エミネムとエルトン・ジョンのライヴが、Napsterのせいでグラミーの悩みの種に

ポスト
グラミー賞授賞式でのEminemElton Johnによる“Stan”のデュエットは、授賞式から2週間経ったにも関わらず、いまだ問題を引き起こしている。3月6日(火)にサンフランシスコの連邦裁判所で、グラミー賞主催者であるNARASがNapsterに対して起こした訴訟で、この曲は裁判の中心事項となっている。訴訟内容は、授賞式のテレビ放映から録音された音楽ファイルの違法な配給の場をNapsterが提供しているとするもの。NARASでは、話題のデュエットを正規に発売する予定であるため、海賊盤による何百万ドルもの損失への賠償金を求めている。

National Academy Of Recording Arts And Sciences(NARAS)の代表、Michael Greeneはロイターにこう語っている。
「我々はグラミー賞授賞式の翌日にはレコーディング・スタジオに入り、正式リリースに向けてすべての楽曲のリミックスを行なっていました。ところが、すべての楽曲はすでにNapsterに登録されており、何百万ものダウンロードが行なわれていました」

Greeneは、こうした状況のせいで正式リリースの計画自体が危ぶまれているとも語った。
「Napsterで何百、何千もの大勢の人に(曲が)バラ撒かれている状況で、我々は(リリースの計画の)見直しをしているところです」

CBSの授賞式放送後、数時間のうちにはすでに“Stan”をはじめ、U2の“Beautiful Day”、Madonnaの“Music”がNapsterで入手可能となっていた。NARASがNapsterからの登録切除を求めている他の授賞式でのライヴ音源は次の通り。

MobyJill Scott、Blue Man Groupの“Natural Blues”、Shelby LynneとSheryl Crowの“Difficult Kind”、Christina Aguileraの“Falsas Esperanzas”“Pero Me Acuerdo de Ti”、Dolly PartonとBrad Paisleyの“Travellin' Prayer”、'N Syncの“This I Promise You”アカペラ・ヴァージョン、Paul Simonの“You're The One”、Faith Hillの“Breathe”、Macy Grayの“I Try”、Destiny's Childの“The Writing's On The Wall”“Independent Woman Part 1”“Say My Name”のメドレー。

Eminemの同性愛者差別的な歌詞と、それを推奨するようなNARASによるライヴ出演依頼は授賞式前から大きな物議を呼び、結果として“Stan”のデュエットは今年のグラミー授賞式で最も注目されるライヴとなっていた。

今回の訴訟はNapsterにとって今週2度目の打撃となった。今や窮地に追い込まれているファイル交換サービスは、3月6日(火)に、各レコード会社から提出されたリストに従い、72時間以内にすべての著作権楽曲を排除するよう連邦裁判所から命じられていた。

Neal Weiss、ロサンゼルス、Jason Gelman、ニューヨーク
この記事をポスト

この記事の関連情報