ミッシェル、全国ツアー開始! 初日のライヴ模様を速報だ!

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アルバムを作ってツアーをやる、というロック・バンドにとって当たり前の活動を、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTはとても忠実に守り続けているバンドのひとつだ。そして、ライヴの動員力がトップ・クラスになった今もなお、スタンディングというスタイルにこだわり、可能な限りスタンディングのハコを廻る。今回の<World Rodeo Tandem Beat Specter Tour>もまた、全43公演のうち7会場を除いてすべてのハコがスタンディングである。

少し話は逸れるけれども、以前ミッシェルのスタッフから彼らの性格をとても象徴するようなエピソードを聞いた。地方公演の際の宿泊先について、「チケット代を上げればもっと良いホテルに泊まれる」というスタッフの提案に対しメンバーは「自分たちが良いホテルに泊まることでファンの負担が増えるなら今のままでいい」と答えたのだそうだ。その言葉の通り、ミッシェルのライヴは21世紀を迎えた今でも3,300円という価格が実現されている。

そんなことをフと思い出しながら観た、6月16日の赤坂BLITZでの<World Rodeo Tandem Beat Specter Tour>初日のライヴ。真紅のバック・ドロップに、ドラムセットとアンプがいつも通りに鎮座したシンプルなステージ。マンハッタンのダウンタウンを想起させる悲哀を含んだトランペットの調べに乗り現われたクハラカズユキのドラム・ソロの後に、ウエノコウジ(B)、チバユウスケ(Vo)、アベフトシ(G)の順にソロリソロリとステージ上にメンバーが揃う。

アルバム『ロデオ・タンデム・ビート・スペクター』収録曲を支柱に据え、旧譜の中からも肝となる楽曲をセレクトしたセットリスト。その中盤に用意された美メロ系ナンバーたちの存在感、<ハロー・ベイビー/お前の未来を愛してる/俺は今を愛してる>とポエトリー・リーディング調に叫ぶ「サンダー・バード・ヒルズ」、そこから間髪入れずになだれ込む終盤のフルスロットルな疾走感。荒れ狂うビートの亡霊にとり憑かれた90分のライヴは、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT がロック・バンドとしてあるべき姿を、その根幹のみで表現し得たライヴであった。
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