【インタビュー】sis、『トロット・ガールズ・ジャパン』出身の個性豊かな4人が「愛のバッテリー」でデビュー

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■トロットはもちろん韓国のものではあるけど
■“ジャパニーズ・トロットはこういう曲だよ”みたいな感じで


──今回リリースされる「愛のバッテリー」は、韓国で大ヒットした楽曲のカバーになりますが、プロデュースを務めているヒャダインさんが日本語詞/編曲を手がけられています。最初に聴いたときにどういう印象を受けましたか?

MAKOTO.:韓国ですごくヒットした楽曲だったのもあって、私は前から知っていたんです。ただ、トロットの中でもセミトロットと言われ始めた頃の曲だから、結構ダンス調なんですよね。よりポップスに近いというか。

太良:昔のディスコみたいな感じというか。

MAKOTO.:うん。それでプロデューサーがヒャダインさんとのことだったので、どんな感じになるんだろうと思ったら、びっくりするぐらいヒャダインワールド全開で、すごくマッチしてる!って思いましたね。また新しく解釈された曲を歌えるというのが嬉しかったです。

太良:最初はこの4人でどんな曲を歌うんだろうと思っていたんですけど、なんていうか、昭和と平成の間ぐらいの頃の音楽というか。

MAKOTO.:そうそうそう(笑)


太良:最初は自分がちょっとやったことのない系の曲だなとは思ったんですけど、いざ歌ってみると楽しかったですね。日本語の歌詞もヒャダインさんが考えてくださったんですけど、若干昭和っぽい感じのワードも出てきたりするから、これはすごく懐かしいし、おもしろいんじゃないかなって。

MAKOTO.:このなかに誰ひとり昭和生まれはいないんだけどね(笑)。

太良:うん(笑)。全員平成生まれですけど。なんていうか、昭和と令和が融合しているというか。

かのう:新鮮な感じはあるよね。

太良:そうそう。新しいものに変わっている感じがして、魅力がいっぱいある曲だなと思います。

MAKOTO.:“新し懐かしい”感じ。





──まさにですね。かのうさんは新鮮な感じがあるとのことでしたけど。

かのう:そうですね。すごく新鮮だなと思いましたし、歌詞も含めてちょっと変わっているところがあるからこそ、何度も聴きたくなるんじゃないかなって思いました。振付も良い意味で古さというか懐かしさがあるというか。そういうことをしているグループって今いないと思うので、世の中に広まりそうだなって思います。

あさ陽:私も原曲は聴いたことがあってすごく耳に残っていたので、その曲を歌えるのがまず嬉しかったです。それを日本語バージョンにするとなるとどうなるんだろうと思っていたんですけど、こんなふうになるんだ!?ってすごくびっくりしました。すごく中毒性があるので、自分自身毎日脳内で曲が流れてくるし、スタッフさんも「頭から離れない!」って話していて。今後聴いていただく方も、頭で再生される曲になったらいいなと思って歌っています。

──確かにすごく残りますし、気づいたら口ずさんでいるパターンの曲ですね。

MAKOTO.:そこまでいけたらしめしめって感じですね。

太良:ぜひ口ずさんでください!


▲MAKOTO.

──韓国のトロットについてもそうですけど、日本では若い世代の人達が昭和歌謡に興味を持ったり、アメリカでも日本のシティ・ポップが注目を集めていたりと、いろいろな国で昔の音楽が改めて聞き直されている状況っておもしろいですね。

MAKOTO.:そうですよね。なんでだろう。みんなノスタルジーを求めてるんでしょうか(笑)。

かのう:たしかに古い曲が流行ったりしますよね。

太良:ファッションもそうだよね。20年サイクルとか言われたりするけど、最近はIT化していったり、どんなものもAIで……みたいになってきていて。そういう昔のものの価値というか、人間の本質というか、そういうところに近いものを求め出しているのかもしれないですね。

あさ陽:レトロなものって音楽以外でも流行っているし、カメラも敢えてフィルムカメラで、“画質が命”みたいなところとはまた違う感じがあって。そういうものに対して懐かしいなと思う世代の方達には、自分達の曲を聴いてそう思ってもらえたらいいなと思いますし、歌の力でその魅力を若い世代の人達に伝えていく、その橋渡しみたいな存在になれたらいいなと思っています。


▲かのうみゆ

──「愛のバッテリー」を歌うにあたって難しかったところはありましたか?

MAKOTO.:私は韓国語もできるので、韓国語の歌詞との違いにちょっと戸惑うところはありましたね。歌詞の内容はだいたい同じなんですけど、言い回しが違っていたりするので、頭では理解しているんだけどちょっと一致しない感覚があって。ただ、ヒャダインさんがレコーディングのときにディレクションしてくださったんですけど、ものすごく的確だったので、歌いづらさみたいなものはなかったです。

かのう:韓国語バージョンのほうは発音が難しかったんですけど、そこはMAKOTO.ちゃんにしっかり教えてもらいました。そういった大変さはありましたけど、ヒャダインさんが1人ひとりのキャラ設定をきちんと作ってくださったおかげで、イメージも沸きやすかったですし歌いやすかったです。

──みなさんどんなキャラ設定があったんですか?

