【インタビュー】SARD UNDERGROUNDデビュー5周年、2ndアルバムと『名探偵コナン』エンディングテーマ同時発売の鮮やかなインパクト「私たちらしさが明快に」

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2024年9月にデビュー5周年を迎えるSARD UNDERGROUNDが8月21日、2ndオリジナルフルアルバム『涙色で』と7thシングル「夢で逢いましょう」を二作同時リリースした。「夢で逢いましょう」はアニメ『名探偵コナン』エンディングテーマのために書き下ろされた新曲だ。哀愁を感じるメロディーにのせて、誰かを想う繊細な気持ちが綴られたミディアムバラード。同曲をはじめ、爽やかで切ない「卒業式」、ポジティヴソング「その結婚、正気ですか?」、レトロテイストな表題曲「涙色で」など全11曲を収録した『涙色で』は、3年ぶりのオリジナルアルバムとなる。

◆SARD UNDERGROUND 画像 / 動画

2019年にZARDのカバーバンドとして産声を上げ、その後はカバーとオリジナルを共に充実させながら、すくすくと成長してきたSARD UNDERGROUNDの5年間。前述したように、8月21日にはシングル「夢で逢いましょう」と2ndオリジナルフルアルバム『涙色で』を同時リリース、9月からは過去最大規模のリリースツアー、そして12月にはファンクラブ限定イベントが待っている。たくさんの祝福の声に飾られたアニバーサリーイヤーを、力強く、笑顔で駆け抜ける3人の最新語録をお届けしよう。


   ◆   ◆   ◆

■人生の支えになってくれるような
■みんなとの思い出も浮かぶアルバム


──まずはシングルのお話から。ドラマチックな哀愁ミドルバラード「夢で逢いましょう」は、TVアニメ『名探偵コナン』のために書いた曲ですか?

神野:はい。正式に決まる前から、“いつか『名探偵コナン』で歌わせていただける時に”と思って制作していた曲です。

杉岡:一回聴いただけで離れない歌詞と、懐かしさを感じるようなメロディがあって、歌詞とメロディが合いすぎて、ついつい口ずさんでしまうなという曲です。

坂本:特にサビのところが、ずっと歌ってしまうようなフレーズで、新一と蘭の二人を思い浮かべて聴くと、すごく想像が広がるので、それも楽しいなと思います。

──歌詞はどんなふうに書いていったんですか。

神野:歌詞は、完全に『名探偵コナン』の世界観に入った状態で作詞しました。作詞している時期に、ちょうど1話からアニメを見直し始めて、今も見続けているんですが(笑)。たとえば“おもちゃみたいな景色ばかりね”という歌詞は、アニメの初期の頃に、少年探偵団が「街がおもちゃみたいだ」と騒いでいるシーンがあるんですよ。そういうものを、ちょっと思い出して入れてみたりとか。あとは、新一ってけっこう、キザな感じじゃないですか。そういう新一っぽいセリフを入れてみたいなと思って、“気が済むまで隣で泣き叫べばいいさ”とか、いかにも言いそうかな?とか思いながら書きました。

杉岡:言いそう(笑)。



──3回目の『名探偵コナン』タイアップともなると、その世界観がしっかり頭の中に入っているんですね。

神野:『名探偵コナン』の世界観は、本当にいち視聴者として、ファンとして楽しんでいるので、世界観はわかっているつもりではいます。自分の中では。

──このCDには、『名探偵コナン』仕様のタイアップ盤と通常盤の2種類があって、合わせて3曲(「少女の頃に戻ったみたいに」「突然」「愛は暗闇の中で」のtribute 2024)、ZARDのカバーが収録されています。どの曲もSARD UNDERGROUNDにとっては二度目のリレコーディングで、以前のバージョンとは変わっている部分も多いので、あらためて紹介しようと思います。まず「少女の頃に戻ったみたいに」は?

