【インタビュー】後藤真希、13年ぶりオリジナルミニアルバム発売「これからまた新しいところに向かっていく」
◼︎自分を愛せるようになることが、私にはもっと必要
──リード曲である「prayer」は、曲の世界にグッと引き込むインパクトがありました。『prAyer』がアルバムのタイトルになったのは?
後藤:直感みたいなものが大きかったと思います。そもそも「prayer」は、こういう曲が歌ってみたいっていうのを投げて集めていただいた曲の中の1曲なんですけど、ちょっとクセになる感じで、妙に哀愁も感じて、でも今どきっぽさもあるこの雰囲気が私にはすごく新鮮だったんです。結局私は今こういう曲を自分で求めてるんだろうなと思えたし、誰かの意見とかじゃなく、自分が歌いたいって思うのがこれなんだなってピンときたから、この曲をメインにしたし、アルバムのタイトルにもしたんです。「prayer」ってこのスペルだと“祈り”とかそういう意味にとられるけど、私の中では“1プレイヤー”みたいな意味もあって。これからもプレイしていくよ!っていうことですね。
──ミニアルバムの最後を締めくくる「I am」はとても潔いタイトルですし、人生を歌いたいという今の思いも伝わってくる曲だなと思います。
後藤:そうですね。この曲が最後に来ることによって、自分がまた浄化されるというかリセットされるような感じがします。歌詞もじっくり読んでいくと、すごく納得する言葉ばかりで。《変わらない今日に苛立った 偽り続けてた そんな自分にサヨナラ告げ 新しい私にありがとう》っていうフレーズは、今までを振り返りながらも前向きに進んでいる感じがあって、自分自身の人生みたいなものを感じるような曲だなと思いました。
──《変わらないままで生きるほど強くはなれなくて そんな自分も愛せたなら 誇らしい私に会えるかな》という歌詞もありますが、もう充分誇らしいのではと思ってしまいました(笑)。
後藤:そんなこと全然なくて(笑)。本当に最近、自分でも思うことがあるんですよ。
──というと?
後藤:《誇らしい私に会えるかな》ってありますけど、それは自分を愛せるようになることをひとつずつ自分で経験して、昇華していってこそなんですよね。そういう機会が、私にはもっと必要なんだろうなって思うんです。
──それはきっと、まだまだ成長していきたいとか、もっとやりたいことがあるからとか、ポジティブな気持ちがあるからでしょうね。
後藤:そうですね。前向きな気持ちでいると、じゃあこれもやらなきゃ、あれもやらなきゃとか、どんどんやるべきことややりたいことが出てくるじゃないですか。今、そういう状況なんですよ。いいことだ(笑)!
──相乗効果かもしれませんが、ミニアルバムの制作なども含めて、いいタイミングでこの25周年を迎えられたんですね。
後藤:このミニアルバムをリリースできることは、自分の中で結構大きなことでしたね。コロナ禍もあって、何年も“待て”の状態が続いてましたけど、やっと動き出せるとなったこの状況で、「頑張れるかも」って思えたのは大きい。やっぱり、アーティストとして作品を制作する時間はとっても充実していて。自分のやりたくないことに向き合わなきゃいけない時は「もう疲れた!」ってなっちゃうんですけど(笑)、制作中ってまったく疲れないんですよね。これが答えだなって思います。
──もうすぐライブもありますから、準備が始まっていくとさらに充実していきそうです。
後藤:本当に頑張んなきゃですね。レコーディングは終わったけど、ライブできちんと歌えるかどうかわかんないから(笑)。
──「BAD BOY」や「Flirty Sun」は、ライブの演出としても作り甲斐がありそうな曲だなと思いました。
後藤:(歌詞を見ながら)「Flirty Sun」、歌詞がめちゃくちゃ長いな(笑)。でもこの曲も雰囲気がね、他の楽曲とは全然違ってて。「BAD BOY」も今から行くよ!って感じですごくいい空間が作れそう。楽しみです。
──「Ivy」は、結婚式で使う人もいるんじゃないかなと思ったんですけど。
後藤:たしかに。《ありがとう》ってサビにもバーンと出てきますしね。この曲は、ライブでみんなが大きく左右に手を振ってくれるようなノリの曲が欲しいねっていうところから始まったんですね。それで探してもらった中で、すごくピンときたのがこの曲だったんです。私の曲の中になかったなとも思ったし。そこから他のデモとも比べて聴いてみて、でもやっぱりこれだよなって確信して、この曲を選んだんです。ミディアムな感じなんだけど2コーラス目に行くと、ちょっとラップのような雰囲気もありつつ、サビはすごいロングトーンで。おしゃれですよね。
──長く愛されていきそうな曲だなと思いました。しかも、聴いた方がみんな自分の人生を映すような曲でもあるんじゃないかなと思います。
後藤:「Ivy」って日本語では蔦で、歌詞にも《あの蔦のようになりたい》という一文があって。だいぶ前に占いをしてもらったときに、「あなたは例えるなら一輪の花だから、太陽の光をもらえないと枯れちゃうし、水がないと枯れちゃうし、土もちゃんと耕さないと枯れちゃう。つまり、あなたには見守って支えてくれる人がいてこそ綺麗に咲けるんですよ」って言われたんです。それをすごく覚えていて。3年くらい前に「ramus」っていう写真集を出したんですけど、それも幾つもの枝が育って成長していく="ramus"というところから名付けたんです。私が植物だとして、成長していくためにはみんなとの繋がりが大事ということ。この「Ivy」も、たまたまだったんですけど「そうか、これも私か」みたいな気分になって。自分の中でいろいろ繋がりができているような曲だなって、運命的でした。