かのう:私はもともと声がハイビームみたいな感じなので、ロックを極めて強くいってほしいって。

太良:私はエキゾチックで色っぽい強めの女性でしたね。声が結構低いので、それを活かして歌ってほしいという感じでした。

MAKOTO.:私も大人っぽくとは言われたんですけど、恨みがヤバい女というか。

かのう:ネチネチって言われてたね(笑)。

MAKOTO.:そうそう。呪うぐらいな感じの恨みをグッと入れてほしいって。〈愛で充電満タンセヨ〉の〈愛〉も、普通に“あい”だと憎しみとか恨みみたいなものが伝わらないから“はい”にしてみて、とか。

かのう:それすごい笑っちゃった(笑)。もう本当に“はい”だったから。

MAKOTO.:そうそう(笑)。“はい”って言ってますけど、これで大丈夫ですか!?って。「大丈夫、日本人が聴いたら補正されて〈愛〉に聞こえるから」って(笑)。

太良:私も〈USB-C〉のところを、普通に日本語英語で“ユー・エス・ビー・シー”って言ってたら、「違います、“ユー・エス・ビー・スィー”ですね」って(笑)。

かのう:しかも実際言ってそうだし(笑)。

太良:ああ。元々英語の曲とかジャズも歌ってきていたので、それでこの歌詞が来たのかなとは思いました。

かのう:すごく感動しましたね。みんなすごくハマっていたので、やっぱりさすがプロだなぁって思いました。


▲あさ陽あい

──あさ陽さんはどんなキャラだったんです?

あさ陽:私はすごく重い女ですね(笑)。最後の〈あなたが好きです〉っていう部分は、ずぶ濡れになりながら立っているような感じで、本当に重い女になって歌ってくださいって言われたので、その場面を想像しながら歌いました。

──おそらくそのキャラ設定は声のイメージからだと思うんですけど、実際にそういうタイプというわけではないですよね……?

あさ陽:いや! さすがにそれはないですよ! ずぶ濡れになりながらはないです!(笑)

──すみません(苦笑)。MAKOTO.さんは?

MAKOTO.:どうだろう……呪おうと思えば呪えるかもしれない……。

あさ陽:怖い(笑)。

MAKOTO.:許さないと思ったら許さないですね。

──だんだん怖くなってきたんですけど(苦笑)。

MAKOTO.:はははははは!(笑)

太良:みんな全然違っていておもしろいね(笑)。


▲太良理穂子

──本当にそれぞれといった感じですね。先ほど「橋渡しみたいな存在になれたら」というお話もありましたが、ここからグループとしてどんな存在になっていきたいですか?

太良:それこそ世代を超えて楽しんでいただけたらいいなと思っていて。こういう音楽だからこそ、上の方達には懐かしくていいなと思っていただけたら嬉しいですし、新しい世代の人達には、その時代に流行ってた音楽を知らなかったとしたら、これをまた新しいものだと感じて楽しんで聴いていただけたらいいなと思っています。私達自身、年齢も持っているものもバラバラで色が違うからこそ、それが融合することによって生まれる感動を届けられたらなと思いますし、そこが自分達の強みでもあると思うので。

かのう:みんな畑が違うので、やってきたものが全然違うんですけど、だからこそ新しいものが生まれそうだなと思いますね。私的には、sisとしてもそうですし、ソロでもそうですけど、武道館は目指したいなって思っています。「目指せ、武道館!」ですね。

MAKOTO.:すべての人に受け入れられるというのは難しい話だと思いますし、そもそもトロットっていう単語自体、日本の方にはあまり馴染みがないものだと思うんです。ただ、せっかく「トロット・ガールズ・ジャパン」というオーディション番組から結成されたグループですし、デビュー曲もトロットを題材にした曲なので、そういう部分においては私達がパイオニアなんじゃないかなと。トロットはもちろん韓国のものではあるけど、“ジャパニーズ・トロットはこういう曲だよ”みたいな感じで、もっと歌って伝えていけるようなグループにしていきたいと思います。

あさ陽:ライヴとかで小さい子が一緒に踊ってくれているのを見るとすごく嬉しいですし、本当に小さい子から、こういう曲を懐かしいなと思ってもらえる世代の人まで知ってもらえるグループになりたいですし、曲を聴くと元気をもらえると思ってもらえるような、そういう存在になりたいですね。私もだし、メンバーみんな歌を頑張ってやってきたのもあって、そこが私達の見どころでもあると思うので、それぞれの個性も、歌声も、自信を持ってお届けできるように日々磨いて、みなさんに届けていきたいです。

取材・文:山口哲生

リリース情報

『愛のバッテリー』produced by ヒャダイン

2024年12月4日(水)配信リリース
配信リンク:https://sistgj.lnk.to/LovesBattery
ミュージックビデオ(Japanese ver.):https://youtu.be/QKELKWrZpp8
ミュージックビデオ(Korean ver.):https://youtu.be/61kQewdDx-I
1.愛のバッテリー(Japanese ver.)
2.愛のバッテリー(Korean ver.)
3.愛のバッテリー(Instrumental)

『愛のバッテリー』produced by ヒャダイン
2025年2月5日(水)CDリリース
1.愛のバッテリー(Japanese ver.)
2.愛のバッテリー(Korean ver.)
3.愛のバッテリー(Instrumental)
(曲順未定)
・Angel Night ~天使のいる場所~ / かのうみゆ
・君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね/ MAKOTO.
・グッド・バイ・マイ・ラブ/ 太良理穂子
・メモリーグラス/ あさ陽あい

ライブ・イベント情報

<『愛のバッテリー』発売記念ミニライブ&特典会>
日時:12月9日(月)19:00スタート
場所:タワーレコード錦糸町パルコ店
<イベント内容>
・フリーライブ
・CDご予約の方とメンバー全員との撮影会
・アクリルキーホルダー2個ご購入の方とハイタッチ会
詳細はこちら
https://columbia.jp/artist-info/sis/live/89244.html

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