【ライブレポート】ゴホウビが新たな一歩「これからも私たちと一緒に歩いていってください」
cody(Vo, G) 、スージー (Vo, Key)、405(B)、むんちゃ(Dr, Cho)の決意がファンに伝えられたあの日から1年。ゴホウビのSHIBUYA CLUB QUATTROワンマン<ゴホウビクアトロ全部のせ!>。ついにこの日がやってきた。
◆ライブ写真
メンバーはゴホウビ史上最大規模のワンマンを“挑戦”と位置づけ、この日に向けて活動を重ねてきた。結成以来初のCD作品である『GOHOBI QUATTRO -sweet-』『GOHOBI QUATTRO -spicy-』のリリース、CDショップでのインストアイベント、ショッピングモールでのライブ、 怒涛のアニメタイアップ、むんちゃのパフェ好きが高じて実現したCAFE CUPOLA mejiroとのコラボパフェ制作など。まだ出会っていなかった人と出会うための活動は実を結び、この日のフロアには、この1年でゴホウビを新たに知った人、そして以前からバンドを応援していたファンが集まっていた。
クアトロといえば、4種のチーズのピザ・クアトロフォルマッジ。4人組バンドであることにも掛けて、この1年ゴホウビは、ピザを“Road to QUATTRO”のモチーフとしてきたが、ライブは、“ピッツァゴホウビ”の配達員がビルの階段を上ってくる映像から始まった。「ピンポーン」とインターホンの鳴る音が聴き覚えのあるリフに変化し、SEになる。自然と発生した手拍子に歓迎されながら、メンバーとサポートギタリストの山崎裕也が登場。
1曲目は「NO RAIN, NO RAINBOW」だ。キーボードの旋律、そして躍動的なバンドサウンドで幕開けると、スージーが自分に言い聞かせるように《うるさい うるさい 心臓が暴れたがってる/いよいよ僕の番/何度も逃げたくなったけどいつも最後は自分次第/やっとここまできたんだ》と歌う。2番ではcodyが伸びやかな声で《そうさ 虹をかけるチャンスだ 走れ》と歌う。歌詞の一言一言が挑戦の瞬間を迎えたメンバーの心境を言い表しているようだ。リズム隊のグルーヴも、間奏のギターソロも抜群。5人で心を一つにして、バンドの演奏で観客を熱くさせながら、ライブをスタートさせた。
2曲目は『GOHOBI QUATTRO -spicy-』からの新曲、疾走感溢れる「ヒトリヨガリ」で、codyの「QUATTRO楽しむ準備はできてますか? 最高の日にしよう。よろしく!」という挨拶とともに「なんぼのもんじゃい」へ。バンドの鳴らすファンキーなサウンドやライブならではのアレンジに対し、観客は、リズムに合わせて腕を左右に振ったり声を出したりしながら盛り上がる。
MCに入ると、まずcodyが「ついにやってきました、この日が。みんな今日は来てくれて、本当にありがとう!」と伝えた。この時の反応も上々。この1年の活動を通して、メンバーのライブに懸ける想いを受け取っているから、そして最初の3曲によって既に温まっているから、観客のテンションはかなり高い。以降、シンガロングも歓声も拍手も手拍子も常に大音量だった。ライブ中、メンバーも頼もしく感じていたに違いない。
codyが「俺らが最高の時間を作るので、みんなは安心してゴホウビの歌に、音に、身を委ねてください。ゴホウビのsweetなところもspicyなところも、思う存分味わって、心いっぱいに満たしていってください!」と伝えたあと、「一糸まとわぬアイを見せてよ」で演奏再開。歌詞にsweetもspicyも、何ならゴホウビ(ご褒美)も入っている全部のせなアッパーチューン。踊るベースラインに乗っかって、観客もリズミカルに手拍子した。一転、「ぶっとばすからね」は真っ赤な照明に染まりながらのスージーの歌い出しや緊張感溢れるバンドのキメ、cody&山崎のツインギターの絡みがクールで痺れる。
