アダムスファミリーのお母さんみたい!?

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アダムスファミリーのお母さんみたい!?
 

 mariah careyのシロップ入りr&bポップを聞いて、ファンのコア層が推測できないという方がもしいらっしゃるなら、ぜひライヴをご覧になるといい。

 '90年代にヒットチャートの常連となったこの女性アーティストは、3月16日、ロサンジェルスに新しく出来たステイプルズセンターを皮切りに全米ツアーを開始した。そしてこの日、ライヴが終わって会場から出て来たのは、ほとんどが思春期の女性たちだった。彼女たちは、mariahそっくりのカッコをして、涙で目を腫らしていた。2時間にわたるmariahのコンサートにはカワイイ演出がたっぷり盛り込まれていて、britneyやchristinaのような10代のポップス歌手を彷彿させたものだ。たとえばコンサートが始まると、大きなヴィデオスクリーンにヴィデオとアニメの合成映像が映し出され、mariahと biancaが対決を始めた。biancaというのは褐色の肌の悪女である。“heartbreaker”のプロモーションヴィデオではmariah本人が演じていたから、彼女の分身なのだろう。いがみ合っているこの2人は今回、最終的にボクシングのリングで対戦した。別の箇所では、mariahはペットの子羊2匹をステージに上げた。それから、mariahと女性ダンサーが美人コンテストの出場者のカッコで登場したりもした。なにしろこのディーヴァは、合計6回も衣装替えをしたのである。

 しかし、観客の本当のお目当てはもちろん、mariahが果てしない数のヒット曲を歌い上げるのを聴くことである。それは“emotions”から始まって、本命は“heartbreaker”“alwaysbe my baby”“dream lover”“fantasy”“honey”“i still believe”あたりだったに違いない。“istill believe”では、ゲストのkrayzie boneと前座のda bratがステージに登場した。彼らが歌っているあいだ、mariahはステージをあちこち歩きまわって、イタズラをしたりファンに手を振ったりしていた。そして立ち止まったかと思うと、叫び声のようなハイオクターヴのメロディーを歌いだすのである。

 彼女は、客席のファンがまるで本当の女ともだちであるかのように気さくに話しをする。
「こうやってジーンズをずっとずりあげてるでしょ? ヨーロッパツアーに行ったらやせちゃったの。食事が合わなかったから。ほら見て、背中に蝶々のタトゥーを入れてるの。さっきの美人コンテストの衣装は小さくてぴちぴちだったから、アダムスファミリーのお母さんみたいな歩きかたになっちゃった」
そしてもちろん彼女は何人かの女性ファンをステージに招き上げたりもするのだ。

 ショーの全体的なトーンは、楽しくて活気あるものだ。アンコールには“visionof love”“hero”と強力な2曲。天井から舞い落ちる無数の銀色の紙吹雪にステージライトが当たって、美しい光を放つ。

 mariahはステージ上にいるとき、そしてピタっと決まった振り付けの一員として踊っているとき、とてもリラックスしていた。しかし“fantasy”の振り付けは、すこしリラックスしすぎていたかもしれない。というのも、セクシーな動きのダンスで、両手をついてお尻を突き出すmariahの姿は、観客の少女たちには若干刺激が強すぎたものだったから。

 この日の前座はda bratだった。彼女は30分間のステージで“funkdafied”“sittin'on top of the world”“give it 2 you”などのヒット曲をすべて取り上げた。さらに、発売予定の『unrestricted』から先行シングルカットされている“whati'm looking for”も歌ってくれた。

 最近の彼女のパブリシティ写真は女性っぽさを前面に出しているが、この日の彼女は、髪を小さくちりちりに巻いて、体操ジャージに短パン姿。それは、この夜のmariahと好対照だった。

by billy_johnson_jr

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