力強い第一歩を踏みしめた未来への可能性

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力強い第一歩を踏みしめた未来への可能性

デビュー前でこれだけ表情豊かな歌を…


2001.10.18@代々木公園

1. Intro~New Generation (new version)
2. I Got A Name
3. Rewind (piano version)
4. Magical Hystery Tour
5. Long Train Runnin'(Doobie Brothersのカヴァー)
Encore 交差点


1st single

「交差点」

Sony Records International SICL-7
2001年11月21日発売 1,223(tax in)

1交差点
2MAGICAL HYSTERY TOUR
3I GOT A NAME
4交差点(Instrumental)


注目!!

11/21 20:30~から、
http://www.mfujioka.com/にアクセス!

この日の代々木野外ライヴの映像公開のインターネットライヴと、藤岡くん自身が参加するチャット・サイトがオープンします!
さっきまで降っていた雨も幸いライヴが始まる1時間くらい前にやんでいた。が、風は冷たい。めっきり秋も深まって、あたりの木々もかすかに色づき始めていた。決して野外ライヴに最適のコンディションとは言えないが、それでも熱心なファンがたくさん詰めかけていた。

10月18日、代々木公園野外ステージでの藤岡正明のフリーライヴ。

午後7時をまわってすぐに、まずギター、ベース、キ-ボード、ドラムスという4人編成のバンドのメンバーが登場し、ゆったりと演奏を始めた。その緩やかなグルーヴに乗って、藤岡正明が体を揺らしながら、登場して歌い出す。

オープニング・ナンバーは「New Generation」。彼が中3の時に作ったナンバーだという。<
一緒にドアをあけよう>という言葉などはこれからデビューしていく彼自身の状況とも重なって聞こえてきた。歌詞を大切にして歌っていく姿が印象的だった。彼の独特の柔らかな声の魅力も十分に感じた。ただし、さすがに出だしはやや硬めだった。緊張感が漂っていた。

いっぱい曲、いい音楽を楽しんでほしいです」というMCを挟んでの2曲目はジム・クロウチの「I Got A Name」のカヴァー。

カヴァーと言っても、彼自身が日本語詞をつけていて、歌の世界を彼自身の気持ちにグッと近づけていた。音楽をやり続けていくんだという彼の意志が伝わってくるようだった。柔らかさの中に芯があって、彼のシンガーとしての魅力も伝わってきた。このあたりから少し彼も落ち着いてきたようだった。

3曲目はピアノで始まった「Rewind」。物語性のある歌の世界を多彩な歌声でゆったりと表現していく。ただし、もうちょっと抑えた歌い方の中から感情がにじむような表現方法を身につけていくと、より深い説得力が出てくるのではないか、という印象も受けた。

続いての「Magical Hystery Tour」ではリラックスした雰囲気の中で、アコギを弾きながらの歌。

デビュー前にみんなの前に立てて、こうやって応援してくれる人がいることを、僕の中ですごく誇りに思います。ありがとう。僕も色々な意味で成長し、いい音楽を届けていきたいと思います」というMCからは彼の真っ直ぐな人柄が伝わってくるようだった。

続いてのドゥービー・ブラザーズのカヴァー曲「Long Train Runnin'」が本編の最後の曲。バックのファンキーな演奏の中でのノリのいい歌を展開。後半はフェイクの連続での熱唱に観客も盛りあがっていた。本編はわずか5曲だったが、その中でも彼のシンガーとしての色々な要素は見えてきた。

アンコールではデビュー・シングルの『交差点』を披露した。暖かみのある歌声が秋の夜空に響き渡っていく。体全体でスケールの大きな歌の世界を表現していく。観客も彼の歌声に聴き惚れていた。

あっという間のステージ。正直言って、まだ足りないところもたくさんあると思った。歌の中に気持ちをこめていこうとする彼の意志ははっきり見えてきたけれど、その歌を観客に向かって発していく部分では物足りなさも残った。どう伝えていくか、という点では課題もあると感じた。が、デビュー前でこれだけ表情豊かな歌を披露したところはさすが。藤岡正明というアーティストの可能性の大きさが見えてきたことも確かだ。彼の真っ直ぐな魅力も伝わってきた。課題があるということは、まだまだ大きくなっていく余地がたくさんあるということでもある。

彼がこの日、力強い第一歩を踏みしめたことは間違いないだろう。

文●長谷川 誠

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