──9月4日のリリース後には、兵庫と東京でワンマンライブが開催されます。こちらも楽しみですね。
後藤:覚えなきゃいけないことがいっぱいで大変ですけど(笑)。
──でも、モーニング娘。に入られたときは1日で10何曲か覚えたっていう伝説がありますよね。
後藤:1日じゃなくて、1週間です(笑)。1週間で13曲覚えなきゃいけなかったときは結構なカオス状態で、自分が今何をやってるいるのかさえわかってなかったですからね。なんか違うんだろうけど、どこを間違えてるのかすらわからないんですよ。詰め込みすぎて。だからよく夏先生に怒られてました。「もう本番出たくない!」っていう気分にまでなってましたからね。その様子は当時『ASAYAN』でも放送されてましたけど、もう無理、出たくありませんモードの顔が、今見てもすごく面白いんです(笑)。
──でも後藤さんのYouTubeチャンネルでつんく♂さんと対談されていた時に、つんく♂が「そういうときを経て今があるんだよ」っておっしゃっていましたよね。そして、後藤さんにはずっと歌い続けてほしいと。
後藤:私自身も思いますからね。同じハロプロの人たちや同じ時代を頑張ってきた人たちにはずっと歌っててほしいし、もっとライブとかもやって世に出てほしいって思うし、私にそう言ってくれる人もいます。だから、育ての親であるつんく♂さんもきっとそう思ってくれたのかなって思います。
──では最後に、ワンマンライブ、そして今後についての意気込みなどを聞かせてください。
後藤:ライブはとにかく楽しみです。25周年のテーマである、走馬灯を見ているような気分になりつつ、これからまた新しいところに向かっていくよっていう表現ができたら一番かな。リリースが9月4日で、ライブ初日が16日。結構短期間だけど、みんなしっかり聴き込んで来てほしいですね。「今、何の曲やってんの!?」みたいな状況にはならないでねって思います(笑)。
──それは大丈夫だと思いますよ(笑)。
後藤:どの曲も、みんなと育てていけるような曲にしていきたいなって思うんですよね。リリースイベントとかもありますけど、これからもみんなでどんどん進化させていこうぜって思ってます。ミニアルバムは例えるなら教科書みたいなもので、カスタマイズはこれから。今後の活動にも期待していてほしいなって思います。あ、私も「期待してるからね♡」ってプレッシャーかけておこうかな、ファンのみんなに(笑)。
取材・文◎山田邦子
ミニアルバム『prAyer』
発売元:エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社
(レーベル:avex trax)
◼︎初回生産限定盤(豪華BOX仕様) AVZD-63629/B~C
CD+Blu-ray Disc+7インチアナログレコード盤
豪華特典付きBOX仕様 19,800円(税込) / 18,000円(税抜)
[収録楽曲]
1. QUEENDOM
2. BAD BOY
3. prayer
4. Ivy
5. CLAP CLAP
6. Flirty Sun
7. I am
◆Blu-ray Disc (MusicVideo2曲・Blu-ray限定Version + MVメイキングやアルバム制作オフショット等特典映像収録)
◆7インチアナログレコード盤(カラードーナツEP盤・「CLAP CLAP」「prayer」 全2曲収録)
◆豪華BOX仕様・完全限定封入特典
1)完全撮りおろし豪華フォトブック(全40ページ)
2)25周年記念オリジナルベースボールシャツ
3)特製「prAyer」仕様オリジナルアクリルスタンド
◼︎通常盤 CDのみ7曲入 AVCD-63630
2,970円(税込)/2,700円(税抜)
アルバム『prAyer』発売記念イベント
※楽天ブックスにて対象商品の購入者(先着)限定のイベント
楽天ブックス特設サイト:https://r10.to/hkA4Z5
【日程/会場】 2024年10月13日(日)
CITY HALL & GALLERY GOTANDA(東京・五反田)
・イベント内容
トーク&ミニライブ、ブックレットサイン会
※特典会ではブックレットに本人がサインを入れ手渡しをさせていただきます。
・対象商品
2024/9/4発売 後藤真希ALBUM「prAyer」※初回生産限定盤
【CD+Blu-ray Disc+アナログ盤】AVZD-63629/B~C
・販売期間(先着販売)
1次販売:2024年 8月4日(日) 23:59まで
2次販売:2024年8月7日(水)19:00 ~ 2024年9月29日(日)23:59まで
<後藤真希 25th anniversary live tour 2024 〜 pr∀yer 〜>
2024年9月21日 東京・山野ホール
チケット一般販売中
【先着チケット申込URL】
ローソンチケット: https://l-tike.com/makigoto/
イープラス: https://eplus.jp/gotomaki/
チケットぴあ: https://w.pia.jp/t/gotomaki/