【インタビュー】shallm、1stフルアルバムが描いた魔法と暴動と止まらぬ戰い「心が動いた瞬間を逃さない」

■音楽の道を選んでよかった
■目標に向かって歩いている感覚もある

──「stardust」「暴動」というラスト2曲からも、怒りや不満を感じました。この2曲は「脳内ディストーション」と違って、他者というよりも、自分に矛先が向いている。

lia：誰かに対しての怒りというよりも、情熱的な自分と冷静な自分のせめぎ合いみたいな感じです。“心が動いた瞬間を逃すなよ”と自分に言っているような。こういう怒りというか、“なんか気に入らないんだろうな”という感じは、自分の中にずっとあります。

──脳内に天使と悪魔がいるようなイメージですかね。

lia：まさにそんな感じです。天使と悪魔が自分の中で争っていて、感情がずっとぐるぐるしている。曲を作っている時も、だいたいぐるぐるしています。



──情熱的な自分と冷静な自分とおっしゃっていましたが、「暴動」の“決まった演出を出し抜いて／観たことない感動を僕にくれ”という歌詞を参照するに、心が動くほうを選びたい自分と安牌を選んでしまう自分とも言い換えることができるのかなと。

lia：そうですね。学生時代に進路を決める時も、自分の中でせめぎ合いがありました。進学するか、音楽の道に進むか、という。小さい頃からずっと、“何のために生まれてきたのか”みたいなことをよく考えていたんですよ。でも、考えたところで、分からないじゃないですか。何のために生きているのか、ずっと分からないままだったし、特にやりたいこととかもなかったので、無気力な性格になってしまっていました。課題が降ってきたらこなす、という感じで前までは過ごしていました。

──今は全然そういう感じがしないですけどね。

lia：初めて自分から“やりたい”と思えたのが、音楽だったんです。歌っていて“楽しい”と思えることが、私にとっては大事件でした。その時に“これは人生を賭けてもいいんじゃないかな”と思う自分と“いや、どうしよう…”と思う自分のせめぎ合いみたいになって。いろいろ考えて、最終的に“やっぱり音楽を選ぼう”と自分で決めました。


──音楽の道を選んで、1 stフルアルバムが完成したのが現在というわけですが、ここまで進んできて、どんなことを感じていますか？

lia：音楽の道を選んでよかったなと思います。毎日やることがあって、 目標に向かってちゃんと歩いている感覚もあるのが嬉しいです。

──次にやりたいことのイメージも湧いてきていますか？

lia：今回初めてアルバムを作ったことで、“コンセプトアルバムを作りたい”という気持ちが湧いてきました。「点と点を繋げて線にするのが難しかった」という話をしましたが、辻褄合わせの楽しさを一番味わえるのが、コンセプトアルバムなんじゃないかと思っていて。具体的なことはまだ何も決まってないですが、実現出来たら面白そうだなと思ってます。

──2025年3月1日には＜shallm 3rd Live 決起集会＞が開催されます。どんなライブにしたいと思っていますか？

lia：もう本当に、熱いライブにしたいですね。誰かの心を動かせるような熱いライブにしたい。＜1st Live＞、＜2nd Live＞は来てくれた人たちから貰いっぱなしのライブだったのですが、＜3rd Live＞では、来てくれた人に私がちゃんと与えたい。誰かの心に“暴動”を起こしたいという気持ちから、＜決起集会＞という名前をつけました。今いろいろと考えているところなので、楽しみにしていてください！

取材・文◎蜂須賀ちなみ
撮影◎野村雄治





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