【コラム】SixTONES、最新両A面シングル「GONG/ここに帰ってきて」とサプライズな夏フェス出演にみた“多角的な新挑戦”

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SixTONESが7月10日、13枚目となるシングル「GONG/ここに帰ってきて」をリリースする。2024年2月から4月にかけて行なわれたドームツアー<VVS>を無事完走し、現在は演技やバラエティなどの個人活動も目覚ましい印象のSixTONESだが、その一方、彼らは音楽を発信し続けることを決して止めはしない。

◆SixTONES 動画 / 画像

具体的なことに目を向けるならば、今回の両A面シングルのリリース、そこに加えて音楽フェスへの出演でも注目されていることは間違いない。今回は、そんなSixTONESの新譜、そして彼らの新しい挑戦となった音楽フェスへの出演について解説していきたい。


▲シングル「GONG/ここに帰ってきて」

両A面シングルのうちの1つ「GONG」は、メンバーの田中樹が出演していた2024年4月期の日曜ドラマ『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)の挿入歌。“悪魔の鍵”をつかった命懸けの“アクマゲーム”に挑む者たちの白熱したバトルが繰り広げられたドラマのストーリーにふさわしく、緊張感と疾走感がかけ合わさったような1曲だ。

高低差のあるギターサウンドからスタートするロックチューンでは、冒頭、怒涛のスピード感で歌唱を展開。“到底敵いやしない でも譲れやしない” “這いつくばったって諦めない”という歌詞からは、勝負が始まる前の緊張とやる気が入り混じった気持ちが受け取れる。

続く田中のラップパートでシーンは一変。“研ぎ澄ます五感 呑み込むため息”という一節は、まるでいよいよ勝負がスタートし、集中するプレイヤーのよう。サビにかけて“絶対に負ける気がしない”と言わんばかりの力強い歌詞が並んでいく。

ちなみに、「GONG」MVでは個性溢れるアクションを6通りのシチュエーションで繰り広げることで、内なる情熱と強い意志を表現。6人揃った先で見せるパワフルなダンスと、後半のバンドとオーディエンスも集結したライブシーンは見るものの心を震わす。

まさに、多少困難な壁が立ちはだかっていたとしても“やってやる”という闘志を焚き付けてくれるファイトソングなのだ。


もう1つの楽曲「ここに帰ってきて」は、真正面から愛を伝えるラブソング。京本大我と古川琴音の主演映画『言えない秘密』の主題歌に起用された1曲である。

ピアノサウンドから始まる同楽曲では、まずジェシーによる“初めて出会った日のこと 覚えてる?”という恋の始まりを彷彿とさせるような歌唱からスタート。その後、リレーのように続いていくメンバーの歌声は、歌詞の一言一言を噛み締めるような丁寧さが伝わってくる印象だ。聴いているだけで、愛する人と過ごした時間への後悔、そして感謝が伝わってくる。

また、そんな世界観に厚みを持たせているのがサビにかけて盛り上がりを見せるバイオリンやビオラ、チェロなどのストリングスの音色だ。MVではあえて、真っ白な空間で決まった振り付けもなく、ただただピアノと弦楽器の音、そして自分たちの歌唱に集中する6人の姿が健在。見ているだけで胸をぎゅっと締め付けるような切なさを帯びている。

これまでのSixTONESのラブストーリーを振り返ると、少し大人の恋愛を描いたような歌詞が多かった印象。それに対し、同楽曲は年齢や性別に囚われることのない、誰もが抱きうる恋愛には限らない、純度の高い愛情が描かれている楽曲だ。


そんなSixTONESだが、この夏は音楽フェスへ勢力的に出演している。5月12日に開催されたダウンタウン・浜田雅功による音楽フェスティバル<ごぶごぶフェスティバル2024>では初フェスにもかかわらず、多くの観客を虜に。フェス後、SNSではその記念すべき瞬間を見守った多くの観客から絶賛の声が多く挙がっていた。

そして今回、2011年に初開催された音楽雑誌『Talking Rock!(トーキング・ロック!)』が主催する毎夏恒例の音楽フェス<トーキングロックフェス>の1日目7月6日にSixTONESがサプライズ登場した。

