【インタビュー】札幌の不動産王・SUE、「“藁をもつかむ”の“藁”になりたい」

2025.02.28 09:00

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◾︎とりあえず、貧乏波動拳を止めること

──ちなみに音楽は、小さい頃から身近にあったんですか?

SUE:僕のお母さんがよく歌ったりしてたので、聴いてましたね。松山千春の曲とか。

──さすが北海道ですね。

SUE:あと僕はバンドをやっていたので、BOØWYとか。ヒムロック(氷室京介)が大好きなんです。あと尾崎豊とかも好きですね。自分で弾き語りしたりもしてて、すすきのでちょっと稼いだりしてました。

──楽器は独学ですか?

SUE:少しだけギターが弾けるんですけどコード進行ぐらいで。弟がちょっとやってたんで、それでちょっとできるようになりました。

──楽器ができると表現したい欲も高まるでしょうし、それを形にもしやすくなりますね。

SUE:そうですね。自分の中に、メッセージを伝えたいっていう思いがすごくあって。僕は高校を中退してるんですけど、中退して少しした頃、ちょっとうつ病っぽくなった時期があったんです。でもそこから、やっぱり自分のやりたいことやろう!と。そのとき、実は伝えたいメッセージっていうのが腹の底にいっぱいあったんですけど、それを音で表現したり、言葉で表現したりっていうのがあんまりうまくできないくて。メジャーデビューとか、音楽として大きくする方法とかも全然わからないみたいな悶々とした気持ちは、あの当時すごくありました。

──そのときは、何かを形にするまでには至らなかったと。

SUE:はい。でも自己啓発を自分で自分にやってるところはあったんですよ。それって本当は伝えたいことだったのかもしれないですけど、それを言語化したりメロディーにしたり、編曲でまとめたりっていう、僕ができないことをやるチームを作るまでには至らなかったんですよね。

──じゃあその夢は一旦横で走らせておきながら、事業の方を始めることになったんですね。

SUE:そうですね。本業は歌手なんだけど、副業で不動産やったら上手くいっちゃったみたいな。でもコロナ禍になって、世の中みんな大変だったと思うんですけど、僕も子会社のホテルが三つ大変なことになったりして。でもその当時は結構年商もあったので、経済人としての大きさっていうのをちょっと考えたりしたんですけど、ちょっともうそこそこでいいんじゃないかと。何かもっと忘れてたものがあるんじゃかなと思って、もっとわくわくする遊びのようなことをやろうと思ったんです。

──DJの活動を始められたのも、ちょうどその頃でしたね。

SUE:はい。でも遊びだからって、お金がどんどんなくなって破産するようじゃまずいですからね。僕は家族もいて、子どもは6人いるんで、そこをちゃんと養って一生食えるだけの金がありつつやりたいなと思って。でもやる限りはプロ根性でしっかりと、ワインも音楽も半端じゃなくちゃんとしたものを作りたいなと思ったんです。

UNA:SUEちゃんとこのお子さん、「ボナボナボナボナボナペティー」ってやってくれるんですよ(笑)。

SUE:やってます、やってます。ボナボナ言いながら踊ってますよ(笑)。

UNA:それってすごくいいことだと思うんですよ。音楽はまず身近な人から触れてもらわないといけないので、よかったなって思います。

SUE:やっぱり歌っていうのはカジュアルさが大事だなと思ってるんで。「愛の大金波動拳」もそうですが、2曲とも本当にカジュアルというか、誰にでも染み込みやすい。僕のメッセージは難しいこと言わないですし、染み込みやすさを大事にしていますから。

──「愛の大金波動拳」も、すごくインパクトのある楽曲に仕上がりましたね。

SUE:そうですね。今回、タイトルは“大金”の波動ですけど、例えばここは“ワイワイ”波動だったり“ファンと一緒になれる”波動だったり、いろいろ入れ替えて楽しんでもらいたいなと思ってるんですよ。今回の曲は大きいお金ということで“大金”にしましたけど、自分の欲しい波動を日頃から出して手に入れようっていう僕のメッセージでもあるんです。

UNA:「波動拳の曲、書いてくれ」って言われた時は「何それ??」みたいな感じでしたよ(笑)。

SUE:『ストリートファイター』シリーズで、必殺技として出てくるじゃないですか。UNAさんと一緒にアメリカ行って、ナパバレーにワインを飲みに行った時、ちょうどその波動拳を作ったカプコンの(辻本)憲三さんのワイナリーにも行ったんですね。あぁ、ここなんだなあなんて思って見てたんですけど、そういう波動拳を作った人も、(『ドラゴンボール』の)かめはめ波を作った人も、波動という“気”を動かす能力なのかなって、僕自身も共通するものを感じちゃって。大金の波動がある人は、初めからあるんですよ。腹の底から欲しいと思ってる人って、手に入れてるんです。僕も貧しいとき、腹の底から本当に欲しいと思ったから、それなりに手にした。波動って、実は腹の底で思ってることが気として出て、共振し共鳴するんです。自分から発するもの。それに気づいてない人に教えられるんじゃないかなと思ったんで、曲に落とし込みたいと思ったんです。

