エルトン・ジョン、米議会でエイズと闘うための資金援助を緊急提唱

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Elton Johnが4月11日(木)、米議会で宣誓証言を行ない、合衆国はHIVとエイズの世界的な広がりと戦う力がある限り、すべてのことをする義務があると米上院議員らに語った。

Johnは、Ted Kennedy上院議員(民主党マサチューセッツ州出身)が議長を務める上院の衛生、教育、労働および年金委員会を前に登場。Hillary Rodham Clinton上院議員(民主党ニューヨーク州出身)もまた、Capacity To Care: In A World Living With AIDS(介護の力:エイズと共に生きる世界で)と題された聴聞会で、民主党員のひとりとしてJohnを歓迎した。Clintonはスピーチの冒頭で「Kennedy議長にお尋ねします。ピアノを中に入れて、彼が証言を歌えるようにできないでしょうか」と気の利いたジョークを言い、「そうするには間に合いませんでしたが、次の機会にできるかもしれませんね」と笑顔で語った。

Johnは、発展途上国のHIV予防とエイズ治療プログラムへのさらなる資金援助を合衆国に依頼した。Johnは次のように説明している。「もし合衆国が“我々には行動を起こす道義的な義務がある”と言えば、他の大国があとに続くでしょう。僕は政府を学んでいるわけでありませんが、Pennsylvania Avenueには両端に2つの場所があることを知っています。資金をコントロールしているのはこの場所です。あなた方が通さないものに大統領は署名できません」

Johnの登場は、議会が地球規模のエイズ救済資金の中の5億ドルを、現在のテロ戦争への資金援助となる緊急費用に追加するという提案の検討と重なった。Johnは、アメリカには地球上でエイズと戦うための必要資金を提供する財源があると語り、その資金を使用するよう委員会に嘆願した。「議長殿、そして委員会のメンバーのみなさん、合衆国政府にはエイズと戦う新たな資金の最も大きな財源があるのです。4000万人がエイズに感染し、毎日8000人が死に瀕しています。アメリカにはこの伝染を食い止める力があります。どうか食い止めてください」

Elton John AIDS Foundationの創始者であり会長のJohnは、この問題の重要性について率直に委員会に語った。「議長と委員会のメンバーのみなさん、僕たちには共通のものがあります。あなた方と僕にです。僕たちは皆、ステージにいて、観衆の叫び声を聴いています。僕の仕事では、もし終わらせたくなければ、もう少しアンコールをして、そのまま続けることができます」「しかし、もうすぐ照明がつき、観衆は列を成して会場を後にし、みんな家に帰ります。そして僕たちは沈黙の中に残され、今していることが本当に世界を変えるのだろうかと自分自身に問いかけるのです」

Johnはまた、12年前の4月8日に彼の友人、Ryan Whiteが若くしてエイズで亡くなったと述べ、黙祷を捧げた。Whiteは汚染された輸血によってエイズに感染。非常にオープンに勇気をもって闘った彼を通じて、人々のエイズについての学習と理解を深めた。

Johnは次のように語る。「Ryanが亡くなる直前のことをよく覚えています……僕は集中治療室の中でRyanの母Jeanneと共に彼のベッドサイドに座っていました」「Ryanは昏睡状態に陥りました。Jeanneは僕の顔に涙が流れ落ちるのを見て、こう言いました。“どうしたの?”。それで僕はこう答えたのです。“僕たちがどんなにお金を積んでも、未だに彼の命を取り戻すことはできないんだ”」

「Ryanは僕を動かしただけではなく、この委員会をも動かしました。エイズに対するこの国の最初の大きな反応は……Ryan White Care Act(介護法)の整備でした」「その努力に感謝します。現在、HIV/AIDSに感染しているアメリカ人の大部分は介護と治療を受けることができます。これはあなた方が行なった非常に道義的で高貴なことです。民主党員と共和党員が力を合わせたのです。そして、協力すれば、苦しんでいる人々に希望と救済を与えることができるのです」

Johnは次のように締めくくった。「アメリカは人々のために行動しているから、強くなりました。アメリカが他の人にしていることが、アメリカを偉大にさせているのです。エイズを撲滅させることで、アメリカは世界でもうひとつの大きな勝利を勝ち得ることでしょう」

Jason Gelman, New York LAUNCH.com
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