【インタビュー】由薫、ドラマ『笑うマトリョーシカ』主題歌含むEPに濃厚で果てしない広がり「表現したのは現在の自分のありのまま」

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■チャプター1を閉じて
■チャプター2に進んでいく


──「Clouds」は今回のEPで唯一、全編英語詞の曲です。サウンドも洋楽のインディーロックのような手触りですが、どういうアイデアからですか?

由薫:思い切って全部英語の歌詞にしようということで。この曲は、高慶(高慶“CO-K”卓史)さんと、遊びのようなセッションをしていて、当時お互いが聴いていた曲とかを共有しあって、「今、こういうの面白いよね」っていう感じで作っていったんです。だけどしばらくして、そのデモ音源を私がなくしてしまって。でもずっと頭のなかにメロディがあったんですね。こうしてずっとメロディを覚えているっていうのは、ちゃんと曲が生きてる証拠だなと思って、今回のEPを作るにあたってデモを見つけ出してもらったんです(笑)。改めて聴いてみたらやっぱり楽しくて、完成させたいなって。


──どんなことがテーマになりましたか?

由薫:元々はちょっと違う歌詞だったんですけど、レコーディングの前日に“違う!”と思って書き直したんです。この曲は全部が英語詞だからこそ、日本に住んでいる自分のアイデンティティみたいなものを入れ込みたいと思ったので。結果、大学生のキャンパスライフを思い浮かべながら書いていたんです。日本では大学生って人生の夏休みって言ったりしますけど、受験を乗り越えて入学した安心感と、これから大人ってものにならなきゃいけない漠然とした不安の狭間で揺れ動いたり。そこから目を逸らすように楽しく生きていく感じがあると思うんです。そういう、どこかで不安を抱えながら東京の街を楽しく歩くっていう、あの頃のことを思い出しながら書いていましたね。

──なるほど。

由薫:「勿忘草」もそうでしたけど、アルバム『Brighter』で自分なりに由薫のチャプター1を閉じて、チャプター2に進んでいくなかで、子どもと大人との狭間というか…もう大人側に入る立場になってしまったという考えも、この歌詞に反映されているのかなって思うんです。英語詞ではあるんですけど、そういう意味で他の曲とも共通するし、どこかの曲の君と同じ君なんじゃないかとか、そんなふうに受け取ってもらえたらいいなって思います。


──今回のEPの曲は、音楽的な成長はもちろんですが、由薫さんの心境的にも大事な局面を切り取って記した作品で。大事な作品になっていきそうですね。

由薫:気持ち的には19歳で、コロナ禍の前で止まっている感じなんですけど、そうも言っていられないなって(笑)。特に最近は、自分を振り返る機会が多かったので。次のチャプターに行くっていうことは、いろいろ受け入れるということなのかもなっていうのがありましたね。一回飲み込んでみて、どんな歌詞が書けるのかなっていうのも今回の『Sunshade』ではあったかもしれない。アートワークは、Tシャツを着てお散歩するくらいの飾らない感じでいろんな写真を撮っていって、それをミシンで縫い合わせたものになっているんですけど。まさにこのアートワークの素の自分というか。アルバム『Brighter』を経た、現在の自分のありのままを表現したという感覚です。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎野村雄治

◾︎NEW EP『Sunshade』

2024年9月6日配信開始
配信リンク:https://lnk.to/yu-ka_sunshade-ep
1. 勿忘草
 (『本山製作所』CMソング)
2. もう一度
 (『本山製作所』CMソング)
3. Clouds
4. ツライクライ
5. Sunshade
 (TBS系金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』主題歌)






◾︎<由薫Live “After Sun”>

2024年11月1日(金) 東京・代官山UNIT
open18:00 / start19:00
(問)ホットスタッフ・プロモーション 050-5211-6077
▼チケット
・スタンディング:5,500円(税込)
・スタンディング(直筆サイン入りポスター付き):6,600円(税込)
※サイン入りポスター付きチケットは、オフィシャル先行のみの取り扱いになります。
※ご入場時ドリンク代別途要
枚数制限:お一人様各公演4枚まで
年齢制限:未就学児童入場不可
※電子チケット、紙チケットの取り扱い
【一般発売】
販売開始:9月7日(土)10:00
※予定枚数に達し次第、受付終了
https://l-tike.com/yu-ka/



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