資格を疑わざるをえないね。ヤツらはR&Bミュージックを、ストリートの音楽を本当に分かっているんだろうか? つまり街角の人々、床屋やヘアサロン、ネイルサロンにいる人たちや車でドライヴしている人たちが耳を傾ける音楽のことを」 たとえレコード会社幹部の無能さがJoeの顔から微笑みを消し去ったとしても、アトランタで母親と暮らす10歳の娘のことに話が及ぶと、彼は直ちに笑顔を取り戻した。 「父親であるというのは素晴らしいことだ。彼女は俺の親友なんだよ。俺たちは一緒に出かけたり、ふざけあったりしているけど、彼女の友だち、あるいはいわゆる友人たちは、俺が彼女の父親だという事実に熱中しているみたいだね。この間の晩も一緒にショッピングモールに出掛けたら、彼女の友だちが周りに“ほらほら、Joeが来たわよ!”って言いふらしてるのさ。たぶん俺が追いかけられるのを見て興奮するのが楽しいんだろう。でも、娘がいてくれるおかげで俺は地に足を着けて頑張れるんだ。だって私立の学校に通わせなくちゃいけないからね!」 By Jeff Lorez/LAUNCH.com | |