「MOKE MOKE」はとにかく楽しい曲だが、気持ちの行き違いをテーマに、男女ツインボーカルの持ち味を存分に活かした構成が秀逸だ。ゴホウビは喜怒哀楽どんな感情も音楽に変えて、輝かせる。時には孤独や後ろ暗い気持ちにさえも光を当てて、人間だから、そういう時もあっていいのだと歌う。明暗を反転させる音楽に勇気づけられて今日この日まで歩いてこられた、そして今QUATTROのフロアにいるのだ、というリスナーもたくさんいたことだろう。
ここからが新展開。「MOKE MOKE」のアウトロのギターリフが転調し、やがてバンドセッションへと発展。むんちゃ、405のソロを経て、バンド全体で思いっきり鳴らしてセッションを締め括ると、ステージが一旦暗くなり、謎のSEが流れてきた。よく聴くと“むんちゃ”のフレーズがリフレインしているこのSEは……?と思いきや、次の曲は、むんちゃのソロパフォーマンス。自身のパフェ愛や“美味しさを分け合いたい、幸せを分かち合いたい”という気持ちを歌ったオリジナルソング「パフェの歌」を披露した。事前のインタビューで今までにやったことのないことをやる予定だと言っていたが、なるほど、このことか!と合点が行く。振りつきで歌うむんちゃはさながらアイドルで、袖から出てきたスージーと一緒にハートマークを作ると、フロアから「フゥ―!」と歓声が上がる。《君に食べてほしいんだ》と歌いながら前列の観客を指差すなど、ファンサも欠かさない。
「パフェの歌」が終わると、他のメンバーが「この盛り上がり、今日イチじゃない?」と笑いながら戻ってくる。この時のMCは、山崎の「みんなと一緒にいる時間が増えて、ふざけられるようになった」というコメントや、山崎がいい話をしている最中に「思い出した!」と唐突に声を上げる405のマイペースぶりが印象的だった。山崎は2022年からゴホウビのライブや制作をサポートしていて、特に『GOHOBI QUATTRO -spicy-』の制作にはプリプロの段階から参加した。「もはやメンバーと同列」と4人は言っていたが、山崎も同じ意識を持っているのだろう。
MC明けの「つまりは」は特別なアコースティック編成で、先ほどのトークの空気を引き継いで、和やかで温もりのある演奏が届けられた。次の曲「くらげ」も素晴らしい。孤独をイメージさせる浮遊感のある音像から始まり、次第に感情を解放させていくスージーの歌とともに、バンドも熱量を高めていく。「ゴホウビは最近よりバンドらしくなってきた」とメンバー自身実感する今だからこその名演だ。
「ブラウス」「ラブシャッフル」といったアッパーチューンとともに、ライブのラストへ向かっていく。「ラムネ」では1年前から思い描いていた、QUATTROいっぱいの“ゴホウビエクササイズ”が実現。「宴の時間じゃーい!」とコール&レスポンスもタオル回しも行った、『GOHOBI QUATTRO -spicy-』収録の新曲にしてライブ即戦力楽曲「ジャンクミュージック」、そして「NATSU DE SKA」でも大いに盛り上がった。本編ラストのMC。スージーが「みんなの笑顔が、自分らの音楽を通して見られていると思うと嬉しいし、それが私たちにとって最大のゴホウビです。ありがとう!」と伝えたあと、「次で最後の曲です」と告げると、フロアから「えー!?」という声が上がった。スージーは今日に至るまでには楽しいことばかりではなく、悔しいこともあったとしつつ、「多分みんなだってあるよな」と呟く。そして観客にこう伝えた。
「でも、その想いがあったから、今日ここにいるあなたと楽しい時間を過ごせたよ。そう思ってるよ。あなたが苦い想いを胸に秘めていたら、毎晩人知れず泣いたりしていたら、そういうあなたは最高だよって伝えたい。そんなふうに思えないかもしれないけど、その感情は宝物だよ。どうか自分を、途中で見捨てたりしないでほしい。そんなあなたを私たちが全部歌にして、あなたは本当に素敵な人だよって伝えます。もういいよってあなたが笑うまで伝えます。私たち、何もできんけど、昔コンビニバイト2週間でクビになったけど(笑)、それだけはできるけえ。だからこれからもゴホウビについてきてください。……ついてきてじゃないな。これからも、よかったら私たちと一緒に歩いていってください」