SixTONESのファンにも隠されていたサプライズ登場とあり、SixTONESは多くのロックファンの前で楽曲を披露したのだが、その評判は前回に負けじと上々だ。

■<Talking Rock! FES.2024>セットリスト

2024.7.6(土)@神奈川・YOKOHAMA ARENA STAGE
01. こっから
02. ABARERO -Dark Electro Rock Remix-
03. Bang Bang Bangin’
-MC-
04. マスカラ
05. 人人人
06. GONG
07. S.I.X
08. Outrageous
09. WHIP THAT
10. アンセム

<TalkingRockFES.2024>で披露した楽曲の一部セットリストをSixTONESオフィシャルYouTubeチャンネルの再生リストにて公開

1曲目に披露した「こっから」は、2023年ドラマ『だが、情熱はある』の主題歌として、SixTONESファンのみならず、多くのドラマファンに親しまれた1曲。YouTubeでは1.3億回再生を超えるヒットソングだ。そんな楽曲を前回の<ごぶごぶフェスティバル2024>同様、1曲目に持ってきたSixTONES。現在は、この「こっから」が彼らの現在地を示す名刺がわりの1曲であるかということが見て取れる。

ちなみに筆者は、フェスにおいて大切なことは、自分のファンだけでなく会場全体を盛り上げて、巻き込むような楽曲を揃えることに加え、その中で曲やグループの世界観に引き込み、没頭させることだと考えている。そう考えると、その全ての要素を持ち合わせている「こっから」が1曲目であることに異論がない。ノリの良さ、そしてSixTONESがフェスという新たな場所“こっから”始めようとする意志も感じるからだ。

2曲目の「ABARERO -Dark Electro Rock Remix-」は超攻撃型HIPHOPチューンという名を掲げる1曲。地の底から湧き上がるような力強い楽曲は、会場を大きく揺らしたことだろう。3曲目「Bang Bang Bangin’」は、直近のツアー<VVS>でも会場を盛り上げるのに一役買ったスピード感あふれる楽曲だ。思わず、曲に合わせて歓声を上げたくなるようなエレクトロニックなダンスメロディが心地よい。盛り上がり曲を序盤に持ってくることで、この楽曲を知らなかった人であっても、SixTONESのライブの楽しさを体感することができたことだろう。

MC明けに披露したのは、King Gnu/millennium paradeの常田大輝が楽曲提供したことでも知られる「マスカラ」。ここで6人はぐっと恋愛のもどかしさを感じる大人の男性としての一面を魅せた。そして、リリース当時ファンの間ではSixTONESの新境地とも話題になった「人人人」が続く。今までの曲調とは雰囲気を一変させたこの楽曲を中盤に持ってきたことで、惹きつけられたリスナーはSixTONESの表現力の幅広さに圧倒されたことだろう。

この流れで披露された最新曲「GONG」で再びパワフルな彼らのペースへ。先述した歌詞の意味を考えても、ラストまで一気に駆け上がっていくのにはふさわしい1曲だ。彼らの燃える闘志、そして盛り上がりたいと集う観客の心に火をつける。

そして<ごぶごぶフェスティバル2024>と同じ、「S.I.X」「Outrageous」「WHIP THAT」「アンセム」というお馴染みの流れで一気に走り抜けていく。ラストに向けて、貪欲に盛り上がりのボルテージを上げていくメンバーの姿は想像するに容易い。ここまで来たら、観客はすっかりSixTONESの虜になっていること間違いなしだ。

既存の枠に囚われることなく、その魅力を多角的に見せてきたSixTONESは、現在グループ結成から9周年、CDデビューから4周年。ここから2026年までバイブスをぶち上げる2年間であることを宣言している。

そんなSixTONESがここからの2年でさらに多くのファンをつけることは疑いの余地なし。そのことを考えると、今後も彼らが自分たちのフィールドに止まることなく、より広い場所へと羽ばたいていくことが楽しみだ。

文◎於ありさ


■13thシングル「GONG/ここに帰ってきて」

2024年7月10日(水)リリース
【初回盤A】SECJ-93~94 1,980円(税込)
【初回盤B】SECJ-95~96 1,980円(税込)
【通常盤】SECJ-97 1,210円(税込)
「GONG」:日本テレビ系ドラマ「ACMA:GAME アクマゲーム」挿入歌
「ここに帰ってきて」:映画「言えない秘密」主題歌

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