【インタビュー】花*花、初のカバーアルバム発売「自信を持ってお届けできるっていうとこまで来れた」

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2000年7月に「あ〜よかった (setagaya-mix)」でデビューし、「さよなら大好きな人」など、世代も時代を超えて愛されるヒット曲を日本中に届けてきた花*花。2003年に活動を休止したが、10周年を機に再始動し、20周年を迎えた2020年には個人事務所を立ち上げるなど活発な活動が続いている。

そんな彼女たちが、24年のキャリアで初となるカバーアルバム『Good Song Laboratory』を完成させた。

<良い歌には理由がある>をモットーに昨年からスタートした、カバー限定ライブ<#グッラボ-Good Song Laboratory->の手応えや反響を経て生まれたという本作。リリース前に開催された24周年記念ライブではいち早くアルバムからの楽曲も披露されていたが、喜怒哀楽をちゃんと見つめてきたであろう2人の人生の"味わい"までもが伝わるような素晴らしい歌を聴くことが出来た。

25周年に向け、更なる音楽愛と笑い(!?)を携え進む花*花。今回は、完成したカバーアルバムについてはもちろん、きっかけとなったカバーライブでのエピソードについても話を聞いた。

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◼︎自分たちらしく作れるようになったから、そろそろ形にしてもいいんじゃないかなって思えた

──カバーアルバム「『Good Song Laboratory』のリリース、おめでとうございます。とても意外だったのですが、カバーアルバムは初めてだそうですね。

こじまいづみ:そうなんです。デビュー24年にして初めてなんですよ。

おのまきこ:これまでもちょこちょこカバーはやってたんですけど、去年から2ヶ月に1回、カバーソングだけのライブをやってて。結構いろんな面白いことができたねっていう手応えもあったので、これはアルバムとして形に残していってもいいかもってことで、今回の制作に至りました。

──そもそも、どうしてカバーソングだけのライブをやろうと思われたんですか?

こじま:自分たちの福利厚生と言ったらいいんかな(笑)。もうちょっと私たち自身も、そしてお客さんと一緒に、音楽自体を掘り下げる時間があったらいいなと思って。でもどうせするんやったらただのカバーのライブじゃなくって、毎回テーマを決めて、ゲストの人を迎えて、1曲やったら喋る。また1曲やったら喋る。その曲に対して何がいいと思ってるかっていう話も入れつつ、私らがどういうふうに音楽に向き合ってるかとか、それが転じて作品にどう反映してるかっていうところまで、ファンの人たちに考えてもらえるようなライブになればと思ったんです。花*花のライブ行くのに、(花*花オリジナルの)あの曲やりません、この曲やりませんってだいぶハードルの高いことやとは思うんですけど(笑)、見にきてくれる人もぼちぼち多くなってきてますね。


──特に印象に残ってるエピソードの回や楽曲はありますか?

おの:毎回テーマも違うんでね。ゲストの方と一緒に選曲するんですけど、「これ、どうやって2人でやる?」みたいな曲も多くて。私たち的には、毎回アレンジメントの勉強にもなりました。バンドサウンドをどうやって2人でやるか、とか。

──歌詞の深堀だけじゃなく、“Laboratory (実験室) ”というくらいですから楽曲そのものの成分を分析するような感じなんでしょうね。

こじま:そうです、そうです。そこがすごく大事で。でも毎回楽しいんですよ。ミュージシャンの人はもちろん一緒にセッションもやってもらうんですけど、例えば役者さんだったら歌詞を朗読劇として披露してもらうとか、アナウンサーの方のときはちょうど年末やったんで花*花紅白歌合戦(「年忘れ!グッラボ紅白歌合戦編」)として前口上していただいたんですよ。「歌は世につれ世は歌につれ…。それでは歌っていただきましょう! どうぞ!」みたいな(笑)。

おの:準備とか結構大変なんですけど、終わった後にはやっぱり「面白かったなぁ!」って感じなんです。

──カバーをここまで本格的にやるというのがこのタイミングだったのも、ひょっとしたら、何か意味があったのかもしれないですね。

こじま:そうですね。学生時代、オリジナル曲を作る前から、2人で元々ある曲をアレンジしてライブでやるっていうのはやってたから原点でもあるんですけど、たぶんそんなことばっかりずっとやってたらオリジナルは出来ひんかったやろうし、花*花として作ったものを24年やってきた中でのカバーだからこそ打ち出せるっていうのはすごい大きくて。まず自分たちのカラーがないと、カバーって出来ないんじゃないかなと思うんです。

おの:その楽曲に対して、ちゃんと自分たちが自信を持ってお届けできるっていうとこまで来れたからかなって。デビューした頃にカバーのアルバム出しても、あんまり説得力ないし、ちゃんと責任持って作れたかなっていうのはあるからね。

こじま:そう。「好き」だけではね。

おの:それだけではアマチュアでしかないので。コツコツいろんな曲をライブでカバーさせていただいて、自分たちらしく作れるようになったから、そろそろ形にしてもいいんじゃないかなって思えたんですよね。24年かかりましたけど(笑)。


──長く応援されているファンの方はもちろん、カバーライブを通して花*花を知った方も、このカバーアルバムのリリースは待望だったんじゃないかなと思います。

こじま:ありがとうございます。

おの:ライブに来てくださった方は「あぁ、ライブで聴いた曲も入ってる」って思うと思うんですが、ライブでやるのと作品として作るのはまたちょっと変わってる部分もありますからね。改めて、楽しみにしていてくれたら嬉しいです。

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