【インタビュー】花*花、初のカバーアルバム発売「自信を持ってお届けできるっていうとこまで来れた」

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◼︎「これでいいんや」っていう形がちょっとずつ出来てきた

──カバーライブではゲストの方とセッションもされていますが、今回のアルバムではお2人の歌と演奏になっていますね。

おの:そうですね。その曲の良さとか歌詞とか、一番届けられるのはやっぱり“2人だけ”じゃないかと。そういう潔さみたいなのを大事にしました。

こじま:だいぶ削ぎ落としたよね。

──24年一緒に音楽をやってらっしゃって、レコーディングのやり方の変化などもありますか?

こじま:最初の頃は何もわからないから、エンジニアさんがいてディレクターさんがいてアレンジャーさんがいて…っていう中でやってたけど、今は本当に2人なのでね。今回もエンジニアさんとアシスタントさんがいて、私らがいるだけなんで、ぼーっとしてたら進まないんです。私らが動かないと(笑)。

おの:「今日はこれとこれとこれをやります! お願いします!」みたいな感じでやっていきましたね。


──音楽が、より自分たちの手にあるような感じですね。

おの:そうです、そうです。本当に。

こじま:システム的なものを一旦手放した上での再結成だったから、やっぱり一番ミニマムな形で、自分らがほんまにいいと思うものだけを選ばないと。同じことをしても意味ないですからね。自分らが一番いいと思うものだけを選んで選んで、選んで選んで…ってしてるうちに、スタジオワークも「これでいいんや」っていう形がちょっとずつ出来てきたような気がしますね。

おの:バンドさんに入ってもらうときは、「こんな感じでやりたいです」っていう簡単な音源みたいなもので説明はするけど、そのプレーヤーのカラーも全然出していってほしいので、みんなで作っていくみたいな感じです。最初から自分たちでしっかり打ち込んでとかはあんまりなくて、ほぼ現場主義ですね。

──きっと、音で会話するような感じで進んでいくんでしょうね。

おの:やっぱり畑が違うというか、楽器が変わると自分たちができないのでね。ベース弾くとかドラム叩くとかはそのプロの力をお借りすることになるので、たくさんアイディアも出していただいて一緒に作ってます。

──だからこそ、今回のように2人だけで作るとなると、よりシンプルかつ純度の高い成分が凝縮されるわけですね。

こじま:そうですね。原曲がバンドサウンドやったりしたら、2人の4つの手で担うしかないんで、ベースはこの手、リズムはこの手が担ってるみたいなパート分けをしながら制作しています。

おの:そういう意味では、ピアノって素晴らしい楽器なんですよね。ベースの役割も出来るし、和音も出せるし、リズムも出せる。パーフェクトな楽器だなと思います。


──7月には東京と大阪で<花*花24周年記念ライブ~heading to quarter~>も開催されました。ツアータイトルにもありますが、25周年へ向かうお2人の意気込みが伝わってきますね。

おの:区切りの年って、自分たちも大切にしていて。この25周年やったら次の30周年に向かう区切りにもなると思うので、ここで一発お祭りをやろうかと(笑)。でも、もう25周年かとも思うし、まだ25年かとも思う。たくさんのお元気な諸先輩方、そこに追いつくことは無理かもしれないですけど、先輩方の背中を追っかけるぞ、まだまだだぞっていう気持ちもありますね。

──いよいよ25周年。ファンの方にはどんなお言葉を今お伝えになりたいですか?

こじま:途中からファンになってくれた人。最初から聴いてくれてる人。どっちにしても花*花を「いいな」って思ってくれて、音源を手に取ってくれて、ライブに来てくれるって、よっぽどじゃないとしないと思うんです。そういう貴重な時間を割いて来てくださる人が本当にたくさんいらっしゃるので、25周年を祝いに来てほしいというのもあるけど、やっぱり感謝を伝えたいなとずっと思っているので、感謝祭なので、私らの「ありがとう」を受け取りに来てほしいなと思ってます。

おの:そして「これからもよろしくお願いします」ってね。25周年のお祭りまで、駆け抜けたいと思います。

こじま:1個1個のことを大事にしながらね。

取材・文◎山田邦子

カバーアルバム『Good Song Laboratory』

2024年8月7日リリース
¥2,500+税 / SMRH‐1001

収録曲:全8曲
1 愛は勝つ / KAN
2. ウイスキーが、お好きでしょ / SAYURI(石川さゆり)
3. 自転車泥棒 / ユニコーン
4. ニットキャップマン / ムーンライダーズ
5. まちぶせ / 三木聖子
6. 午前0時 / 浜端ヨウヘイ
7. 楓 / スピッツ
8. EIGHT MELODIES(MOTHER2 ギークの逆襲)/ 鈴木慶一

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