【インタビュー】花*花、初のカバーアルバム発売「自信を持ってお届けできるっていうとこまで来れた」

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◼︎ライフワークみたいな感じで続けていきたい

──今回の選曲、かなり大変だったんじゃないですか?

おの:大変でした(笑)。

こじま:ライブでなかなかの曲数歌ってきたんで(笑)。でも、なるべく全部の回の中からまんべんなく選びました。

──1曲目がKANさんの「愛は勝つ」というのは、個人的にもグッと来るものがありました。

こじま:これは紅白の回(※「年忘れ!グッラボ紅白歌合戦編」)で歌ったんですけど、大体紅白って、今年去られた巨星の曲みたいなのもやるじゃないですか。そういうコーナーもやったんですよ。

おの:谷村新司さんの「昴 -すばる-」や坂本龍一さんの「戦場のメリークリスマス」なんかも演奏してね。

こじま:KANさん、元々2人とも大好きやったんです。デビュー前、関西ローカルのテレビ番組でもご一緒さしてもらってて。セッションが多い音楽番組だったんで、いろんなこと教えてもらいました。

──ピアノを弾く際のコスプレについてとか(笑)?

こじま:最高ですよね(笑)。でも、大人が真剣にふざけるっていうことを教えてもらいましたよ。もう、やるなら全力でふざけないとって。

おの:KANさんは“全力面白おじさん”なんだけど、音楽はピカイチ。楽曲もそうですし、ピアノも素晴らしい。そのギャップみたいなのも魅力なんですよね。素晴らしい名曲をたくさん残されたんですけど、やっぱりこれやろっていう1曲を歌わせてもらいました。「愛は勝つ」はきっと誰もが耳にしたことあるし、力をもらったこともあると思うので、大リスペクトで1曲目になりました。

──スピッツの「楓」は、通常のライブでもよく歌われているそうですね。

こじま:カバーでは一番長く歌ってるかな。もう10年ぐらい?

おの:そうですね。秋口のライブとか、毎年そのシーズンになると歌ってます。



──先ほどゲストの方と一緒に選曲するというお話もありましたが、意外だった楽曲というと?

おの:「EIGHT MELODIES(MOTHER2)」(鈴木慶一・田中宏和)とか。

こじま:めっちゃゲーマーで、いろんな音楽にも長けてる俳優の宮下雄也くんが来てくれた、エモい曲の回(「エモ概論(A)編」)ですね。「MOTHER」ってRPGなんですけど、何回も何回も繰り返し出てくるこういうフレーズって、聴こうと思って聴いてた曲じゃないと思うんですよ。

おの:ゲームやってて、刷り込まれるみたいな(笑)。

こじま:私もずっとゲームやってたので、すごくわかる。しかもそれが「ドラクエ」とか「ファイナルファンタジー」じゃなくて「MOTHER」ってところが熱い(笑)。最初はライブでやったようにインストでやろうかなって思ったんですけど、歌詞がすごく良かったんで、ちょっと厚めにアレンジをし直しました。これ、早く宮下くんに聴いてほしい。

──鈴木慶一さん繋がりですが、ムーンライダーズの「ニットキャップマン」もカバーされています。

おの:これはいづみさんが、映画とかドラマになりそうな曲の回(「シネマチックソングス編」)で選んで。

こじま:この曲、元々大好きで。衝撃やったんです。最初に聴いたとき、泣けて泣けて。こんな淡々とした曲なんやけど、ちゃんとストーリーがあって。

おの:糸井(重里)さんならではの歌詞。



──知らなかった曲に出会えるのも、カバーライブやカバーアルバムのいいところですよね。

こじま:そうなんですよね。イベントのときは終わったらプレイリストを作ってSpotify上げるんですけど、原曲がすごくいいので聴き比べてみてほしいなと思います。

おの:「ウイスキーがお好きでしょ」(SAYURI)もいろんな人がカバーされてるので、聴いてみると楽しいと思う。

こじま:これは酒場歌の回(「呑んで呑まれて酒場歌編」)でやりましたね。その時はテレサ・テンさんの「つぐない」とかも歌いました。

──UNICORNの「自転車泥棒」は何の回だったんですか?

こじま:エモい曲(「エモ概論(A)編」)でした。私、ユニコーンのファンクラブに入っていたくらい好きだったので。

おの:いづみさんはコアなファンなんですよ(笑)。でも私も、この曲は学生のときにコピーバンドで演奏していました。

──「まちぶせ」は、ひょっとしたらオリジナルの三木聖子さんよりも石川ひとみさんのバージョンでお聴きになっている方が多いかもしれないですね。

おの:そうですね。これは1回目の歌詞を深掘りする回(「歌詞は沼編」)でした。

──その回では「けんかをやめて」(竹内まりや)も深堀りされていますが、この曲を歌唱されていた河合奈保子さんも、「まちぶせ」の石川ひとみさんも、いわゆる当時のアイドルがこんな歌詞を歌っていたということに今さらながら驚きます(笑)。

おの:“ヤバい女シリーズ”ですよ(笑)。それを、アイドルがあんなに爽やかに歌って大ヒットって、すごいですよね。

こじま:でも、逆に今こういうのを作ったらコンプラ的にどうなん?

おの:「まちぶせ」とかは、待ち伏せてるだけやから大丈夫なんじゃない(笑)?でもちょっと怖いですよね。他の人にもらったラブレター、こそっと見せたりされても。「けんかをやめて」で描かれているのもすごい人ですよね。私のために争わないでって。でも、あの時代だったからっていうのあるのかもね。

こじま:そうそう。例えばだけど、初期のおニャン子の曲とか今絶対アウトでしょっていうのも結構あって。

おの:「セーラー服を脱がさないで」なんてね(笑)。

こじま:でも、それを歌っていいのが芸術なのかなと思う。

おの:エンターテイメントとしてね。

こじま:そういう回もやりたいね。コンプラ・アウトの回(笑)。

おの:今の時代じゃ歌えない、放送禁止ギリとかいっぱいあるやろうし。それこそテレサ・テンさんの「つぐない」とか「愛人」とか、小林明子さんの「恋におちて」とか、すごい不倫ソングだし。土曜の夜と日曜は電話できないし、ダイヤル回して手を止めますから(笑)。でもやっぱりヒット曲って、道ならぬ恋みたいな曲も多いんですよね。



──そういう意味で言うと、浜端ヨウヘイさんの「午前0時」なんかはもう本当に…。

おの:ピュアですよね。“ど”ピュア(笑)。

こじま:でも「まちぶせ」の女の子の気持ちと、「午前0時」の男の子の気持ちはそんなに変わらへんかも。なんで女になると急に怖いんやろうね(笑)。

──1曲1曲、掘り下げていくと本当に深いです。

おの:作った人たちは全然そんなつもりじゃないと思うんですけど、掘ったり別の角度から見たりしたら、同じ曲でも全然見え方が違うと思うんですよね。カバーって、そういうのが面白くてやっちゃうんですよね。

こじま:続けていきたいなと思ってます。ライフワークみたいな感じで。

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