◼︎SHOW-WAがお届けすることで新しい魅力を発見していただけることもあるのかもしれない

──カップリングのお話もしましょう。「Tokyo Expressway」は、80年代初頭辺りの歌謡曲のテイストを感じますけど、《ナビ》が出てきて「おおっ！」と思いました。
塩田：《地図》かと思いきやですよね。

向山：僕たちのコンセプトは「昭和歌謡を令和の時代にリバイバル」なので、そういう点でもSHOW-WAらしいのかなと思います。僕たちはこの曲を「外せないピンキーリング」と繋がるストーリーだと捉えていたりもするんです。

──面白い解釈です。

向山：「外せないピンキーリング」よりも前の時期、過去として捉えながら歌っています。それぞれの歌詞の中にリンクする要素もあるので、そんな視点でリスナーのみなさんにも聴いていただけたらなと思っています。

塩田：許されない恋、危ない恋を描いている曲なのも独特ですよね。周りのみんなは反対するけど、自分たちは後先を考えずに突き進む姿を《ナビ》《ヘッドライト》《バックミラー》《アクセル》とか、車に関するワードを交えて表現しています。

──危険な恋の歌って、昭和の頃はたくさんあったんですよ。

塩田：今はたしかに、こういう曲は少ないのかもしれないですね。

寺田：僕たちの両親くらいの世代が青春時代に聴いていたサウンドの感じなんでしょうね。その世代のみなさんに聴いていただけたら、当時の思い出とかもよみがえるのかもしれないです。

井筒：「Tokyo Expressway」は、夜に車を運転している時に聴いていただいても合う曲調だと思います。

向山：「Tokyo Expressway」は首都高が舞台で、「外せないピンキーリング」に出てくるのは《桟橋》じゃない？　この桟橋って、もしかしたらレインボーブリッジ？

塩田：なるほどね。

向山：あるいは、みなとみらいの辺りなのかも。

塩田：それもあり得る。

向山：いろいろ想像できますね。

青山：僕、この曲は『シティーハンター』の主題歌に合いそうだなと思っているんですけど。

井筒：その感じ、わかる。

青山：あの時代の漫画みたいな雰囲気を感じます。

井筒：アニメのエンディングのクレジットと一緒に流れる感じだよね？

青山：そうそう！

山本：いい仕事ができた後に、この曲を聴きながら車を運転したいですね。

塩田：「今日は頑張ったな」みたいな時だよね？

山本：うん。結構情熱的なのも、この曲の好きなところです。

向山：ハモりとコーラスをかなり入れたので、この曲も僕たちにとっての挑戦なんですよね。

寺田：ライブでもしっかり歌ってお届けしたいです。

──今作には前からライブで歌っているカバー曲、山本リンダさんの「狙いうち」、レベッカの「フレンズ」も収録されていますね。「狙いうち」は、みなさんのダンスパフォーマンスのテンションが高いのが印象的です。

山本：「狙いうち」は、仲宗根先生（仲宗根梨乃）に振り付けをしていただいたんですけど、とても思い入れがある曲です。「シングルに入れられないですかね？」というお話をしていたんですよね。

塩田：この曲、歌詞のインパクトもすごいです。

井筒：《この世は私のためにある》とか、びっくりします（笑）。

向山：かなり肉食な女子ですよね。

山本：僕は野球をやっていたので、「狙いうち」はブラスバンドの応援でよく聴いていました。甲子園とかでよく使われていますので。

塩田：僕たちもスポーツ系のイベントの時に、よくセットリストに入れてます。

──「フレンズ」も、若い世代が耳にする機会が多いと思います。

寺田：「フレンズ」は僕たちが「歌いたいです」と決めたんです。昭和の曲ですけど、平成でもリバイバルヒットしたので、僕たちが歌うことで令和のヒット曲にもなったらいいなと思っています。

──青山さんは、昭和や平成の曲でお好きなものはありますか？

青山：僕、長渕剛さんが大好きなんです。中学の頃からずっとMDウォークマンで聴いていました。サッカー選手になるまで、つらい時に聴いて励まされていたんですよね。今でもよく聴いています。

──井筒さんは、SHOW-WAに加入する前に昔の曲を聴く機会はありました？

井筒：聴いていましたよ。僕の小さい頃は歌番組が盛んだったので、ランキング形式とかでヒット曲が紹介されたりするのをよく聴いていました。ワンフレーズを聴いただけで、「あの曲だ」ってなったりするのも、昭和の歌の特徴なのかもしれないですね。そういう曲を令和の新しいサウンドでSHOW-WAがお届けすることになって、新しい魅力を発見していただけることもあるのかもしれないなと思っています。

──2月24日の福岡公演から始まった全国ツアーでも、カバー曲も交えながらお届けしていますよね？

向山：はい。「SHOW-WAはツアーだとどういうライブをするのかな？」と想像しているお客さんもいらっしゃったと思うんですけど、初日の福岡が終わった後に、「想像以上、期待以上のライブでした！」というお声をたくさん頂けたんです。ダンスや演出とかも含めた挑戦に対しても「新たなSHOW-WAを観ることができてめちゃくちゃ嬉しかったです」と、たくさん言っていただけました。チケットがソールドアウトした場所もありますし、お客さんの熱も高まってきているので、それをツアーファイナルの広島まで冷まさないようにしたいです。

寺田：これからライブにお越しくださるみなさんに1つだけお伝えできるのは、「僕たち、めちゃくちゃ踊ってます」ということでしょうか（笑）。もともとライブで歌っていた曲にダンスの部分を追加して、さらに踊るようになっているんです。

山本：SHOW-WAはデビュー前からテレビとかに出させていただいていたんですけど、その頃から応援してくださっているみなさんにとっては、子供の発表会に行く親の気持ちみたいな感じもあるようです（笑）。「よかったね」じゃなくて、「いいものを観させてもらった」と思っていただけるようなライブをして、ファイナルの広島に向かってクオリティを高めていきたいです。

青山：4月6日は、僕の地元の宮城でのライブなんですよ。こうしてSHOW-WAとして地元に行くことができる幸せを噛み締めながらステージに立って、お客さんに「またライブを観たい」と思っていただけるような歌をお届けしたいです。

井筒：僕たちは結成当初から「何事にも一生懸命に取り組む」ということを掲げているので、初めてライブを観てくださるみなさんにも全力のステージをお届けしたいです。

塩田：今の僕たちのできる限りを詰め込んでいて、新しいSHOW-WAも感じていただけるセットリストになっているので、期待していただきたいです。このツアーが終わったらSHOW-WAはさらに一皮むけるでしょうし、さらに飛躍していけると思っています。

取材・文◎田中 大
写真◎荒熊流星