UNA:僕は突然言われてびっくりしたんですけど、やっぱり逆算すると、要所要所で道しるべとなるような出来事が起こっていたんですよね。それをきちっと見つけてこられたのがよかったなと思っています。SUEちゃんはね、ちゃんと音楽波動を出してくれてますから。

SUE:原作波動的な(笑)。

UNA:SUEちゃんが原作者で、僕はアニメーターみたいな。

SUE:イメージするものと言葉を合わせたりとか、今の時代に必要なものとか、多くの人が足りてないものっていうのを感じ取って動くのが、僕はどちらかというと得意だと思うんです。ただ音楽業界にもっともっと大きく拡大発信するには違う力が必要なので、それはこれからまた出会っていくのだと思っています。

──ライブはこれまでも開催されていらっしゃいますが、ライブのどういうところに魅力を感じていらっしゃいますか?

SUE:ライブは会場の空気感、熱──僕の言葉で言うと波動なんですけど、これってもうその一瞬しか出ないものなんですよね。そこでたくさんの人たちが一つになれる。まさに例えるなら(ドラゴンボールの)元気玉のようなもので、それが大きくなって、僕らの1日の大きい思い出となって心の財産となる。ある意味そこにはすごい資産性があって、何回も思い出すことができるから、何回も勇気づけられるんですよね。パワーチャージできるっていうか。自分の好きな曲を聴くと、いつだって、何回だって立ち直れる。あの感じがライブにもあるなと思っています。この前やったライブで僕はそう感じたし、来てくれた方からもそういう感想をいただいたりしたので、ライブってすごいなと思いました。これを日本中、世界中でやって、たくさんの元気玉を作りたいなと思っています。

──ちなみにSUEさんを支えている、心にパワーをくれる楽曲やアーティストというと?

SUE:音楽始めたきっかけはヒムロック、氷室京介さんです。とにかくかっこいいし、素直な気持ちをストレートにずっと表現されていて、今も大好きですね。あとは尾崎豊さんとか。

──最近のミュージシャン、よくテレビに出てらっしゃる方の音楽もお聴きになりますか?

SUE:カラオケとかではいろいろ歌いますよ。古いところだと「なごり雪」(イルカ)とか。最近の曲だとVaundyとか、back numberの「水平線」とか歌ったりします。

UNA:ご自宅にカラオケルームがあるんですけど、凄まじく音がいいんですよ。あんなに気持ちよく歌える部屋、他にないくらいです。ぜひ一度、行ってみてください(笑)。

──楽しみが増えました(笑)。では今後の予定、SUEとしての展望などを聞かせていただけますか。

SUE:今年1年は、日本各地でライブをしたいなと考えています。たくさんの人に僕の音楽、メッセージを届けたいので、そのために飛び回ろうかなと。

──楽曲リリースに関しても、すでにイメージしてらっしゃる感じですか。

SUE:あまり具体的に目標を立てちゃうと周りは疲弊したりするし、数字に追われる感じになりがちですから、それよりもっと楽しさを追いかけたいなとは思っています。あとはリスナーとかファンの方と二人三脚じゃないけど、それぐらいの感じでできたらなっていうのはあるんですよね。そういう人がいればアルバムも出したいですし、もっとライブもしたいです。独りよがりでやっていって周りがそのために動くって、本末転倒のような気がするので。でもイメージとしては、すでにたくさんあります。

UNA:でもとりあえず、貧乏波動拳を止めることですよね。例えば何か詐欺の片棒を担がされたりとかっていう人が「貧乏波動拳 発射?中止!」してくれたら。

──「愛の大金波動拳」の歌詞のように。

UNA:はい。発射中止だよな、やめよう!って勇気を持ってもらえればっていうのがまず第一歩。ネガティブなこと考えるのはやめようってところからかなと思います。

SUE:ちなみに今回の楽曲は2月26日にリリースされるわけですが、この日はかつて歴史が大きく動いた日でもあるわけで。重苦しい話をするつもりはないですけど、ここから何かが大きく変わる、そんな気持ちも込めていますのでぜひたくさんの方にこれら曲に込めたメッセージが届けばいいなと思っています。

取材・文◎山田邦子
写真◎野村雄治

リリース情報

「ボナペティ~僕とマリアージュ」
配信リンク:https://bon-appetit.lnk.to/SUE

「愛の大金波動拳」
配信リンク:https://UGH.lnk.to/SUE

<SUE リリース記念ライブ>

日程:4/12(土)
※詳細につきましては決まり次第、オフィシャルSNSにてご案内いたします。