神野:「少女の頃に戻ったみたいに」は、映画の曲(劇場版『名探偵コナン 14番目の標的[ターゲット]』主題歌)なんです。それも最近観て、新一と蘭ちゃんの世界観に、歌詞がこんなに合っていたんだということを、あらためて感じました。もともと本当に大好きで、いい曲だと思っていたんですけど、新一と蘭ちゃんの映像と重ねて、『名探偵コナン』のイメージで今回は歌いました。アレンジが原曲に近づいたこともあって、そういう気持ちがより強くなりました。


▲神野友亜(Vo)

──「突然」はどうですか。

坂本:最初にカバーしたアルバム『ZARD tribute』の時は、キーが上がっていたんですけど、今回は原曲のキーになって、アレンジも原曲に近づいて、よりZARDさんらしい世界観が感じられるものになっているなと思います。それとソロがピアノになっているので、そこはライブでうまく表現したいですね。

神野:「突然」は、アルバム『ZARD tribute』の明るく元気な感じもめっちゃ好きですし、今回のアレンジもどっちも好きです。

坂本:また違う感じになっています。

──もう1曲、「愛は暗闇の中で」。

杉岡:「愛は暗闇の中で」は、もうずっと好きなんです。今までやっていたものとキーが変わったので、けっこう新鮮というか、ZARDさんにより近いバージョンで演奏できるのがすごく嬉しくて、ライブでやるのが楽しみです。

神野:「愛は暗闇の中で」は、歌いやす過ぎてびっくりしました(笑)。本当に一回しか歌ってないぐらいで、するっと録れました。

──3曲とも、新たな聴きどころ満載なので、皆さんチェックしてみてください。そして、2枚目のオリジナルアルバム『涙色で』の話にいきましょう。ZARDのカバーではなくオリジナル曲のフルアルバムは、3年ぶりになりますか。

神野:そうですね。


▲杉岡泉美(B)

──まずは出来上がっての実感を、一人ずつ聞きますね。坂本さんは?

坂本:出来上がって、アルバム全体を聴いた時に、すごく満たされるなと思いました。元気になれる曲だったり、感動する曲だったり、季節を感じる曲だったり、いっぱいあるので、ぜひ聴いてほしいアルバムです。

神野:このアルバムで、SARD UNDERGROUNDらしさを見つけられた気がしています。今までリリースしてきた中に、どの曲も入っていそうというか。アルバム『オレンジ色に乾杯』(1stオリジナルアルバム / 2021年9月発表)だったら、「私と恋をしてください」が入っていそうだと思ったり、「涙色で」は、前回の1stミニアルバム『日の名残り』(2022年9月発表)に入っている「花火よ燃え尽きて海に舞い上がれ!」の隣に並んでいそうと思ったり。

杉岡:ああー。わかる。

神野:それぞれにそういう印象があるので、それはSARD UNDERGROUNDの世界観の枠が出来てきたということかな?と思っています。

杉岡:全曲に、自分を大切にしようとか、大切な人を大切にしようとか、いろいろと考えさせられるような曲が多くて、本当に、人生の支えになってくれるようなアルバムだなと思います。同時に、みんなとの思い出も浮かんでくるようなアルバムです。


▲坂本ひろ美(Key)

──アルバム制作を振り返ると、いつ頃から作り始めていたんですか?

神野:曲によって違うんですけど、去年から進めていたのがほとんどです。ただ「フタリシズカ」は、オリジナル曲の1枚目のシングル「ブラックコーヒー」(3rdシングル / 2021年2月発表)を出した時に、同時に制作していた曲ですね。「フタリシズカ」「黒い薔薇」「ブラックコーヒー」の3曲を一緒に進めていて、その時の曲が今やっとリリースされました。「私と恋をしてください」も、けっこう前から作っていましたし、「夢で逢いましょう」もそうですね。

──そう考えると、まさにここまでのSARD UNDERGROUNDらしさの集大成と言えるような。

神野:そうですね。「フタリシズカ」に関しては、歌声も2年前のものなんです。

──そうなんですね。自分自身で、違いは感じますか。

神野:感じますね。声のトーンが、何か明るい気がします。声変わりしたのかな(笑)。

──それはライブをたくさんやったり、歌い込んだりすることで、自然な変化はあるでしょうね。

神野:そうですね。時期によって、声は違うと思います。

──個人的な印象で言うと、「星の光」の歌い方がとても好きなんです。大人びた強めの歌い方が、カッコいいと思います。

神野:ありがとうございます。「星の光」は本当に難しくて、逆に何も考えずに歌いました(笑)。

──歌い方で、一番自分らしさを出せたなと思うのは、たとえばどの曲だったりしますか。

神野:「夢で逢いましょう」と「涙色で」ですかね。自分らしさというか、“SARD UNDERGROUNDのボーカルの私”という感じがします。アクセントの付け方も坂井泉水さん寄りで、「星の光」には絶対ない歌い方ですね。

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