本編ラストに届けられたのは「呼吸」。スージーが語ったゴホウビからリスナーへの想いがまさに形になっている曲で、会場は温かな余韻に包まれた。
アンコールでは、まず、codyのアカペラから始まるアレンジで「好きな服」を披露。ここで驚きの展開。MCの最中に、codyが「裕也くん、メンバーになっちゃえばいいんじゃない?」と切り出したのだ。山崎は突然の出来事に驚いているのか、なかなか言葉が出てこなかったが、少し経ってから「俺は入りたいよ」と意思を表明。「え? マジで入ってくれんの?」と4人がざわつくなかで、目の前の観客に「ゴホウビに入りたいんですけども、みなさま、いいでしょうか?」と投げかけた。返ってきたのは盛大な拍手。ファンは山崎が今までゴホウビの活動に貢献してきたことを知っている。「もちろん」ということだろう。
こうしてゴホウビに加入することになった山崎。このくだりは全く予定になかったそうで、正真正銘の電撃加入だ。先述の通り、「ゴホウビクアトロ全部のせ!」というタイトルはゴホウビが4人組バンドであることにも掛かっていたわけだが、まさかライブのラストに“クアトロ”ではなくなるとは誰が予想しただろう。しかし、筋書きのないドラマの美しさにみんなで笑ったひと時は、人生の酸いも甘いも歌ったライブのエンディングにこの上なくふさわしい。
「5人のゴホウビ、最後、ゴキゲンなサウンドを鳴らしたいと思います!」とラストに「ゴキゲンなLOVER」を演奏したゴホウビは、山崎をセンターに手を繋ぎ、「ありがとうございました!」と礼をしてライブを締め括った。これからはこの5人で、そしてリスナーとともに歩みを進めていく。
取材・文◎蜂須賀ちなみ
撮影◎Kato Shumpei
セットリスト
2. ヒトリヨガリ
3. なんぼのもんじゃい
4. 一糸まとわぬアイを見せてよ
5. ぶっとばすからね
6.MOKE MOKE
7. パフェの歌
8. つまりは
9. くらげ
10. ブラウス
11. ラブシャッフル
12. ラムネ
13. ジャンクミュージック
14.NATSU DE SKA
15. 呼吸
アンコール
16. 好きな服
17. ゴキゲンなLOVER
『GOHOBI QUATTRO -spicy-』
・TRACK LIST
01.ぶっとばすからね
02.つまりは
03.ジャンクミュージック
04.ブラウス
05.ヒトリヨガリ
06.MAKUAKE
07.呼吸
※Bonus Track
TVアニメ『疑似ハーレム』オープニング主題歌「ブラウス」瑛二&凛が歌ってみた(TV size ver.)
※初回限定盤のみ
■通常盤 CD only
PCCA-06339
2,500円(税込) 税抜:2,273円
■初回限定盤 CD+Blu-ray+グッズ
PCCA-06338
8,800円(税込) 税抜:8,000円
【初回限定盤特典】
メンバーによるセルフライナーノーツ付ブックレット
Blu-ray映像コンテンツ
スパイシーなカレンダー
スパイシーなアクリルスタンド
いつでもゴホウビ レコードキーホルダー
【Blu-ray収録内容】
「ブラウス」ミュージックビデオ
「MAKUAKE」ミュージックビデオ
「呼吸」ミュージックビデオ特別編
ゴホウビの休日〜ヒット祈願!パワースポット編〜
【販売法人別特典】
Amazon.co.jp:メガジャケ
タワーレコード・TOWER mini全店・タワーレコードオンライン:缶バッジ3種類ランダム
楽天ブックス:クリアファイル
HMV,HMV&BOOKS:アクリルキーホルダー
全国アニメイト(通販含む):「結婚するって、本当ですか」オリジナルL判ブロマイド
セブンネットショッピング:オリジナルピック
きゃにめ:「疑似ハーレム」「異世界ゆるり紀行 〜子育てしながら冒険者します〜」の選べるアナザージャケットカード
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